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「NISAってよく聞くけど、口座開設ってなんだか難しそう…」「書類は何が必要?時間はどれくらいかかるの?」
そんな疑問や不安から、NISA口座開設の一歩を踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、NISA口座開設に関する初心者が抱きがちな具体的な疑問にQ&A形式でお答えします。よくある「つまずきポイント」とその対処法も分かりやすく解説するので、この記事を読めば、あなたのNISA口座開設はきっとスムーズに進むはず。
さあ、ギモンをスッキリ解消して、お得な非課税制度NISAを始める準備をしましょう!
NISA口座の開設を考え始めたとき、まず最初に頭に浮かぶのは基本的な疑問かもしれません。ここでは、準備段階で多くの方が抱く疑問とその回答を分かりやすく解説します。
NISA口座とは、毎年一定金額の範囲内で行った投資から得られる利益(例えば、株を売って得た儲けや、投資信託から受け取る分配金など)に、通常かかるはずの税金が一切かからなくなる、国が作った非常にお得な制度です。通常、投資で得た利益には約20.315%もの税金がかかりますが、NISA口座を利用すればそれが非課税になるため、手元に残るお金が多くなり、効率的に資産を増やせる可能性が高まります。
例えば、将来のためのマイホーム資金や教育資金、あるいは老後の生活資金など、長期的な視点で資金作りを考えている方にとって、この非課税のメリットは非常に大きいです。また、「少しでもお金を増やしたい」「インフレでお金の価値が目減りするのが心配」といった方にとっても、NISAは有効な選択肢の一つとなるでしょう。
NISAは恒久化され、年間の非課税投資枠も「つみたて投資枠」で1,200,000円、「成長投資枠」で2,400,000円、合計で最大年間3,600,000円と大きく拡大しており、より多くの方が活用しやすくなっています。
| NISA(ニーサ) | ||
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
| 加入対象 | 日本在住の18歳以上 | |
| 税制上のメリット | 運用益が非課税 | |
| 枠の併用 | 併用可 | |
| 年間投資上限額 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額 | 1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで) | |
| 非課税保有期間 | 無期限 | |
| 投資対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 一定の国内外の上場株式・ETF・投資信託など |
| 購入方法 | 積立のみ | スポット・積立 |
つまずきポイント: 制度の概要が複雑に感じられたり、自分にとって具体的にどのようなメリットがあるのかがイメージしにくかったりすること。
対処法: まずは「投資で得た利益に税金がかからない」というNISAの最大のメリットをしっかりと理解することが大切です。その上で、ご自身の将来の夢や目標、現在の家計状況などと照らし合わせ、「非課税で運用できるなら、こんなことのために使えそうだな」と具体的に考えてみると、メリットを実感しやすくなります。
ご安心ください。NISA口座の開設手続き自体は、あなたが思っているよりもずっと簡単で、決して難しいものではありません。近年、多くの金融機関では、スマートフォンやパソコンを使ってオンラインで手軽に申し込むことができるようになっており、画面の指示に従って入力していくだけで手続きが完了する場合がほとんどです。また、手続き方法について丁寧なガイドや解説動画を用意している金融機関も多く、投資が全く初めてという方でも問題なく開設できるようサポート体制も整っています。
大切なのは、事前に必要なものをきちんと準備し、焦らずに手順を一つずつ確認しながら進めることです。この記事でも、後ほど具体的な手続きの流れや必要な書類について分かりやすく説明していきますので、心配はいりません。
楽天証券の口座開設手順(スマホ撮影で本人確認の場合)

NISA口座の開設手続きをスムーズに進めるためには、事前にいくつかの書類を準備しておくことが重要です。主に必要となるのは以下のものです。
