30代から始める!無理なくできる資産形成術
30代のみなさんの多くは、人生の中盤に差し掛かり、将来に対する不安と期待が交錯しているのではないでしょうか?
特に、「人生100年時代」「老後資金2,000万円問題」などが話題となり、老後資金の準備や資産形成について、”いつかは始めなければ”と考えてはいるものの、具体的に何から手をつければいいのか分からずにいるかもしれません。しかし、30代から資産形成を始めれば、時間という最大の武器を活かして、無理なく目標達成を目指すことができます。
この記事では、30代から始める資産形成のメリットから、具体的なステップまでを分かりやすく解説します。資産形成への第一歩を踏み出すために必要な基礎知識から、老後資金の準備、NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)を使った方法まで、幅広く解説します。
また、30代から始める資産形成のメリットや、資産運用におけるリスク管理の心構えについても触れています。「お金のことなんて分からない」「投資は怖い」と、資産形成に興味はあるけれど一歩を踏み出せずにいるあなた。この記事から”明日から資産形成を始める”ためのヒントが見つかれば幸いです。
40代の人はこちらの記事をご覧ください
1. はじめに
1-1. なぜ資産形成が必要なのか?
30代は、キャリアも私生活も安定してくる一方で、将来への不安が顕在化し始める時期です。特に「老後資金2,000万円問題」が浮上し、自分の老後に必要な資金について真剣に考えるようになったのではないでしょうか。しかし、老後だけではなく、マイホーム購入費や子どもの教育費など、将来必要となる資金は多岐にわたります。これらの資金を確保するためには、単に貯蓄するだけではなく、資産を運用するという手段も必要となります。
- 結婚、出産、子どもの進学、マイホーム購入など、控えている大きなライフイベント
- 将来の仕事、収入
- 老後の生活
- 病気やケガなど、予期せぬ出費
加えて、物価上昇や低金利など、お金を取り巻く不安もさまざまです。公的年金だけでは豊かなセカンドライフが実現できるとは言えません。
- 人生100年時代:寿命が延びたことでセカンドライフも長くなる
- 低金利時代:現在の預金金利では増える金額はわずか
- 物価上昇:物価が上昇すると現金の実質的な価値が目減りすることがある
そんな不安を解消する鍵が、「資産形成」です。資産形成とは、将来のために計画的に資産を増やすこと。将来の安心を得るには資産形成が非常に重要なのです。
1-2. 30代から始める資産形成のメリット
30代から資産形成を始めることには、複数のメリットがあります。
ひとつは時間の猶予があること。資産形成において時間は最も重要な要素のひとつで、長期間にわたる資産運用は、複利効果の恩恵を最大限に享受できます。複利は「利息に利息がつく」ことを意味し、長期間にわたって資産が雪だるま式に増えていきます。
また、30代はリスク許容度が比較的高いと言えます。若ければ若いほど、資産運用による損失を時間をかけて取り戻すチャンスがあります。さらに、資産形成を早期に始めることで、自分に合った資産運用方法やリスク管理の方法を学び、必要に応じて早期に資産形成の戦略を軌道することができます。
30代で資産形成を始めることは、経済的な安定だけでなく、将来に対する安心という心理的なメリットももたらします。それは、自分や家族の未来を守るための重要なステップです。
- 時間の余裕: 時間をかけてじっくりと資産を育てることができる
- 複利効果の恩恵:長い期間、資産を運用することで、複利効果により資産が大きく膨らむ
- リスク許容度:若い頃はリスク許容度が高く、積極的な資産運用に挑戦できる
- 早期に軌道修正できる:間違った方向に進んでも、軌道修正する時間がある
このように、30代は資産形成を始めるのに最適な時期と言えるでしょう。
2. 資産形成の基礎知識
2-1. 資産形成の基本とは?
