ANAマイル vs JALマイル徹底比較！あなたに合うのはどっち？賢い貯め方・使い方

「いつかマイルを貯めて、ビジネスクラスで海外旅行へ！」 多くの人が抱くこの夢。マイルを賢く活用すれば、憧れの旅行がぐっと現実的になります。しかし、日本を代表する航空会社であるANAとJAL、そのマイルプログラムを前にして、「一体、自分はどちらのマイルを貯めるべきなんだろう？」と悩んでしまうのは、当然のことです。

どちらのマイルにも独自の魅力と強みがあり、一概に「こちらが絶対にお得！」とは言えません。

この記事では、ANAマイルとJALマイルを「貯めやすさ」「使いやすさ」という2大テーマで徹底的に比較します。さらに、あなたのライフスタイルや旅行の目的に合わせた「後悔しないマイルの選び方」まで、具体的かつ分かりやすく解説していきます。

この記事を読み終える頃には、漠然としていたマイルへの疑問が解消され、あなたにぴったりのマイルプログラムを選び、夢の旅行へ向けて賢く第一歩を踏み出せるようになっているはずです。

マイル選びの基本：あなたのスタイルは？「陸マイラー」vs「出張族」

マイルを比較する前に、まずご自身がどのようにマイルを貯めていきたいかを考えてみましょう。大きく分けて、2つのスタイルがあります。

1. 陸マイラー:
   飛行機にはあまり乗らず、主に日常のクレジットカード決済やポイントサイトの活用（ポイ活）でマイルを貯めるスタイル。多くの方がこのタイプに該当します。
2. 出張族（空マイラー）:
   仕事の出張や頻繁な旅行で飛行機に乗り、フライトマイルをメインに貯めるスタイル。

陸マイラーであれば、クレジットカードの入会キャンペーンや日常でのポイント還元率、ポイントサイトからの交換レートの良さが重要になります。一方、出張族であれば、搭乗する航空会社や航空アライアンス、フライトで貯まるマイルの多さが選択の決め手となるでしょう。 この記事では、主に多くの方が当てはまるであろう「陸マイラー」の視点を中心に解説を進めていきますが、出張族の方にとっても有益な情報を含んでいます。ご自身のスタイルを念頭に置いて読み進めてみてください。

【貯めやすさ対決】ANAマイル vs JALマイル、日常で効率よく貯まるのはどっち？

マイルを効率的に貯めるための2大柱は、「クレジットカード」と「ポイントサイト」の活用です。それぞれの貯めやすさを比較してみましょう。

① クレジットカード：入会キャンペーンの破壊力はANAに軍配か

マイルを貯める上で最もインパクトが大きいのが、クレジットカードの入会キャンペーンです。

ANAマイルは、アメリカン・エキスプレスやJCB、三井住友カードなど、提携するカード会社が多く、数万マイル相当のポイントが獲得できる大規模な入会キャンペーンを頻繁に実施しているのが大きな強みです。例えば、「ANAアメックス・ゴールド・カード」などは、入会と利用でビジネスクラスのハワイ往復分に近いマイルを一気に獲得できる可能性を秘めています。これは、マイルを貯め始める際の強力なブーストとなります。

一方、JALマイルは、JALカードが発行の中心となり、ANAカードほどの爆発的な入会キャンペーンは比較的少ない傾向にあります。しかし、入会後の利用額に応じてボーナスマイルがもらえるキャンペーンや、特約店での利用でマイルが2倍貯まる特典など、着実に貯めるための仕組みは整っています。

 ハイステータスカードのキャンペーンの最新情報はこちらから確認できます

② ポイントサイト（ポイ活）：交換ルートの豊富さでANAがやや有利

「ハピタス」「モッピー」といったポイントサイトで貯めたポイントをマイルに交換する「ポイ活」も、陸マイラーにとっては重要なマイル獲得源です。

ANAマイルは、多くのポイントサイトから、複数の交換ルート（例：Tポイント、楽天ポイント、PeXなど）を経由して交換できます。交換ルートが多いため、キャンペーンなどで交換レートがアップする機会を捉えやすく、柔軟性が高いのが特徴です。

JALマイルは、交換できるポイントサイトがANAに比べてやや限定的ですが、「モッピー」などで定期的に行われる交換レートアップキャンペーンを狙えば、ANAマイルに劣らない効率で貯めることも可能です。