まず、ご自身のマイナンバー(個人番号)が確認できる書類です。これは、「マイナンバーカード(個人番号カード)」があれば一枚で済みます。もしマイナンバーカードをお持ちでない場合は、「通知カード(マイナンバーが記載された紙製のカードで、現在は新規発行されていません)」または「マイナンバーが記載された住民票の写し」のいずれかが必要になります。
次に、本人確認書類です。マイナンバーカードがあれば、それが本人確認書類も兼ねるため別途用意する必要はありません。マイナンバーカードがない場合は、運転免許証、健康保険証、パスポート、在留カードなど、顔写真付きの公的な証明書が必要となります。金融機関によって認められる本人確認書類の種類が異なる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
これらの必要書類は、口座を開設したい金融機関によって若干異なる場合や、提出方法(オンラインでのアップロードか、郵送かなど)が指定されていることがありますので、必ず事前にその金融機関のウェブサイトなどで最新の情報を確認するようにしましょう。

NISA口座は、銀行(都市銀行、地方銀行、ネット銀行など)や証券会社(大手ネット証券、対面型の大手証券会社、地方の証券会社など)、多くの金融機関で開設することができます。選択肢が多いため迷ってしまうかもしれませんが、ご自身に合った金融機関を選ぶためのいくつかの重要なポイントがあります。
まず一つ目は、取り扱っている金融商品のラインナップです。NISA口座で購入できる商品は金融機関によって異なります。例えば、投資信託の種類や数、外国の株式やETF(上場投資信託)の取り扱いがあるか、といった点は大きな違いが出るところです。ご自身がどのような商品に投資したいか、ある程度イメージがあるのであれば、それが取り扱われているかを確認しましょう。
二つ目は、各種手数料です。NISA口座の開設手数料や管理手数料(口座維持手数料)は多くの金融機関で無料となっていますが、株式や投資信託を売買する際には、取引手数料がかかる場合があります。特に、個別株の取引を考えている場合は、1回の取引ごとにかかる手数料や、1日の取引金額に応じた手数料体系などを比較検討することが重要です。ネット証券の中には、NISA口座での国内株式売買手数料を無料にしているところも増えています。
三つ目は、ウェブサイトや取引ツールの使いやすさです。実際にNISA口座で取引を行う際には、その金融機関のウェブサイトやスマートフォンアプリを利用することになります。情報が見やすいか、操作が直感的で分かりやすいか、といった点は、特に投資初心者の方にとってはストレスなく取引を続ける上で非常に重要です。多くの金融機関では、口座開設前にデモ画面を体験できたり、ツールの紹介動画を公開したりしているので、参考にしてみると良いでしょう。
そして四つ目は、サポート体制の充実度です。NISA口座の開設手続きや商品の選び方、取引方法などで分からないことが出てきた場合に、電話やチャット、メールなどで気軽に相談できるサポート体制が整っていると安心です。特に投資初心者の方は、疑問点をすぐに解決できる環境があるかどうかは重要なポイントになります。
これらのポイントを踏まえ、例えば「とにかく手数料を抑えたい」「自分のペースでじっくりオンラインで取引したい」という方にはネット証券が人気がありますし、「専門家に相談しながら商品を選びたい」「対面でのサポートを重視したい」という方には店舗を持つ銀行や対面型の証券会社も選択肢に入ってきます。ご自身の投資スタイルや、何を重視するかという優先順位を考えながら、いくつかの金融機関を比較検討してみることをおすすめします。
あなたはどっち?金融機関選びのポイント比較
| 比較項目 | ネット証券 | 対面証券・銀行 |
| 取引手数料 | ◎ 非常に安い(無料の場合が多い) NISA口座内の国内株・米国株・投資信託の売買手数料が無料の証券会社が多く、コストを最小限に抑えられます。 | △ 割高な傾向 株式の売買時や、一部の投資信託の購入時に手数料がかかる場合があります。相談料が含まれていると考えましょう。 |
| 取扱商品 | ◎ 非常に豊富 数多くの投資信託、国内外の株式、ETF(上場投資信託)など、幅広い選択肢から自分で商品を選びたい方に向いています。 | ○/△ 限定的 その金融機関が厳選した商品ラインナップが中心です。特に銀行は、投資信託の種類が少ない傾向にあります。 |
