CAMPAIGN
RANKING
CATEGORY
NEW
POPULAR

会社の福利厚生として「企業型DC(企業型確定拠出年金)」に加入している会社員の方も多いのではないでしょうか。その一方で、テレビやネットで「iDeCo(個人型確定拠出年金)」という言葉もよく目にしませんか?
「どちらも『確定拠出年金』と付くし、似たような制度?」「会社で入っているから、iDeCoは自分には関係ないかな?」
もし、そう思っていたら、将来もらえる年金額で損をしてしまう可能性があります。
実は、この2つは全くの別物。そして、2022年の法改正により、これまでiDeCoに加入できなかった多くの企業型DC加入者も、原則としてiDeCoを併用できるようになりました。
このコンテンツでは、会社員なら絶対に知っておきたい「iDeCo」と「企業型DC」の決定的な違いから、併用することで得られる絶大なメリット、そして最も複雑で重要な「掛金の上限額」のルールまで、徹底的に解説します。
このコンテンツを読み終える頃には、「自分の場合はiDeCoを併用できるのか」「併用すべきか」「具体的にいくらまで積み立てられるのか」が明確になっているはずです。
まず、混同されがちな2つの制度が、それぞれどのようなものなのか、基本をしっかり押さえましょう。
企業型DCは、企業が従業員のために導入する福利厚生の一環である退職金・年金制度です。掛金は基本的に企業が拠出してくれ、従業員はその資金を元に自分で運用商品を選びます。会社によっては、従業員自身が掛金を上乗せできる「マッチング拠出」という仕組みもあります。
企業🏢
基本は企業(+自分で上乗せできる場合も)
会社が指定(選べない)
会社の福利厚生。導入企業に勤めていないと加入できない。
iDeCoは、個人が任意で加入する私的年金制度です。自分で金融機関を選んで申し込み、掛金も自分自身で拠出します。最大の魅力は、掛金が全額所得控除の対象になるなど、非常に強力な税制優遇が受けられる点です。
個人👤
自分
自分で自由に選べる
加入は任意。節税メリットが非常に大きい。
より詳しい制度の内容については、こちらの記事もご覧ください

それぞれの特徴がわかったところで、両者の決定的な違いを5つのポイントで比較してみましょう。
| 比較項目 | 企業型DC (企業型確定拠出年金) | iDeCo (個人型確定拠出年金) |
|---|---|---|
| 加入対象 | 制度を導入している企業の従業員 | 20歳以上65歳未満の国民年金被保険者など |
| 申込窓口 | 勤務先の会社 | 自分で選んだ金融機関 |
| 掛金の拠出元 | 原則、企業(マッチング拠出も可) | 加入者本人 |
| 金融機関 | 会社が契約した金融機関(選べない) | 自分で自由に選べる |
| 手数料 | 原則、企業負担(一部自己負担も) | 自己負担 |
このように、掛金を誰が出すのか、どの金融機関を使うのか、という点で大きな違いがあることがわかります。
ここからが本題です。多くの会社員は、会社の企業型DCに加えて、個人のiDeCoを併用することができます。これにより、会社の掛金(事業主掛金)に、自分自身の掛金を上乗せして、より強力に老後資金を準備することが可能になります。
この「自分で掛金を上乗せする方法」には、実は2つの選択肢があります。
※注意:iDeCoとマッチング拠出は併用できず、どちらか一方を選ぶ必要があります
どちらの方法を選んでも、「老後資金の上乗せ」と「掛金の全額所得控除による節税」という共通のメリットが得られます。では、どちらがより賢い選択なのでしょうか?
結論から言うと、多くの方にとってiDeCoの利用が有利な選択となります。その理由は、マッチング拠出にはない、iDeCoならではの圧倒的な「自由度の高さ」にあります。
あくまで会社の制度の一部であるため、会社が契約した金融機関と、その限定された商品ラインナップの中からしか選べません。「手数料の高い商品しかない…」といった不満があっても、従業員はそれを受け入れるしかありません。
自分で好きな金融機関を自由に選べます。 例えば、SBI証券や楽天証券といったネット証券を選べば、運営管理手数料は無料で、低コストで質の高い豊富な投資信託(eMAXIS Slimシリーズなど)の中から選ぶことができます。
長期運用において、運用コストのわずかな差は、将来受け取る金額に大きな影響を与えます。この「金融機関と商品を自分で最適化できる」という点こそが、マッチング拠出にはないiDeCo最大のメリットなのです。
iDeCoの掛金上限額は、お勤め先の企業年金制度の種類によって細かく定められています。特に企業型DCに加入している方がiDeCoを併用する場合、その上限額は少し複雑です。ここをしっかり理解することが最も重要です。
まず、ご自身の会社の制度がどれに当てはまるか、就業規則や人事・総務部への確認から始めましょう。
iDeCoの掛金上限 = 月額2.3万円
企業型DCやDB(確定給付企業年金)など、お勤め先に何らかの企業年金制度がある方は、以下の統一ルールでiDeCoの上限額が計算されるようになりました。
iDeCoの掛金上限 = 月額2.0万円
※拠出限度額5.5万円 – 企業型DCの事業主掛金 – DB等の他制度掛金相当額
ポイントは「iDeCoの枠は最大2万円で、会社の制度(企業型DC+DB等)の掛金が増えるほど、iDeCoで拠出できる枠が減っていく」というイメージです。
例1:企業型DCのみに加入(事業主掛金が月2万円)の場合
5.5万円 – 2万円 = 3.5万円
→ 計算結果は3.5万円ですが、上限が適用されるためiDeCoの上限は月2万円です。
例2:企業型DC(事業主掛金1.5万円)とDB(掛金相当額1.5万円)に加入の場合
5.5万円 – 1.5万円 – 1.5万円 = 2.5万円
→ 計算結果は2.5万円ですが、上限が適用されるためiDeCoの上限は月2万円です。
【iDeCo上限額シミュレーション】あなたはいくらまで拠出できる?