 ポイントサイトからANA/JALマイルへの交換ルート

ポイントサイトからのマイル交換ルート（イメージ）。ANAは交換ルートが豊富で、JALは特定のキャンペーンが鍵となります。

③ 日常の決済：あなたの「経済圏」が決め手

普段の買い物や公共料金の支払いで、どちらのマイルが貯めやすいかは、あなたがどの「ポイント経済圏」で生活しているかによります。

• 楽天ポイントをよく利用するなら、楽天カードで貯めたポイントをANAマイルに交換できます。
• Vポイント（三井住友カードなど）を貯めているなら、こちらもANAマイルへの交換が可能です。
• dポイントを貯めているなら、JALマイルに交換できます。
• PontaポイントもJALマイルに交換可能です。

このように、ご自身が日常的に使っているクレジットカードやサービスで貯まるポイントが、どちらのマイルに交換しやすいかを確認することが、継続的にマイルを貯める上で非常に重要です。

【使いやすさ対決】特典航空券はどっちが取りやすい？旅の選択肢を比較

せっかく貯めたマイルも、使いたい時に使えなければ意味がありません。ここでは、「特典航空券」への交換しやすさを中心に、両社の使い勝手を比較します。

① 必要マイル数：ANAの「ゾーン制」 vs JALの「変動制」

特典航空券の交換に必要なマイル数は、両社で考え方が大きく異なります。

ANAは、シーズン（ロー・レギュラー・ハイ）と、搭乗区間（ゾーン）によって必要マイル数が固定されている「ゾーン制」を採用しています。これにより、旅行の計画が立てやすく、特にローシーズンを狙えば、比較的少ないマイル数で旅行できるのが大きなメリットです。例えば、東京-沖縄間（エコノミークラス）は、ローシーズンなら片道7,000マイル、レギュラーシーズンで9,000マイル、ハイシーズンで10,500マイルといった具合です。

一方、JALは、2023年から空席状況に応じて必要マイル数が変動する「JALマイルバンク 特典航空券PLUS」を導入しています。空席が多い便は少ないマイルで済みますが、人気の日程や便は、ANAのハイシーズンよりもはるかに多くのマイルが必要になることもあります。計画が立てにくいというデメリットはありますが、マイルを追加で支払えば席を確保できる可能性が高まるという側面もあります。

 特典航空券 必要マイル数比較イメージ（東京-ハワイ［ホノルル］ エコノミークラス往復）

ANAは計画が立てやすく、JALは空席連動で柔軟です。

東京 – ハワイ［ホノルル］ （エコノミークラス往復）	ローシーズン	50,000	40,000～
	レギュラーシーズン	60,000
	ハイシーズン	88,000

② 特典航空券の取りやすさ：競争率のANA、マイルで解決のJAL

特典航空券の「取りやすさ」は、多くのマイラーにとって最大の関心事でしょう。 一般的に、ANAは必要マイル数が少ない分、人気路線・日程の特典航空券は競争率が非常に高く、予約開始と同時に埋まってしまうことも珍しくありません。特にハワイ路線などは激戦区です。

対してJALは、変動制の導入により、マイルを追加で支払えば席が確保できる可能性が高まったため、ANAよりは予約が取りやすいと言われています。ただし、お盆や年末年始などのピーク時には、驚くほど多くのマイルが必要になるケースもあります。

予約のコツとしては、どちらも予約開始日（国際線は搭乗の355日～360日前）を狙うのが鉄則です。また、提携航空会社の便を利用したり、出発地や目的地を少しずらしたりすることで、希望の旅程を組める可能性が高まります。

③ 提携航空会社とネットワーク：スターアライアンス vs ワンワールド

マイル旅行の魅力は、提携航空会社の便にも乗れることです。これにより、自社便が就航していない都市へも行くことができます。

ANAは、世界最大の航空連合「スターアライアンス」に加盟しています。ユナイテッド航空、ルフトハンザドイツ航空、シンガポール航空、タイ国際航空など、加盟航空会社数が多く、世界中を網羅する広範なネットワークが魅力です。

JALは、「ワンワールド」に加盟しています。アメリカン航空、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック航空、カタール航空など、こちらも有力な航空会社が揃っています。