| サポート体制 | ○ オンライン中心 電話、チャット、メールでのサポートが基本です。自分のペースで調べたり、問い合わせたりしたい方向けです。 | ◎ 対面で手厚いサポート 店舗の窓口で、担当者に直接、顔を見て相談できます。投資の知識が全くなくても、一から丁寧に教えてもらえます。 |
| 利便性・サービス | ◎ 高機能で便利 スマホアプリで口座開設から取引まで完結できます。100円からの少額積立や、ポイントが貯まるクレジットカード積立など、独自のサービスが充実しています。 | ○ 手続きの安心感 普段利用している銀行なら、馴染みのある窓口で手続きできる安心感があります。ただし、オンラインサービスはネット証券に及ばない場合があります。 |
| おすすめな人 | ● とにかくコストを抑えたい方 ● 自分で情報を集めて商品を選びたい方 ● スマホやPCでの操作に慣れている方 ● 少額から手軽に始めたい方 ● ポイントを効率よく貯めたい方 | ● 投資の知識に不安があり、専門家に相談したい方 ● 手数料を払ってでも、手厚いサポートを受けたい方 ● パソコンやスマホの操作が苦手な方 ● じっくり対面で話を聞きながら進めたい方 |
NISA口座開設の準備が整ったら、いよいよ申し込み手続きです。ここでは、実際の申し込み手続き中によくある疑問や、つまずきやすいポイント、そしてその対処法について解説します。
NISA口座の申し込み手続きは、金融機関によって多少の違いはありますが、一般的には大きく分けて次の4つのステップで進みます。
これは前述の「準備編 Q4」で解説したポイントを参考に、ご自身に合った金融機関を決定する段階です。
オンラインで申し込む場合は、画面の指示に従って氏名、住所、生年月日、職業、年収、投資経験などの必要情報を入力し、事前に準備した本人確認書類やマイナンバー確認書類をアップロード(または郵送)します。
金融機関では入力された情報や提出書類に不備がないかなどを確認し、税務署ではNISA口座が一人一口座の原則に則っているか(他の金融機関で既にNISA口座を開設していないかなど)といった点が審査されます。
この通知をもって、NISA口座での取引を開始できるようになります。
NISA口座の開設までにかかる時間は、申し込む金融機関や申し込みの時期(例えば、年末年始やキャンペーン期間中など申し込みが集中する時期)、そして審査の状況によって異なります。一般的には、オンラインで申し込み手続きが全て完了してから、おおよそ1週間から2週間程度でNISA口座が開設されることが多いようです。
ただし、NISA口座の開設には税務署の審査も含まれるため、書類に不備があった場合や、確認に時間を要するケースなどでは、それ以上の日数がかかることもあります。そのため、「申し込んだらすぐに取引が開始できる」というわけではないことを理解しておく必要があります。特に、特定の時期までにNISA口座で投資を始めたいといったご希望がある場合は、余裕を持ったスケジュールで早めに手続きを進めることをおすすめします。
いいえ、マイナンバーカード(個人番号カード)をお持ちでなくても、NISA口座を開設することは可能です。マイナンバーカードがない場合は、ご自身のマイナンバー(個人番号)を確認できる書類として、「通知カード(マイナンバーが記載された紙製のカード)」または「マイナンバーが記載された住民票の写し(または住民票記載事項証明書)」のいずれかを用意します。
そして、これらに加えて、顔写真付きの本人確認書類(例えば、運転免許証やパスポートなど)を組み合わせて提出することで、マイナンバーの確認と本人確認を行うことができます。もし顔写真付きの本人確認書類がない場合は、健康保険証や年金手帳など、顔写真のない本人確認書類を2種類組み合わせて提出する必要があるなど、金融機関によって認められる書類の組み合わせが異なる場合があります。
ただし、手続きの簡便さや確実性を考えると、やはりマイナンバーカードを取得しておく方が、NISA口座開設だけでなく、様々な行政手続きにおいてもスムーズに進められる場合が多いでしょう。
確かに、NISA口座の申し込み時には、氏名、住所、生年月日といった基本的な個人情報に加えて、職業、年収、投資経験の有無、投資目的など、様々な情報を入力する必要があります。項目が多いと感じるかもしれませんが、これらは金融機関が申込者の状況を把握し、適切なサービスを提供するために必要な情報です。
