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NISA口座、複数持つことはできる?金融機関変更のメリット・デメリットと注意点

「NISAを始めたものの、『他の証券会社の方が手数料が安いかも…』『もっと魅力的な商品があるのでは?』『お得なキャンペーンが気になる…』など、現在の金融機関に少し不満や疑問を感じていませんか?一度開設したNISA口座ですが、実は年に一度、金融機関を変更することが可能です。

この記事では、NISA口座の金融機関を変更する際の具体的な手続き方法から、知っておくべきメリット・デメリット、そして失敗しないための重要な注意点までを徹底解説します。この記事を読めば、あなたが本当に金融機関を変更すべきか、そしてどう行動すれば良いのか、その答えがきっと見つかるはずです。」

CONTENTS

【大原則】NISA口座は一人一つまで!複数保有はできません

まず、NISA制度に関する最も基本的なルールから確認しておきましょう。それは、NISA口座は、全ての金融機関を通じて、一人につき一つの口座しか開設・利用できないという「一人一口座」の原則です。例えば、A証券とB銀行で同時にNISA口座を持つ、といったことはできません。

なぜこのようなルールが設けられているのでしょうか。その理由は、NISA制度が国による税金の優遇制度であるためです。非課税で投資できる金額には、年間で合計3,600,000円、生涯にわたって18,000,000円という上限が定められています。国がこの非課税投資枠を正確に管理するために、NISA口座は一人一つに限定されているのです。

しかし、複数の口座を同時に持つことはできなくても、年に一度だけ、利用する金融機関を「変更(乗り換え)」することは可能です。ただし、この変更手続きには、タイミングに関する非常に重要なルールがあります。

金融機関の変更は年単位で行われ、その年のNISA非課税投資枠を一度でも利用してしまうと(例えば、100円でも投資信託を購入すると)、その年はもう金融機関を変更することはできません。

では、いつ手続きをすれば良いのでしょうか。ここが非常に重要なポイントです。

まず、2025年の非課税枠を新しい金融機関で使いたいと考える場合です。この手続きの締め切りは、2025年の9月30日頃となります。ただし、これには前述のとおり、「2025年に入ってから、現在のNISA口座で一度も金融商品を購入していないこと」という絶対条件があります。もし、既に今年のNISA枠で少しでも投資をしている場合は、残念ながら2025年分の金融機関を変更することはできません。

そのため、多くの方にとってより現実的なのは、「翌年(2026年)から新しい金融機関でNISAを利用したい」と考えるケースです。この場合、その手続きは前年である2025年の10月1日から、2026年の9月30日までに行うのが一般的です。この期間内に手続きを完了すれば、翌年から新しい金融機関のNISA口座で非課税投資をスタートできます。

締め切りは金融機関によって異なる場合があるため、必ず各金融機関のホームページで確認しましょう。

NISA口座の金融機関を変更する具体的な手続きと流れ

NISA口座の金融機関を変更する、いわば「お引越し」の手続きは、少し複雑に感じるかもしれませんが、ステップごとに進めれば決して難しくはありません。ここでは、その具体的な手続きの流れを解説します。

STEP
現在の金融機関に変更の意思を伝え、必要書類を取得する

まず最初に行うのは、現在NISA口座を利用している金融機関(変更前の金融機関)に、金融機関を変更したいという意思を伝えることです。電話やウェブサイトの専用フォームなどから連絡し、「金融商品取引業者等変更届出書」といった書類を取り寄せます。この書類を記入して返送すると、後日、金融機関から「勘定廃止通知書」または「非課税口座廃止通知書」という、NISA口座を廃止したことを証明する重要な書類が送られてきます。

STEP
新しい金融機関でNISA口座の開設を申し込む

次に、これから新たにNISA口座を開設したい金融機関(変更先の金融機関)で、NISA口座の開設申し込み手続きを行います。この際、通常の口座開設に必要な本人確認書類などに加えて、ステップ①で取得した「勘定廃止通知書」などの提出が求められます。