 ANAが加盟するスターアライアンスと、JALが加盟するワンワールド

行きたい地域に強い航空会社がどちらに加盟しているかも、マイル選びの重要なポイントです。

加盟社数	26社	12社
米国	ユナイテッド航空	アメリカン航空
アジア・オセアニア	ANA シンガポール航空 タイ国際航空	JAL キャセイパシフィック航空 カタール航空
欧州	ルフトハンザ航空 スカンジナビア航空	ブリティッシュ・エアウェイズ フィンランド航空

どちらのアライアンスが優れているということではなく、あなたが旅行したいデスティネーションに、どちらのアライアンスの航空会社が強いかで判断するのが良いでしょう。

もちろん、特定の都市への直行便の有無は、旅の快適さを大きく左右する要素です。ご自身の行きたい都市への最新の就航状況については、旅行を計画する際に、都度ANAとJALの公式サイトで確認するのが最も確実な方法です。その上で、直行便がない場合にどちらのアライアンスが便利なルートを提供しているか、という視点で比較検討するのが良いでしょう。

④ マイルの他の使い方：ANA SKYコイン vs e JALポイント

マイルは特典航空券以外にも使えます。代表的なのが、航空券や旅行商品の支払いに使えるポイントへの交換です。 ANAでは「ANA SKY コイン」に、JALでは「e JALポイント」に交換できます。どちらも「1マイル＝1円以上」の価値で使えることが多く、特に航空会社の上級会員や提携クレジットカード会員は、より高いレートで交換できる場合があります。特典航空券の空席が見つからない場合や、少量のマイルを有効活用したい場合に便利な使い方です。

【結論】あなたに合うのはどっち？ライフスタイル別マイル診断

ここまで見てきた特徴を踏まえ、あなたのライフスタイルや価値観に合ったマイルプログラムはどちらか、具体的なケースで診断してみましょう。

こんなあなたには「ANAマイル」がおすすめ！

• クレジットカードを賢く使って、スタートダッシュで大量マイルを獲得したい方:
  ANAは提携カードの入会キャンペーンが非常に強力です。最初の目標として「入会キャンペーンだけでハワイ往復！」といったゲーム感覚でマイルを貯めたい方には、ANAが断然おすすめです。

• 旅行の計画を早くから立てられ、オフシーズンにお得に旅をしたい方:
  ANAのゾーン制は、ローシーズンであればJALよりも少ないマイルで旅行できる可能性が高いです。半年以上前から旅行の計画を立て、混雑期を避けて旅ができる方には、ANAマイルの価値は非常に高まります。

• 楽天ポイントやVポイント（三井住友カード系）を日常的に貯めている方:
  これらのポイントはANAマイルへの交換ルートが確立されています。あなたの「ポイント経済圏」がANAマイルと相性が良いなら、自然とマイルは貯まっていくでしょう。

こんなあなたには「JALマイル」がおすすめ！

• 特典航空券の予約でストレスを感じたくない、比較的確実性を重視する方:
  JALの変動制は、必要マイル数が多くなる可能性はありますが、ANAに比べて特典航空券の空席が見つかりやすい傾向にあります。「マイルがあるのに予約が取れない」という事態を避けたい方には、JALが向いているかもしれません。

• dポイントやPontaポイントを日常的に貯めている方:
  ドコモユーザーやauユーザーで、これらのポイントが生活の中心になっているなら、JALマイルに集約するのが効率的です。

• JALグループ便（JTA、RACなど国内線）やワンワールド加盟航空会社をよく利用する方:
  特定の航空会社やアライアンスを頻繁に利用するなら、そのマイルを貯めるのが基本です。出張などでJAL便に乗る機会が多い方は、JALマイルが自然と貯まっていきます。

マイル選びに絶対の正解はありません。大切なのは、ご自身のライフスタイルを客観的に分析し、『貯めやすさ』と『使いやすさ』のどちらをより重視するかを決めることです。もし迷ったら、まずは入会キャンペーンが魅力的なANAカードで大量マイルを獲得してみて、マイル旅行の楽しさを体験してみるのが良い第一歩かもしれませんね。

フスタイルや旅行の目的に合わせて、最適なマイルプログラムを選びましょう。どちらのマイルを選んでも、賢く貯めて使えば、きっと素敵な旅行体験につながるはずです。

 ANAマイル？JALマイル？あなたに合うのはどっち？（簡易診断）

ご自身の考えを整理するために活用してください。

【予約のコツ】特典航空券を確保する！ANA・JALそれぞれの実践テクニック

「貯めるマイルは決まった！でも、一番人気のハワイ路線が全然予約できない…」
特典航空券の予約は、まさに時間と情報の勝負です。特に人気路線はすぐに埋まってしまうため、ただ漠然と空席を探すだけでは、せっかく貯めたマイルを使えずに終わってしまうかもしれません。ここでは、ANAとJAL、それぞれの特徴に合わせた予約のコツを伝授します。