もし、入力内容に誤りがあった場合、審査に通常よりも時間がかかってしまったり、場合によっては確認のために金融機関から連絡が来たり、最悪の場合、口座が開設できないといった事態に繋がる可能性もあります。そのため、入力時には、一項目ずつ丁寧に見直し、間違いがないかを確認することが非常に重要です。特に、住所や氏名の漢字、生年月日などは間違いやすいポイントですので、慎重に入力しましょう。
万が一、申し込み情報を送信した後に間違いに気づいた場合は、慌てずに、速やかに申し込んだ金融機関に連絡し、その旨を伝えて指示を仰ぎましょう。多くの金融機関では、電話やオンラインで訂正の手続きを案内してくれます。正直に申し出ることが大切です。
無事にNISA口座が開設できた!と喜んだのもつかの間、「さて、次は何をすれば良いのだろう?」と手が止まってしまう方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、NISA口座が開設された後の、運用を開始するための準備に関する疑問にお答えします。
NISA口座が無事に開設されたら、いよいよ投資を始める準備です。次にやるべきことは、大きく分けて2つのステップがあります。
入金方法は、ご利用の金融機関によって異なりますが、一般的には、ご自身が普段利用している銀行口座からNISA口座へ振り込む方法や、特定の銀行口座を登録しておけば手数料無料で即時に資金移動ができる「即時入金サービス」などが用意されています。金融機関のウェブサイトや取引ツールで入金方法を確認し、手続きを行いましょう。
NISA口座で購入できる商品は、投資信託、国内株式、外国株式など多岐にわたります(ただし、つみたて投資枠と成長投資枠で対象商品が異なります)。どのような商品に投資するかは、ご自身の投資目的(例えば、将来のために長期的にコツコツ増やしたいのか、ある程度リスクを取って積極的にリターンを狙いたいのかなど)や、どの程度のリスクなら受け入れられるか(リスク許容度)を考慮して、慎重に選ぶことが大切です。多くの金融機関では、投資初心者向けの商品の選び方ガイドや、情報提供、セミナーなども行っていますので、そういったものも参考にしてみると良いでしょう。
2024年から始まった新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの異なる特徴を持つ非課税投資枠が用意されており、これらを併用することができます。どちらの枠をどのように使えば良いか迷う方も多いでしょう。それぞれの特徴を理解することが大切です。
まず「つみたて投資枠」は、年間の非課税投資上限額が1,200,000円です。この枠で購入できる金融商品は、主に、長期の積立・分散投資に適していると金融庁が定めた基準を満たす、比較的低コストの投資信託などに限定されています。毎月コツコツと少額から積立投資をしたい方や、たくさんの商品の中から選ぶのが難しいと感じる投資初心者の方にとって、始めやすい仕組みと言えます。
一方、「成長投資枠」は、年間の非課税投資上限額が2,400,000円です。この枠では、上場している個別企業の株式や、つみたて投資枠の対象商品よりも幅広い種類の投資信託、ETF(上場投資信託)など、より多様な金融商品に投資することが可能です(ただし、高レバレッジ型投資信託など、一部対象外となる商品もあります)。ある程度まとまった資金で運用したい方や、特定の企業の株式にも関心がある方、より積極的にリターンを追求したいと考えている方などに向いている選択肢と言えるでしょう。
どちらの枠を使えば良いかについては、ご自身の投資スタイルや目標、リスク許容度によって異なります。「まずは少額から、手間をかけずに長期的に資産形成を始めたい」という方はつみたて投資枠を中心に、「ある程度自分で商品を選んで積極的に運用したい」「個別株にも投資してみたい」という方は成長投資枠も活用する、といったように、ご自身の考えに合わせて使い分けるか、あるいは両方の枠を組み合わせてバランス良く活用するのが良いでしょう。
NISA口座への入金方法は、ご利用になる金融機関によっていくつかの方法が用意されています。一般的に多く見られるのは、以下の方法です。
一つ目は、ご自身が普段利用している銀行口座から、NISA口座を開設した金融機関の指定する口座へ銀行振込を行う方法です。振込手数料はご自身負担となる場合があります。
二つ目は、多くのネット証券などで提供されている「即時入金サービス(リアルタイム入金、クイック入金などとも呼ばれます)」を利用する方法です。これは、提携している特定の銀行のインターネットバンキングを利用して、ほぼリアルタイムで、かつ手数料無料でNISA口座へ資金を移動できるサービスです。非常に便利なので、対応している銀行口座をお持ちの場合は活用すると良いでしょう。