STEP
金融機関と税務署での審査を待つ

申し込みが完了すると、新しい金融機関と税務署での審査が行われます。特に税務署では、あなたが他の金融機関でNISA口座を二重に開設しようとしていないか、といった点が確認されます。この審査には、通常、数週間程度の時間がかかる場合があります。

STEP
手続き完了!新しいNISA口座での取引開始

無事に審査が完了すると、新しい金融機関からNISA口座開設完了の通知が届きます。これで一連の手続きは完了です。通知を受け取ったら、新しいNISA口座での取引を開始することができます。

金融機関変更の前に知っておきたい!メリットとデメリットを徹底比較

NISA口座の金融機関変更は、より良い投資環境を求める上で有効な手段ですが、メリットだけでなく、慎重に検討すべきデメリットも存在します。変更手続きを始める前に、両方をしっかりと天秤にかけ、ご自身にとって本当にプラスになるのかを判断しましょう。

金融機関を変更する3つの大きな「メリット」

メリット①より有利な「手数料」でコストを削減できる
現在の金融機関よりも、株式の売買手数料や、投資信託を保有している間ずっとかかり続ける信託報酬(運用管理費用)が安い金融機関に乗り換えることで、長期的な運用コストを削減できる可能性があります。例えば、売買手数料が1%違うだけでも、1,000,000円の取引をすれば10,000円の差になります。わずかな手数料の差も、数十年という長い期間で見れば、将来の資産額に大きな影響を与えるのです。

メリット②より魅力的な「取扱商品」に投資できる
投資の選択肢が広がることも、大きなメリットの一つです。現在の金融機関では取り扱っていない、魅力的な投資信託や、成長が期待される外国株式、あるいはIPO(新規公開株)などを取り扱っている金融機関に変更することで、ご自身の投資戦略の幅を大きく広げることができます。「投資したい商品があるのに、今の金融機関では買えない」という不満は、金融機関の変更によって解決できるかもしれません。

メリット③より使いやすい「取引ツール」や「ポイントサービス」を利用できる
投資の継続しやすさや、お得感も重要な要素です。スマートフォンアプリの操作性が良く、直感的に取引できる金融機関や、投資に関する情報ツールが充実している金融機関を選ぶことで、日々の投資活動がより快適になります。また、クレジットカードで投資信託を積み立てる「クレカ積立」によるポイント還元率が高い金融機関に乗り換えれば、同じ金額を投資していても、より多くのポイントを獲得でき、実質的なリターンを高めることにも繋がります。

必ず理解しておくべき4つの「デメリット」と注意点

メリットがある一方で、金融機関の変更には必ず理解しておくべきデメリットや注意点があります。特に、資産の取り扱いに関するルールは非常に重要ですので、しっかりと確認してください。

デメリット①元の口座の資産は移管できない
これが最大の注意点です。 現在のNISA口座で保有している株式や投資信託を、新しい金融機関のNISA口座にそのまま移すことは、制度上できません。金融機関を変更する場合、元のNISA口座で保有していた資産は、①その年の非課税投資枠を使い切る形で売却するか、②NISA口座ではない通常の「課税口座」に移すか、のどちらかを選択する必要があります。特に、含み益が出ている資産を課税口座に移した場合、その後の売却益には税金がかかってしまうため、非課税のメリットが失われることになる点を十分に理解しておく必要があります。

デメリット②手続きに手間と時間がかかる
前述の通り、金融機関の変更には、現在の金融機関からの書類の取り寄せや、新しい金融機関への申し込み、そして審査など、一定の手間と時間がかかります。申し込んですぐに新しい口座で取引を開始できるわけではないため、その間の市場の変動リスクなども考慮に入れる必要があります。

デメリット③変更前の金融機関の独自サービスは利用できなくなる
もし現在の金融機関で、ポイントプログラムや、提携している銀行口座との連携サービス(金利優待など)といった恩恵を受けている場合、金融機関を変更すると、当然ながらそれらのサービスは利用できなくなる可能性があります。変更によって得られるメリットと、失うメリットを総合的に比較検討することが大切です。