ANAマイル：予約困難を突破するためのテクニック

ANAの特典航空券は、必要マイル数が比較的少ないため人気が高く、予約が取りにくいことで知られています。しかし、いくつかのテクニックを駆使すれば、希望のフライトを確保できる可能性は格段に上がります。

まず、基本にして最大の鉄則は「予約開始日を狙う」ことです。ANAの国際線特典航空券は、搭乗日の355日前の午前9時（日本時間）から一斉に予約が開始されます。ハワイや欧米の人気路線、年末年始やお盆といったピーク時期の予約は、この開始と同時にアクセスしなければ、ほぼ確保は難しいと考えてよいでしょう。事前に旅程を決め、予約開始時刻に備えることが何よりも重要です。

次に、「検索条件を広げて探す」という柔軟な視点も大切です。直行便にこだわらず、経由便も検索対象に含めてみましょう。また、出発日や帰国日を数日ずらすだけで、意外と空席が見つかることもあります。

そして、ANA便だけに固執せず、「提携航空会社を利用する」のは非常に有効な手段です。ANAが加盟するスターアライアンスには、ユナイテッド航空、シンガポール航空、ルフトハンザドイツ航空など、世界中の多くの航空会社が加盟しています。ANAの公式サイトでは、これらの提携航空会社の特典航空券も一緒に検索・予約できます。ANA便が満席でも、同じ目的地へ向かう提携航空会社の便に空席があるケースは少なくありません。

それでも見つからない場合は、「空席待ち」に登録しておきましょう。キャンセルが出た場合に予約できる可能性があります。また、ウェブサイトで満席でも、ごく稀に電話で問い合わせると空席が見つかるケースもあるようです。

JALマイル：変動制を逆手に取る賢い予約術

JALの特典航空券は、空席状況に応じて必要マイル数が変動する「JALマイルバンク 特典航空券PLUS」の導入により、ANAに比べて比較的予約がしやすいと言われています。しかし、油断は禁物。より賢く予約するためのテクニックがあります。

まず試したいのが「片道ずつ予約する」という方法です。往復で検索して空席がなくても、行きと帰りを別々に検索すると、片道ずつなら空席が見つかる場合があります。特に、往路と復路で必要マイル数が大きく異なる場合などに有効です。

次に、「予約変更を活用する」という戦略も考えられます。JALの特典航空券は、同じ区間・同じクラスであれば、日程の変更が比較的柔軟に行える場合があります（条件あり）。そのため、まずは「第一希望ではないけれど、まあまあ良い」日程で席を確保しておき、その後、希望の日程に空きが出るのを待って変更を試みる、という方法です。

また、少し上級者向けですが、「海外発券を検討する」というテクニックもあります。これは、日本発着ではなく、海外の都市を出発地として日本へ来る、あるいは日本を経由して第三国へ行くといった旅程を組む方法で、場合によっては日本発着よりも少ないマイル数で済むことがあります。

これらのテクニックを参考に、粘り強く検索し、時には柔軟な発想で旅程を組むことで、希望の特典航空券を確保できる可能性は大きく高まります。諦めずにチャレンジしてみてください！

まとめ：自分に合ったマイルを選んで、夢の旅行へ出発！

ANAマイルとJALマイル、どちらも私たちの旅を豊かにしてくれる素晴らしいプログラムです。 クレジットカードでの貯めやすさの爆発力や、オフシーズンの必要マイル数の少なさではANAマイルに分があり、一方で、特典航空券の予約のしやすさや、空席連動の柔軟性ではJALマイルに魅力があります。

最終的にどちらを選ぶべきかは、この記事で何度も触れてきたように、「あなたのライフスタイルや旅行スタイルに合っているか」に尽きます。

ぜひ、この記事を参考に、ご自身の状況をじっくりと分析し、納得のいくマイルプログラムを選んでください。そして、賢くマイルを貯めて、お得に、そしてスマートに、夢に描いた旅行へ出発しましょう！

※本記事の内容は、執筆時2025年6月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。