【要注意】「マッチング拠出」との併用はできない
繰り返しになりますが、会社の企業型DCで「マッチング拠出」を利用している場合、iDeCoを併用することはできません。iDeCoを始めるには、まずマッチング拠出の停止手続きが必要です。
ルールがわかったところで、「自分は併用すべきか?」を判断してみましょう。
上限額が確認できたら、自分で金融機関(ネット証券がおすすめ)を選んで申し込みます。その際、勤務先に「事業主の証明書」を記入してもらう必要があります。
「企業型DCの事業主掛金額」、「DB等の他制度の有無と、その掛金相当額」、「マッチング拠出の利用状況」、まずはこの3点を、人事部や給与明細、運用管理機関のサイトで確認しましょう。
ステップ1の情報をもとに、セクション4で解説したパターンに当てはめて、自分がiDeCoでいくらまで拠出できるかを確認します。
上限額が確認できたら、自分で金融機関(ネット証券がおすすめ)を選んで申し込みます。その際、勤務先に「事業主の証明書」を記入してもらう必要があります。
iDeCoおすすめ金融機関5選!手数料・商品で徹底比較

企業型DCの資産は、原則として6ヵ月以内に移換手続きが必要です。転職先に企業型DCがあればそこへ、なければiDeCoの口座を開設して移換します。手続きを忘れると国民年金基金連合会に自動移換され、手数料がかかる上に運用もされなくなるので注意が必要です。
節税効果は同じですが、自由度の高さからiDeCoの方が有利なケースが多いです。マッチング拠出は、事業主掛金を超えられない、掛金の変更が年に1〜2回しかできない等の制約があります。一方、iDeCoは上限額まで自由に設定でき、金融機関や商品も自分で選べます。
多くの場合は給与明細に記載されています。また、JIS&TやNRK(日本レコード・キーピング・ネットワーク)といった運営管理機関の加入者向けウェブサイトにログインすることでも確認できます。
企業型DCとiDeCoは、名前は似ていますが、掛金の出どころや自由度が全く異なる制度です。
会社員の方がこの2つを併用することで、「老後資金のさらなる上乗せ」と「節税効果の最大化」という、非常に大きなメリットを享受できます。
ただし、上限額のルールは少し複雑です。iDeCoを始める前に、まずは「ご自身の会社の制度(企業年金の種類、事業主掛金額)を確認する」こと。これが、あなたの老後資産形成を加速させるための、最も重要で確実な第一歩です。
※本記事の内容は、執筆時2025年9月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。
この記事のリンクを経由して商品の購入やサービス申し込みをすると、売上の一部が当サイトに還元されることがあります。
当サイトに掲載する情報は、金融に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、金融商品の勧誘を目的としたものではありません。最終的な決定は、ご自身の判断で行うようお願いします。
当サイトに掲載する情報は、各金融機関等の提供している情報に基づいていますが、実際のサービス内容や取引手数料、銘柄などに関する最新情報は公式サイトにてご確認ください。
また、当サイトに掲載する情報について、万全を期していますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。当サイトおよびリンク先サイトの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を負いかねます。