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個人事業主・フリーランスの資産形成完全ガイド【2025年版】NISA・iDeCo活用術

個人事業主・フリーランスや一人社長、中小企業経営者であるみなさんは、将来に向けた資産形成について、どのように考えていますか?

多くの人が「計画的に貯蓄したい、資産を増やしたい」と思いつつも、「実際にどのように進めればいいのか?」という疑問を持っていると思います。特に、独立して事業を運営するうえでの金銭管理は、安定した収入が保証されない中で不安要素の一つとなり得ます。しかし、正しい知識と戦略を持つことで、その不安は確実な未来への投資に変わります。

本記事では、個人事業主・フリーランス、一人社長、そして中小企業経営者の方々が直面する基本的なお金の課題から、賢い資産形成への対策までを幅広く紹介します。新NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)、小規模企業共済の活用方法から、老後資金の準備、そして投資や貯蓄に関する基本的な知識に至るまで、あなたの資産を「賢く貯めて、賢く増やす」ための実践的なアドバイスを提供します。

本記事が、将来に対する不安を解消し、資産形成の第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

CONTENTS

1. はじめに:個人事業主・フリーランスのお金の不安と資産形成の必要性

1-1. 収入の不安定さ、老後資金…個人事業主・フリーランスのお金の不安

個人事業主・フリーランス、一人社長、そして中小企業経営者のみなさんは、多くの場合、企業に属する従業員とは異なり、収入の安定性や将来への不安が常につきまといます。収入が一定ではない可能性が高いため、貯蓄や資産運用など計画的な資産形成が難しいと感じることも少なくありません。

さらに、病気やけがによる業務からの離脱は、収入減少へ直結し、みなさんの生活に大きな影響を与えます。

また、老後の生活資金に関する不安も、安定した収入源が見えにくいみなさんにとって、一層重くのしかかるものです。

個人事業主やフリーランスの働き方は、自由度が高い一方で、会社員と比べて収入が不安定になりがちです。「先月は売上が良かったけど、今月は…」といった経験は、多くの方がされているのではないでしょうか。また、国民年金のみの加入となるため、厚生年金のある会社員と比べると、将来受け取れる年金額が少なくなる傾向にあります。

年度国民年金の受給者
年金の平均月額
厚生年金の受給者
年金の平均月額
令和3年56,479円145,665円
令和4年度56,428円144,982円
令和5年度57,700円147,360円

※出典:厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より
※いずれも、受給権が確定し受給を受けている人の年金額

さらに、退職金制度がないことも、個人事業主・フリーランスの大きな不安要素です。

1-2. 資産形成で将来の不安を解消!具体的なメリットとは?

これらの不安を解消するためには、計画的な資産形成が欠かせません。ただし、資産形成と一言で言っても、その方法は一人ひとり異なります。現在の仕事や生活の状況、目標、リスク許容度に応じた戦略を立てることが重要です。例えば、新NISAやiDeCo、小規模企業共済などの税制メリットを活用した資産形成策、資産運用による収入源の多様化、そして緊急時の備えとしての貯蓄の増強や保険などが考えられます。

こうした計画的なアプローチを通じて、収入の不安定さ、将来の不確実性、病気やけがによる収入減少のリスクを軽減し、より安定した将来を築くことが可能になります。次章以降では、具体的な資産形成の方法について、一つひとつ解説していきます。安心して未来を迎えるために、いま自分たちができることから始めましょう。

計画的な資産形成を行うことで、以下のような具体的なメリットが得られます。

  • 収入の不安定さをカバー: 貯蓄や投資によって、収入が少ない月や、病気やケガで働けない期間の生活費を確保できます。
  • 老後資金の準備: 公的年金に加えて、自分自身で老後資金を準備することで、ゆとりある老後生活を送ることができます。
  • 事業のリスクヘッジ: 事業がうまくいかなくなった場合や、新たな事業に挑戦する際の資金的な余裕が生まれます。
  • 精神的な安定: お金に関する不安が軽減されることで、仕事やプライベートにも良い影響を与えます。