三つ目は、特に投資信託の積立設定を行う場合に、登録した銀行口座から毎月自動的に一定額が引き落とされ、NISA口座へ入金される方法です。一度設定すれば手間がかからないため、コツコツ積立を続けたい方には便利な方法です。
四つ目として、近年利用者が増えているのが「クレジットカード積立」です。これは、NISA口座で投資信託などを積み立てる際に、その購入代金をクレジットカードで支払う方法です。毎月の積立額に応じてクレジットカードのポイントが貯まる場合があり、現金で積み立てるよりもお得になる可能性があります。ただし、クレジットカード積立に対応している金融機関やカード会社、積立可能な金額の上限などが定められているため、事前に確認が必要です。
NISA口座を開設したら、まずはその金融機関のウェブサイトや取引ツールにログインし、入金方法に関する案内を確認しましょう。ご自身にとって最も利用しやすく、手数料などの面でも有利な方法を選んで入金手続きを行うことが大切です。
無事にNISA口座が開設できたら、次はいよいよ資産運用のスタートです。しかし、実際に始めようとすると、「iDeCoとはどう使い分けるの?」「何かデメリットはないの?」といった、より具体的な疑問が湧いてくるかもしれません。このセクションでは、NISAをさらに賢く活用し、安心して資産形成を続けていくための、一歩進んだギモンにお答えします。
NISAとiDeCo(個人型確定拠出年金)は、どちらも国が用意した有利な税制優遇制度ですが、その目的と特徴は大きく異なります。どちらを優先すべきかは、あなたのライフプランや価値観によって変わってきます。
一番の違いは、資金の目的にあります。NISAは、住宅購入の頭金や子どもの教育費、車の買い替えなど、人生の様々なイベントに対応できる「柔軟性の高い万能資金」作りに向いています。いつでも必要な時に非課税で引き出せるのが最大の魅力です。
一方、iDeCoは、「老後資金」作りに特化した制度です。最大のメリットは、掛け金が全額所得控除の対象となり、毎年の所得税や住民税を軽減できる点にあります。ただし、その強力な税制優遇と引き換えに、原則として60歳まで資金を引き出すことはできません。
では、どちらを優先すべきでしょうか。 もしあなたが20代~30代で、これから結婚や出産、マイホーム購入など様々なライフイベントを控えているなら、まずはNISAを優先するのがおすすめです。必要な時に引き出せる安心感は何物にも代えがたく、投資を続ける上での心理的な支えにもなります。
一方で、すでに十分な貯蓄があり、当面のライフイベントにも見通しが立っている方や、毎年の税負担を少しでも軽くしたい会社員・公務員の方は、iDeCoの活用も積極的に検討しましょう。特に、勤務先に企業年金がない方は、iDeCoで手厚く老後資金を準備する必要性が高いと言えます。
結論として、まずはいざという時に引き出せるNISAで資産形成の第一歩を踏み出し、さらに資金に余裕が出てきたら、節税効果の高いiDeCoも併用して老後資金作りを盤石にする、という順番が、多くの方にとって最適な選択肢となるでしょう。
| NISA | iDeCo | |||
|---|---|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |||
| 概要 | 投資から得られる利益(配当や売却益など)が非課税になる制度です。一般NISAでは年間120万円まで、つみたてNISAでは年間40万円までの投資が可能です。非課税の恩恵を受けられる期間に制限があります。 | 自身で掛金を選択し、老後の資金を自分で運用する個人型の確定拠出年金制度です。掛金は所得控除の対象となり、運用益についても非課税です。60歳まで引き出しはできませんが、長期的な資産形成に最適です。 | ||
| 加入対象 | 日本在住の18歳以上 | 65歳未満の国民年金加入者 | ||
| 税制メリット | 積立・拠出時 | なし | 積立時の掛金が全額所得控除の対象 | |
| 運用中 | 運用益が非課税 | |||
| 受取時 | なし | 受取時の一定額が非課税(退職所得控除・公的年金控除の対象) | ||
| 最低積立金額 | 100~10,000円(金融機関により異なる) | 5,000円 | ||
| 年間投資上限額 | 120万円 | 240万円 | 14.4~81.6万円(職業などにより異なる) | |
| 併用した場合360万円 | ||||