あなたは変更すべき?NISA金融機関変更「セルフチェックリスト」

これまでのメリット・デメリットを踏まえ、ご自身が本当に金融機関を変更すべきかどうかを判断するための、簡単なセルフチェックリストをご用意しました。以下の問いにご自身で答えてみてください。

チェック①:現在の金融機関への「不満」は具体的か?
「なんとなく不満」という漠然とした理由ではなく、「毎月の株式売買手数料が高い」「投資したいと思っている特定の投資信託の取り扱いがない」「スマートフォンのアプリが使いにくくてストレスを感じる」など、不満点が具体的であり、それが金融機関を変更することで明確に解決できるのかを考えてみましょう。

チェック②:変更先の金融機関は、その不満を解決してくれるか?
乗り換えを検討している金融機関が、本当に現在の不満点を解消してくれるのか、表面的な情報だけでなく、詳細なサービス内容までしっかりと確認したでしょうか。例えば、手数料が安くても、サポート体制が手薄になってしまっては、新たな不満が生まれるかもしれません。

チェック③:保有資産の移管ができないデメリットを許容できるか?
現在のNISA口座で保有している資産を一度売却するか、課税口座に移す必要があるという最大のデメリットを、本当に受け入れられるでしょうか。特に、大きな含み益が出ている資産を保有している場合は、一度売却して利益を確定させるのか、あるいは課税口座に移して非課税のメリットを諦めるのか、慎重な判断が必要です。

チェック④:手続きの手間や時間をかける価値があるか?
金融機関の変更によって得られるメリットが、書類のやり取りや審査待ちといった手続きにかかる手間や時間を上回るものであると、自信を持って言えるでしょうか。その価値があると感じられるかどうかが、最終的な判断の分かれ目になります。

乗り換えるなら「キャンペーン」を狙うのが最も賢い選択

もし、セルフチェックの結果、金融機関の変更を決意したのであれば、そのアクションを後押ししてくれるのが「キャンペーン」の存在です。

なぜ「乗り換え」でもキャンペーンが適用されるのか?
多くの金融機関、特にネット証券では、新規でNISA口座を開設する方だけでなく、他社からの乗り換えで口座を開設する方も、キャンペーンの対象としていることがほとんどです。これは、証券会社にとって、他社の顧客を獲得することは非常に重要であり、そのためのインセンティブとして魅力的なキャンペーンを用意しているからです。

キャンペーン活用で、変更の手間を上回るメリットを享受する
現金プレゼントや高額なポイントバックといったキャンペーンを上手に利用すれば、金融機関の変更にかかる手間や、場合によっては保有資産を売却した際の機会損失などを補って余りあるメリットを得られる可能性があります。どうせ変更するのであれば、最も有利な条件で乗り換えられるタイミングを狙うのが最も賢い選択と言えるでしょう。

キャンペーン情報の賢いチェック方法
キャンペーン情報を見つけるには、「NISA 乗り換え キャンペーン」や「NISA 口座移管 特典」といったキーワードでインターネット検索をしたり、複数の金融機関のキャンペーン情報をまとめている比較サイトを活用したりするのが効率的です。

まとめ:NISA口座の変更は慎重に、しかし前向きな選択肢の一つ

NISA口座は、原則として一人一つしか持つことはできませんが、年に一度、より自分に合った金融機関へ「お引越し」することが可能です。現在の金融機関に明確な不満があり、それを解決してくれる乗り換え先が見つかったのであれば、金融機関の変更はあなたの資産形成を加速させる前向きな選択肢となり得ます。

ただし、現在保有している資産を新しいNISA口座に移せないという、非常に大きなデメリットも存在します。この記事でご紹介したメリット・デメリット、そしてセルフチェックリストを参考に、ご自身の状況を冷静に分析し、本当に変更すべきかどうかを慎重に判断してください。

そして、もし変更を決意したのであれば、お得なキャンペーンを最大限に活用し、最も有利な条件で新たなNISAライフをスタートさせましょう。

もしまだ口座開設が済んでいないなら、お得な口座開設キャンペーンをチェック!

※本記事の内容は、執筆時2025年7月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。

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