2. 資産形成の基礎:個人事業主・フリーランスが知っておくべきこと

2-1. 資産形成とは何か?貯蓄・投資・節税の基本を解説

資産形成とは、将来の目標や夢を実現するために、資産(お金やその他の価値あるもの)を効率的に増やし、管理していくプロセスです。一般的には、定期的に貯蓄を行う、株式や不動産などへの投資で資産を増やす、節税対策を利用して手元に残る資金を最大化する、といった行動が含まれます。

特に、個人事業主・フリーランスの場合、不安定な収入や限られた福利厚生の中で、自らの努力によって資産を形成し、将来のリスクに備える必要があります。このプロセスには、自己管理と計画的な行動が求められ、その実践が長期的な安心と成長へと繋がります。

POINT
  • 定期的に貯蓄する
  • 資産運用で資産を増やす
  • 節税対策を行う

資産形成には、大きく分けて「貯蓄」「投資」「節税」の3つの柱があります。

  • 貯蓄: 収入の一部を貯蓄に回し、安全に資金を確保することです。銀行預金などが代表的です。
  • 投資: 株式、投資信託、不動産などに資金を投じ、より大きなリターンを目指すことです。リスクもありますが、資産を大きく増やす可能性があります。
  • 節税: 税金を適切にコントロールし、手元に残るお金を増やすことです。個人事業主・フリーランスにとっては特に重要です。

2-2. なぜ個人事業主・フリーランスに資産形成が必須なのか?

個人事業主・フリーランスにとって資産形成は、単にお金を増やすこと以上の価値を私たちに提供し、将来の不確実性に対する保障となります。老後の生活費、子供の教育費、病気や事故による予期せぬ出費など、人生には予測不能な出来事が常に存在しますが、資産形成を通じてこれらの事態に備えることができます。

資産形成の必要性は、個人事業主・フリーランスにとっては特に顕著です。収入が不安定、福利厚生が少ない、退職金システムがないなど、個人事業主・フリーランスを選択することのリスクを考慮すると、自力で将来を支える財政基盤を築くことが不可欠です。

資産形成は、将来の収入源を補い、老後の生活資金を準備し、病気や怪我による収入途絶時の備えを強化します。また、充分な資産があれば、働き方を選ぶ自由が生まれ、自分や家族の夢や目標を追求するための時間と資源を確保できます。

これらの理由から、資産形成は単なる選択肢ではなく、安定した将来に向けた必要不可欠な取り組みと言えるでしょう。

POINT

個人事業主・フリーランスは、会社員と比べて

  • 収入が安定していない
  • 福利厚生が少ない
  • 退職金がない

2-3. 資産形成の第一歩:明確な目標設定と計画の立て方

資産形成を成功させるには、明確な目標設定と具体的な計画が必要です。まずは、自分や家族の将来に何を望むのか、そのためにはどれくらいの資金が必要なのかを考えます。例えば、30年後の豊かな退職後の生活、子どもの高校や大学の教育費用、数年後の家の購入など、具体的な目標を設定しましょう。次に、その目標達成のために、毎月どれくらい貯蓄する必要があるのか、どのような資産運用を行うのかを、現在の収入と支出を考慮しながら、実現可能な計画を作成します。

また、定期的な計画の見直しも不可欠です。市場環境の変化、収入の増減、ライフイベントの発生などに応じて、計画を調整する柔軟性を持つことが、資産形成の成功には必要です。

EX.

目標設定

  • どのような将来を送りたいか
  • そのためにはどれくらいのお金が必要か

計画

  • 目標達成のために毎月どれくらい貯蓄するか
  • どのような方法で資産運用を行うか

目標と計画を明確にすることで、日々の行動に方向性が生まれ、モチベーションを維持しながら効率的に資産を形成していくことが可能となります。これが資産形成の第一歩であり、安定した将来への確実な一歩となります。

目標設定は、できるだけ具体的に行うことが重要です。「〇年後に〇〇万円貯める」「〇歳までに〇〇円の資産を築く」といったように、時期と金額を明確にしましょう。目標が決まったら、現在の収入と支出を把握し、毎月どれくらい貯蓄や投資に回せるかを計算します。

個人事業主・フリーランス向け!資産形成の具体的選択肢【2025年最新】

資産形成の方法は一つではありません。特に個人事業主・フリーランスにとって、多様な選択肢から最適な方法を選ぶことが成功の鍵です。ここでは、特に注目すべき資産形成の選択肢をいくつか紹介します。