| 非課税保有限度額 | 1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで) | - | ||
| 非課税保有期間 | 無期限 | 最長75歳まで | ||
| 投資対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 一定の国内外の上場株式・ETF・投資信託など | 投資信託・定期預金・保険商品 | |
| 購入方法 | 積立のみ | スポット・積立 | 積立のみ | |
| 引き出し | いつでも可 | 原則60歳以降 | ||
NISAは非常に魅力的な制度ですが、メリットばかりではありません。思わぬ「落とし穴」にはまらないよう、事前に知っておくべきデメリットや注意点が3つあります。
一つ目は、NISA口座で購入した金融商品は、元本が保証されているわけではないということです。投資である以上、購入した株式や投資信託の価格が下落し、投資した金額を下回る「元本割れ」のリスクは常に存在します。非課税の恩恵は利益が出て初めて受けられるものであることを、忘れてはいけません。
二つ目は、NISA口座で損失が出た場合に、他の課税口座(特定口座や一般口座)の利益と相殺(損益通算)ができない点です。例えば、NISA口座で10万円の損失が出て、同時に特定口座で20万円の利益が出たとします。この場合、NISA口座の損失はないものと見なされ、特定口座の20万円全額に対して約20.315%の税金がかかります。もしこれが両方とも課税口座であれば、利益と損失を相殺した10万円分のみが課税対象となるため、NISAのデメリットと言える点です。
三つ目は、非課税投資枠の再利用に関するルールです。NISA口座内の商品を売却した場合、その商品の元本部分にあたる非課税投資枠が復活しますが、再利用できるのは翌年以降となります。年間3,600,000円の枠を使い切った年に商品を売却しても、その年内に追加で投資することはできないため、計画的な利用が求められます。
これらの注意点を正しく理解し、「長期・積立・分散」を基本としたリスクの低い投資を心がけることが、NISAを賢く活用する上での重要な鍵となります。
はい、ご夫婦それぞれがNISA口座を開設することは、世帯全体の資産形成を加速させる上で非常にお得であり、メリットが大きいです。
NISAは、あくまで個人単位の制度です。したがって、ご夫婦がそれぞれNISA口座を開設すれば、世帯としての非課税投資枠は単純に2倍になります。つまり、年間投資枠は最大7,200,000円(3,600,000円 × 2人)、生涯にわたる非課税保有限度額は36,000,000円(18,000,000円 × 2人)まで活用できるのです。これにより、よりスピーディーで大規模な資産形成を目指せます。
また、夫婦で口座を分けることで、目的別に資産を管理しやすくなるという利点もあります。例えば、「夫の口座は老後資金用」「妻の口座は教育資金や旅行資金用」といったように、口座ごとに役割分担をすれば、家計管理がシンプルになります。さらに、それぞれが異なる方針で商品を選ぶことで、世帯全体として自然な形で分散投資が実現できるというメリットも見逃せません。
なお、お子様名義のNISA口座については、18歳以上でなければ開設できません(※旧ジュニアNISAは2023年で制度終了)。お子様の将来のための資金作りは、ご両親のNISA口座の中で「教育資金用」などと目的を決めて運用するのが現実的な方法となります。
結論として、NISA口座を一つにまとめるメリットは特にありません。可能であれば、ぜひご夫婦それぞれで口座を開設し、世帯の非課税メリットを最大限に活用することをおすすめします。
ここまで、NISA口座開設の準備段階から運用開始準備までの主な疑問について解説してきましたが、その他にも知っておくと安心ないくつかのポイントがあります。
NISA口座に関する重要なルールの一つとして、原則として一人につき一つの金融機関でしかNISA口座を開設・保有することができないという点があります。つまり、A銀行とB証券の両方で同時にNISA口座を持つ、といったことはできない仕組みになっています。
もし、現在NISA口座を持っている金融機関から、別の金融機関にNISA口座を変更したいと考えた場合は、年に一度だけ、所定の手続きを行うことで変更が可能です。ただし、この金融機関の変更手続きには、受付期間が定められていたり、その年のNISA枠で既に何らかの金融商品を購入している場合は、その年はもう変更できないといった条件が付いている場合があります。そのため、金融機関を変更したいと考えた場合は、まず現在利用している金融機関と、新たに口座を開設したい金融機関の両方に、手続き方法や注意点について事前にしっかりと確認することが重要です。