3-1. 新NISA完全活用術:メリット・デメリット、注意点を徹底解説

新NISA(ニーサ)は、投資で得られた利益(株式や投資信託などの値上がりで得られた売却益、配当金や分配金)に対して、税金がかからない(非課税となる)制度です。通常は、投資で得られた利益には、約20%の税金がかかりますが、NISAは一定の金額の範囲内で購入した、株式や投資信託から得られた利益が非課税となります。

この制度の目的は、長期的な資産形成を促し、より多くの人に投資を身近なものとして感じてもらうことにあります。

NISA口座を開設し、資金を適切に運用することで、長期的な資産増加を目指すことが可能です。

NISAの主な特徴
  • 年間360万円までの非課税投資枠(積立投資枠120万円+成長投資枠240万円)
  • 投資で得た利益が非課税
  • 積立投資に最適

つみたて投資枠と成長投資枠の違いとは?

新NISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの投資枠があります。

  • つみたて投資枠: 年間120万円まで積立投資ができます。対象商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託です。
  • 成長投資枠: 年間240万円まで、個別株や投資信託など、幅広い商品に投資できます。
NISA(ニーサ)
つみたて投資枠成長投資枠
加入対象日本在住の18歳以上
税制上のメリット運用益が非課税
枠の併用併用可
年間投資上限額120万円240万円
非課税保有限度額1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)
非課税保有期間無期限
投資対象商品長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託一定の国内外の上場株式・ETF・投資信託など
購入方法積立のみスポット・積立
Money Cycle編集部作成(2025年3月18日時点)

※制度の詳細は金融庁のホームページなどで確認してください

個人事業主におすすめのNISA活用戦略

個人事業主・フリーランスの方には、以下のようなNISA活用戦略が考えられます。

  1. つみたて投資枠でコツコツ積立: 毎月一定額を積立投資することで、リスクを抑えながら資産を増やしていく方法です。
  2. 成長投資枠で積極的に運用: ある程度の投資経験があり、リスクを取れる方は、成長投資枠で個別株やアクティブファンドに挑戦するのも良いでしょう。
  3. 両方の枠を組み合わせて活用: 安定的な積立投資と、積極的な運用の両方をバランスよく行う方法です。

例えば、毎月5万円を「つみたて投資枠」でインデックスファンドに積立投資し、ボーナスなどの臨時収入があった際に「成長投資枠」で高配当株やREIT(不動産投資信託)に投資する、といった方法が考えられます。

3-2. iDeCoで賢く老後資金準備:制度概要、節税効果、運用方法

iDeCo(イデコ)は、加入者が自ら選んだ投資商品に毎月一定額を積立投資し、60歳以降に受け取ることができる個人向けの確定拠出年金制度です。掛金は所得控除の対象となり、運用益は非課税、受け取り時の税制も有利になっています。税制上の優遇を受けながら、自分で選んだ金融商品に積み立てを行い、将来のための資産を形成できます。

特に自営業者やフリーランスは、企業年金の恩恵を受けにくいため、iDeCoを活用し安定した老後資金を確保することが推奨されます。

iDeCoの主な特徴
  • 掛金が全額所得控除の対象(職種によって掛金の上限が異なります)
  • 投資で得た利益が非課税
  • 老後資金の準備に最適

iDeCoの掛金上限額は?自営業者と会社員の違い

iDeCoの掛金上限額は、職業や加入状況によって異なります。

  • 自営業者(第1号被保険者): 月額68,000円(年額81.6万円)
  • 会社員(第2号被保険者): 勤務先の企業年金制度によって異なる(月額20,000円~23,000円)
  • 専業主婦(夫)(第3号被保険者): 月額23,000円
加入資格掛金上限
自営業・フリーランスとその家族など(第1号被保険者)※1月額6.8万円
(年額81.6万円)
会社員・公務員など※2
(第2号被保険者)
会社に企業年金がない会社員月額2.3万円
(年額27.6万円)
企業型確定拠出年金(企業型DC)のみに加入している会社員月額2.0万円※3
(年額24.0万円)
確定給付企業年金(DB)と企業型DCに加入している会社員
DBのみに加入している会社員
公務員
専業主婦[夫](第3号被保険者)月額2.3万円
(年額27.6万円)
国民年金の任意加入者(任意加入被保険者)月額6.8万円
(年額81.6万円)
Money Cycle編集部作成(2025年3月18日時点)

※1 農業者年金の被保険者、国民年金保険料を免除されている方は対象外
※2 勤務先で加入している企業型DCの事業者掛金が、拠出限度額の範囲内ではない方、マッチング拠出を実施している方は対象外
※3 月額5.5万円-企業型DCの事業主掛金+DB等の他制度掛金相当額(月額2万円を上限)

iDeCoの運用商品選びのポイント

iDeCoの運用商品は、自分で選ぶ必要があります。以下のポイントを参考に、自分に合った商品を選びましょう。

  • リスクとリターン: 期待できるリターンが高い商品は、リスクも高くなります。自分のリスク許容度に合わせて商品を選びましょう。
  • 信託報酬: 運用にかかるコスト(信託報酬)が低い商品を選びましょう。
  • 分散投資: 複数の商品に分散投資することで、リスクを抑えることができます。

例えば、リスクを抑えたい方は、元本確保型の商品や、国内外の債券に投資するバランス型ファンドを選ぶと良いでしょう。積極的にリターンを狙いたい方は、株式に投資するファンドや、新興国に投資するファンドを選ぶこともできます。

3-3. 小規模企業共済で節税&退職金準備:加入条件、メリット、注意点

小規模企業共済は、中小企業経営者や個人事業主向けの退職金準備制度です。この制度を利用することで、月額の掛金が経費として認められ、節税効果が期待できます。また、退職時には、積み立てた共済金を退職金として受け取ることができ、これを事業の再投資や老後の生活資金として活用することができます。

小規模企業共済の主な特徴
  • 月々の掛金は1,000~70,000円まで自由に設定可能(加入後の増減も可能)
  • 掛金が全額所得控除の対象(月額最大7万円まで)
  • 低金利の貸付制度がある(掛金総額の7~9割)

加入条件は業種によって異なり、加入できない場合もあるので確認をしましょう。

加入できる方の例

  • 建設業、製造業、運輸業、サービス業(宿泊業・娯楽業に限る)、不動産業、農業などを営む場合は、常時使用する従業員の数が20人以下の個人事業主または会社の役員
  • 商業(卸売業・小売業)、サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)を営む場合は、常時使用する従業員の数が5人以下の個人事業主または会社の役員

(注意点)

  • 12か月未満の掛金納付では掛け捨てになります。
  • 任意解約の場合は、240か月(20年)以上納付しないと、掛金合計額を下回ることがあります。

NISAとiDeCoについて詳しく知りたい人はこちら

3-4. その他の資産形成方法:不動産投資、債券…リスクとリターンを比較

上記の制度以外にも、資産形成の方法は多岐にわたります。例えば、債券投資や金投資、外貨預金、不動産投資などがあげられます。それぞれの選択肢にはメリット・デメリット、リスクが存在するため、自身の資産状況、リスク許容度、将来計画を慎重に考慮し、適切な選択を行うことが大切です。

資産形成の選択肢は多岐に渡りますが、重要なのは自分に合った方法を見つけ、着実に実行に移すことです。自分だけで判断が難しい場合は、ファイナンシャルプランナーやIFAなどの専門家に相談することも一つの手段です。

不動産投資のリスクと注意点

リスク)

  • 空室リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 修繕リスク
  • 金利上昇リスク
  • 災害リスク
  • 流動性リスク(売りたい時に売れない)