多くの金融機関では、NISA口座の開設手数料や、口座を維持するための管理手数料(口座維持手数料とも呼ばれます)は無料となっています。これは、NISA制度の普及を後押しするために、金融機関側が負担しているケースが多いためです。
ただし、注意が必要なのは、NISA口座で実際に株式や投資信託などを売買する際には、通常の課税口座で取引するのと同様に、取引手数料がかかる場合があるという点です。この取引手数料の体系は、金融機関によって大きく異なります。例えば、国内株式の売買手数料が無料のところもあれば、取引金額に応じて手数料がかかるところもあります。また、投資信託についても、購入時手数料がかかるものとかからないもの(ノーロードファンドと呼ばれます)があります。
したがって、NISA口座を開設する金融機関を選ぶ際には、口座開設・維持手数料が無料であることはもちろんですが、ご自身が取引したいと考えている金融商品の取引手数料がどの程度かかるのかを、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。特に、頻繁に売買を行いたいと考えている方は、手数料の差が将来の運用成果に影響を与える可能性も考慮しましょう。(2025年5月現在、特にネット証券を中心に、NISA口座での国内株式売買手数料や一部の投資信託の購入時手数料を無料にしているところが増えています。)
多くの金融機関では、NISA口座を新たに開設する方を対象とした様々なキャンペーンを実施しています。例えば、口座開設と一定額以上の取引で現金やポイントがプレゼントされたり、特定の投資信託の購入時手数料がキャッシュバックされたりするなど、確かにお得感のある内容のものが多いです。
しかし、これらのキャンペーンを利用する際には、いくつか注意すべき点があります。最も重要なのは、キャンペーンの特典を受け取るための条件をしっかりと確認することです。多くの場合、単に口座を開設するだけでなく、「一定期間内に一定額以上の取引を行うこと」「特定の金融商品を一定額以上購入すること」「クイズに正解すること」など、諸条件が設定されています。これらの条件をよく読まずに申し込んでしまうと、せっかくの特典を受け取れない可能性もあります。
また、キャンペーンの魅力だけで金融機関を選んでしまうのも注意が必要です。特典がいくら魅力的でも、その金融機関の取扱商品や手数料、ウェブサイトの使いやすさなどがご自身に合っていなければ、長期的に見て不利益になることもあり得ます。
したがって、NISA口座開設のキャンペーンを利用する際は、まず特典内容だけでなく、その達成条件や期間を必ず確認し、ご自身にとって無理なく達成できるかを見極めることが重要です。そして、キャンペーン情報と合わせて、前述した金融機関選びのポイント(取扱商品、手数料、使いやすさ、サポート体制など)も総合的に比較検討し、ご自身にとって最適な金融機関を選ぶようにしましょう。
NISA口座開設のポイントは分かっても、「他の人はどうやって始めたんだろう?」「自分と同じようなことで、つまずいていないかな?」と、実際の体験談が気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで、NISAを始めた方からよく聞くお話を元に、タイプの異なる2つのケースをインタビュー形式でご紹介します。あなたの口座開設のヒントが、きっと見つかるはずです。
――NISAを始めたきっかけは何でしたか?
「社会人になって数年経ち、貯金も少しはできてきたのですが、ただ銀行に預けておくだけで良いのかと漠然とした不安がありました。そんな時、同僚が『クレカ積立でポイント貯めながらNISA始めたよ』と話しているのを聞いて。それなら自分にもできそうだな、と思ったのがきっかけです。」
――金融機関選びのポイントは?
「僕の場合は、とにかく『手数料の安さ』と『スマホアプリの使いやすさ』が最優先でした。店舗に行く時間はなかったので、ネット証券一択でしたね。いくつかのネット証券のサイトや評判を比較して、NISA口座での日本株や米国株の売買手数料が無料で、アプリのデザインが直感的だったところに決めました。」
――つまずいた点や、今だから言える失敗談はありますか?