(注意点

  • 情報収集をしっかり行う
  • 信頼できる不動産業者を選ぶ
  • 収支シミュレーションをしっかり行う
  • リスクを理解した上で始める

安定資産の代表格?債券投資の基本

債券とは

  • 国や企業がお金を借りるために発行する有価証券。

メリット

  • 比較的リスクが低い
  • 定期的に利息を受け取れる

デメリット

  • 株式などに比べてリターンが低い
  • インフレに弱い

種類

  • 国債、地方債、社債など

4. 個人事業主・フリーランスのための資産運用術:基本と実践

資産を増やすための効果的な方法の一つが、資産運用です。ここでは、資産運用を成功させるために理解しておくべき基本的な概念について解説します。

4-1. 投資のリスクとリターン:自分に合ったバランスを見つける

投資の世界において、リスクとリターンは表裏一体です。一般に、リターンの期待値が高い投資はリスクも高く、リスクが低い投資のリターンも低くなりがちです。資産運用を始める前に、自分自身のリスク許容度を理解し、それに応じた資産配分を考えることが大切です。リスクを適切に管理しながら、長期的に安定したリターンを目指すことが賢明な資産運用の鍵となります。

MEMO

一般的に、投資には以下の傾向があります。

  • リスクが高いほど、リターンも高くなる
  • リスクが低いほど、リターンも低くなる

資産運用を行う際には、以下を明確にすることが重要です。

  • 自分の許容できるリスク
  • 期待するリターン

投資のリスクとリターンは、投資対象によって大きく異なります。一般的に、株式はリスクが高い分、高いリターンが期待できます。一方、債券はリスクが低い分、リターンも低めです。

4-2. 分散投資の重要性:リスクを抑え、安定したリターンを目指す

資産運用におけるリスクを管理する上で欠かせないのが、分散投資の原則です。全ての資金を一つの投資先に集中することは、高いリスクを伴います。一方で、異なる資産クラスや地域、業種にわたって資産を分散することで、特定の市場や経済状況の変動による影響を抑えることができます。分散投資は、リスクを低減しつつ、長期的なリターンを追求する上で有効な戦略となります。

分散投資のメリット
  • リスクを軽減
  • 安定的にリターンを得られる
EX.

仮に、ある投資家が100万円を投資する場合、資産分散をせずに全額を国内株式に投資したとします。この場合、国内株式市場が下落すれば、ポートフォリオ全体の価値も大きく下落します。

一方で、資産分散を行い、以下のように資金を分けて投資したとします。

  • 国内株式:30万円
  • 先進国株式:20万円
  • 新興国株式:10万円
  • 国内債券:20万円
  • 先進国債券:10万円
  • REIT(不動産投資信託):10万円

この場合、もし国内株式市場が下落しても、海外株式や債券、REITのパフォーマンスによってリスクが分散され、ポートフォリオ全体の損失を抑えることができます。

4-3. 投資先の選び方:プロが教える商品選定のポイント

投資先を選ぶ際には、自身の投資目標、リスク許容度、投資期間を考慮することが重要です。また、各投資先の特性を理解し、それらが自分の投資戦略とどのように合致するかを評価する必要があります。例えば、長期的な資本増加を目指す場合は、株式や成長性の高い投資信託が適しているかもしれません。一方で、安定した収入を求める場合は、国債や高配当株、REIT(リート)などが適切な選択肢となるでしょう。投資先の選定に際しては、専門家の意見を求めることも一つの手段です。

MEMO

投資先を選ぶ際には、以下を考慮する必要があります。

  • 投資目的
  • リスク許容度
  • 投資期間

資産運用は、適切な知識と戦略に基づいて行うことで、将来の資産形成に大きく寄与します。リスクとリターンのバランスを考え、分散投資の原則を活用し、自分に合った投資先を選ぶことが、賢明な資産運用への第一歩です。

投資先を選ぶ際には、以下の情報も参考にしましょう。

  • 目論見書: 投資信託の運用方針、リスク、手数料などが記載されています。必ず確認しましょう。
  • 運用報告書: 投資信託の運用状況や実績が記載されています。定期的に確認しましょう。
  • 格付け: 債券などの信用度を評価したものです。格付けが高いほど、安全性が高いとされています。
専門家の声

投資初心者は、まずは少額から積立投資を始めるのがおすすめです。積立投資は、時間分散の効果でリスクを抑えることができます。

ファイナンシャルプランナー
田中 大二氏

【図解】ポートフォリオ例:リスク許容度別

リスク許容度別のポートフォリオ例。自分のリスク許容度に合わせて、資産配分を考えましょう。

※上記のポートフォリオは、資産の組み合わせのイメージを示すもので、将来の成果を保証するものではありません。
※その他は、国内外のリートや新興国株式・債券など

5. 個人事業主・フリーランスの老後資金の準備

Image:Canva

5-1. 老後資金が必要な理由

老後資金がなぜ必要なのかは、将来への不確実性に対する準備と言えます。定年退職後の長い期間、現役時代と同等の生活を維持するためには、公的年金だけでは不足することが多いです。特に個人事業主・フリーランスは、会社員と比べて、退職金や福利厚生の恩恵が少ないため、自己責任において十分な準備をする必要があります。また、将来の医療費の増加や長寿化による生活費の増大など、老後には予測不能な出費が待ち受けています。

老後資金の必要額は、以下の要素によって大きく異なります。

  • 老後の生活水準(毎月の生活費)
  • 老後期間(何歳まで生きるか)
  • 公的年金の受給額
  • 退職金の有無
  • その他の収入(不動産収入など)

これらの要素を考慮して、老後資金の必要額を計算してみましょう。

例えば、65歳から90歳までの25年間、毎月25万円の生活費が必要で、公的年金の受給額が月15万円と仮定すると、老後資金の不足額は以下のようになります。

(25万円 – 15万円)× 12か月 × 25年 = 3,000万円

この場合、3,000万円の老後資金を準備する必要があります。

5-2. 老後資金の計画方法

老後資金の計画は、まず必要となる生活費の見積もりから始めます。現役時代の生活水準を維持するために必要な月額や、健康状態、趣味活動などを考慮した上で総額を算出します。次に、公的年金や保有資産、予想される収入を考慮して、足りない部分をどのように補うか計画します。具体的には、定年までの期間、投資可能な金額、リスク許容度を踏まえた資産運用計画を立てることが重要です。

厚生労働省の調査によると、個人事業主(自営業者など)の平均的な年金受給額は、会社員と比べて低い傾向にあります。これは、個人事業主が加入する国民年金が、会社員が加入する厚生年金よりも給付水準が低いためです。

5-3. 老後資金の準備に最適な金融商品

老後資金の準備に適した金融商品としては、個人事業主・フリーランスでも利用できるiDeCo(イデコ)があります。掛金が所得控除され、運用益が非課税になるため、節税しながら老後資金を効率的に増やすことができます。また、新NISAや小規模企業共済も有効な手段です。それぞれの特徴を理解し、自身のライフプランやリスク許容度に合わせて選択することが肝心です。さらに、分散投資を心がけ、資産運用のリスクを管理しながら、着実に老後資金を準備していくことが重要です。

iDeCoや新NISA、小規模企業共済以外にも、個人年金保険や、預貯金など、老後資金準備に利用できる金融商品は様々です。

老後の安心した生活のためには、早期からの準備が必須です。今から計画を立て、行動に移していくことで、将来への不安を減らし、安定した老後を迎えることができます。

6. 個人事業主・フリーランスの節税対策と資産形成

節税は、個人事業主・フリーランスの資産形成戦略において重要な役割を果たします。適切な節税対策を行いながら、賢く資産形成をすることで、より多くの資金を将来のために確保することができます。

6-1. 節税が資産形成に与える影響

節税は、支払うべき税金を法的な枠組みの中で最小限に抑えることを意味します。節税をすると、その分だけ手元に残る資金が増え、これを事業投資や貯蓄などに回すことができます。特に個人事業主やフリーランスは、収入の変動が大きく、不測の事態に備えるためにも、節税を通じて効率的な資産形成を目指すことが重要です。

例えば、所得税率が20%の場合、100万円の所得があると20万円の所得税がかかります。しかし、節税対策によって課税所得を50万円に減らすことができれば、所得税は10万円に減り、10万円を資産形成に回すことができます。

6-2. 節税対策の基本

節税対策にはいくつかの基本的な方法があります。まず、経費の適切な管理と申告を行い、事業に必要な支出を正しく税務上の経費として計上することが基本です。経費とは、交通費や通信費、家賃など事業のために必要な支出で、経費として計上することができます。

経費計上の具体例:

  • 自宅兼事務所の家賃や光熱費の一部
  • 仕事用のパソコンやソフトウェアの購入費
  • 仕事関係の書籍や

次に、所得控除があります。所得控除とは、基礎控除や扶養控除、社会保険料控除、生命保険料控除など所得から一定額を差し引くことができる制度です。また、小規模企業共済やiDeCoも掛金が所得控除になります。小規模企業共済やiDeCoの税制優遇制度を活用することも有効な節税対策の一つです。

これらの制度を利用することで、将来のための資金を節税しながら積み立てることが可能になります。

iDeCoについて詳しく知りたい人はこちら

6-3. 賢い資産形成の方法

賢い資産形成の方法には、まず目標を設定し、それに基づいて計画的な貯蓄、効率的な運用を進めることが重要です。例えば、短期・中期・長期の目標を明確にし、それぞれに必要な資金を計算します。その上で、毎月決った金額を自動的に貯蓄や運用する自動積立が効果的です。

効率的な運用には、分散投資や長期的な視点が重要になります。分散投資は複数の資産に投資をすることで、リスクを軽減することができます。また、短期的には市場の変動などによって損失を被る可能性がありますが、長期的に見ると市場は上昇傾向にあるため、長期的な視点で資産運用をすることでリスクを軽減することができます。

節税対策と賢い貯蓄方法を組み合わせることで、個人事業主・フリーランスも安定した資産形成を実現できます。経済的な自由を手に入れ、将来の不確実性に備えるために、今から節税と貯蓄の計画を見直しましょう。

7. よくある質問(FAQ)

資産運用で失敗しないためには?

資産運用での失敗を避けるためには、まず自身のリスク許容度を理解し、それに基づいて適切な投資先を選択することが重要です。分散投資を心掛け、全ての資金を一つの投資先に集中させないこと、また短期的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で資産運用を行うことが重要です。定期的にポートフォリオを見直し、市場の変動に応じて調整を行うことも欠かせません。

少ない資金で資産運用を始めるには?

少額から資産運用を始めるには、少額から積立ができるNISAやiDeCoなどを活用すると良いでしょう。これらは、初心者でも簡単に資産運用を始めることができます。また、毎月一定額を投資する積立投資は、市場の波に左右されにくいため、少額からでも資産を増やすのに適しています。

個人事業主・フリーランスにとって、資産形成はなぜ重要ですか?

個人事業主・フリーランスにとって、資産形成は非常に重要です。会社員と比べて、収入が安定していないことや退職金制度がないなどのリスクがあるためです。

資産形成によって、老後の生活資金の準備や病気・怪我など予期せぬ事態への備え、事業の突然の低迷による収入減少などの不安を解消することができます。

このように、個人事業主・フリーランスにとって資産形成は、単に資産を増やすこと以上の価値を持ちます。

個人事業主・フリーランスが資産形成を始める最初のステップは何ですか?

資産形成を始める最初のステップは、自身の現在の財務状況を把握することです。収入、支出、負債などを明確にし、資産形成のための具体的な目標を設定します。その上で、短期・中期・長期の財務計画を立て、実行に移すことが重要です。

節税対策として個人事業主・フリーランスにおすすめの制度はありますか?

節税対策として、個人事業主・フリーランスにはiDeCoや小規模企業共済、そして新NISAが特におすすめです。これらの制度は税制上の優遇を受けながら、老後資金の準備や資産の増加を目指すことができます。具体的な制度の選択は、自身の事業規模、収入レベル、将来の計画に応じて決定すると良いでしょう。

NISAとiDeCoについて詳しく知りたい人はこちら

8. まとめ

8-1. 資産運用への一歩を踏み出す勇気

資産運用を始めることは、将来の安心につながる重要な一歩です。不安や疑問を感じることは自然ですが、適切な知識を身につけ、小さく始めて徐々にステップアップしていくことが成功への道です。自分に合った資産運用法を見つけ、長期的な視野で取り組んでいきましょう。

8-2. 長期的視点での資産形成の重要性

資産形成は一晩で成し遂げられるものではありません。長期的な視点を持ち、コツコツと積み重ねていくことが大切です。市場の変動に一喜一憂せず、自分の計画に忠実に、着実に資産を増やしていくことを心がけましょう。

※本記事の内容は、執筆時2024年4月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。

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