「実は、口座開設自体は10分くらいで終わったんですが、その後が問題で…。いざ投資を始めようにも、投資信託の種類が何千本もあって、どれを選べばいいか全く分からなくなってしまったんです。結局、調べるのが面倒になって、せっかく開設した口座を1ヵ月くらい放置してしまいました(笑)。最初の投資商品を決めるのが、一番のハードルでしたね。」
――そこからどうやって乗り越え、始めてみて良かったことは何ですか?
「最終的には、SNSや投資ブログで多くの人がおすすめしていた『全世界株式インデックスファンド』という、いわば“王道”の商品に決めました。『まずこれ一本でOK』という言葉を信じて、月々30,000円の積立設定をしたんです。一度設定してしまえば、あとは毎月自動で買い付けてくれるので本当に楽ですね。少額から始めたおかげで、日々の値動きもほとんど気になりません。『気づいたら貯まっていた』という感覚で続けられるのが、僕には合っていました。クレカ積立で毎月ポイントが貯まるのも、地味に嬉しい成功ポイントです。」
――NISAを始めようと思ったきっかけを教えてください。
「一番は、子どもの大学進学など、将来かかる教育費の準備です。最近の物価高で、普通預金だけだとお金の価値が下がってしまうという話を聞き、何か対策をしなければと焦りを感じていました。夫とも相談し、NISAを活用してみよう、ということになりました。」
――金融機関選びでは、かなり悩まれたそうですね。
「はい。最初は投資の知識が全くなかったので、普段使っている銀行の窓口へ相談に行ったんです。とても親切に教えていただけたのですが、提案された投資信託の手数料が少し高いように感じて…。その場で契約せずに一度持ち帰り、自分でもネットで調べてみました。そこで初めて、ネット証券なら手数料がもっと安いことを知ったんです。最終的には、手数料の安さと、初心者向けのサポートが手厚いと評判だったネット証券を選びました。」
――口座開設で大変だったことや、失敗談はありますか?
「私の失敗は、本人確認書類です。アップロードした運転免許証の住所が、引っ越す前の古い住所のままだったんです。当然、審査で引っかかってしまい、再提出などで思ったより時間がかかってしまいました。当たり前のことですが、提出する書類の情報が最新のものになっているか、しっかり確認すべきでしたね。」
――Bさんにとって、成功のポイントは何だったと思いますか?
「焦ってすぐに決めなかったこと、でしょうか。銀行で勧められた商品を鵜呑みにせず、一度立ち止まって自分で調べたことで、手数料の重要性に気づけました。分からないことは、選んだネット証券のコールセンターに電話して、納得できるまで質問しました。また、夫の口座と私の口座、両方を開設して、世帯全体で非課税メリットを最大限に活用する戦略を立てられたのも良かった点です。時間は少しかかりましたが、その分、安心してスタートを切ることができました。」
ここまで、NISA口座開設に関する様々な疑問とその対処法について、Q&A形式で詳しく解説してきました。いかがでしたでしょうか。NISA口座の開設は、一つ一つのステップを正しく理解し、事前に必要な準備をしっかりと行えば、決して難しいものではありません。この記事を通じて、あなたが抱えていた多くのギモンが解消され、「これなら自分にもできそう!」と感じていただけたなら、これほど嬉しいことはありません。
NISAは、あなたの将来の資産形成を力強くサポートしてくれる可能性を秘めた、とても魅力的な制度です。2025年後半からでも、NISAを始めるのに遅すぎるということは決してありません。ぜひこの機会に、NISA口座開設という最初の一歩を踏み出し、賢く資産運用を始めてみませんか。
そして、NISA口座を開設するなら、各金融機関が実施しているお得なキャンペーンを活用しない手はありません。最新のキャンペーン情報をしっかりとチェックして、あなたにぴったりのNISA口座を見つけ、有利な条件でスタートダッシュを切りましょう。
NISAを始めるなら今!ネット証券・証券会社 新規口座開設キャンペーンまとめ

※本記事の内容は、執筆時2025年7月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。
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