資産形成とは、将来に向けて安定した経済基盤を築くために、今ある資源(お金や資産)を有効的に増やしていくプロセスです。多くの初心者にとって、このプロセスは複雑に感じられるかもしれませんが、実は非常にシンプルです。資産形成の鍵は、「収入を得て、適切に管理し、賢く運用する」ことにあります。この基本的なアプローチを理解し、一つひとつ実行していくことが、資産を増やし、将来の不安を減らすための第一歩です。
資産形成には、「収入を増やす」「支出を減らす」「資産運用で増やす」の3つの柱があります。
① 収入を増やす
これは、最も直接的な資産形成の方法です。副業や独立、資格取得によるキャリアアップなど、収入源を増やすことで資産を増やすことができます。
- 副業を始める
- スキルアップして昇給を目指す
- 転職して収入の高い仕事に就く
② 支出を減らす
支出を見直し、無駄な出費を削減することも重要です。家計簿の管理や予算計画を立てることで、効果的に支出をコントロールし、貯蓄額を増やすことができます。
- 家計簿をつけて無駄遣いを減らす
- 固定費を見直し、節約できる項目を探す
- 食費や生活費を抑える
③ 資産運用で増やす
お金をただ銀行に預けるだけではなく、株式や投資信託、債券などの有価証券などを活用して資産を増やす方法です。資産運用にはリスクが伴いますが、長期的な視点で取り組むことで、インフレに打ち勝ち実質的な資産を増やすことが期待できます。
- 株式や投資信託などの金融商品に投資する
- 不動産投資をする
- 金やプラチナなどの貴金属に投資する
資産形成は、長期的な視点で取り組むことが大切です。焦らずコツコツと続けることで、将来の不安を解消し、安心した生活を送ることができるようになります。
2-2. 資産運用の種類と特徴
資産運用にはさまざまな種類があります。代表的なものは、以下のとおりです。
① 株式投資
企業の株式を購入することで、企業の成長に伴って配当金の受取りや株価の上昇による利益を得られる可能性があります。しかし、企業業績の悪化による株価の下落リスクもあります。
② 投資信託
複数の投資家から資金を集め、その資金を基にプロのファンドマネージャーが株式や債券などに投資します。分散投資が可能で、専門家に運用を任せることができ個々の投資判断が不要なためるため、初心者でも始めやすいのが特徴です。
③ 債券投資
国や企業などが資金調達のために投資家から資金を借りる際に発行する証券で、一定期間後に元本と利息を受け取ることができます。株式に比べてリスクは低いですが、その分利回りも控えめです。
④ 不動産投資
不動産投資は、アパートやマンションなどの不動産を購入して、賃料収入を得る方法です。安定収入を得られる可能性がありますが、初期費用が大きくなります。
⑤ 金投資
金は、古くから価値のある貴金属として知られています。インフレ対策やポートフォリオの分散に役立ちます。
これらの選択肢以外にも、さまざまな資産運用方法が存在します。各々にリスクとリターンの特性があり、自分のリスク許容度や目的に合わせた選択が重要です。
2-3. 自分に合った資産運用方法を選ぶ
自分に合った資産運用方法を選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
① 目的
老後の資金準備、子どもの教育費の準備、短期間での資産増加など、目的によって最適な資産運用方法は異なります。目的を明確に設定し、それに最も適した資産運用方法を選択しましょう。
② リスク許容度
資産運用には常にリスクが伴います。自分がどれくらいのリスクを受け入れられるかを把握することが重要です。それに応じた商品や方法を選びましょう。
③ 期間
自分の資金計画と、リターンが期待できる期間とを照らし合わせ、短期・中期・長期など最適な選択を行いましょう。
④ 資金の流動性や運用金額
資産運用に回した資金がいつ引き出せるかも重要なポイントです。急な出費に対応できるよう、一部の資金はすぐに利用できる形で保持することが望ましいです。流動性の高いものと低いものをバランスよく組み合わせることで、柔軟性と安定性の両方が確保できます。
また、運用金額によっても、資産運用ができる商品や方法が異なります。
⑤ 分散
資産運用のリスクを管理するためには、資産を分散させることが効果的です。異なる種類の資産(株式、債券、不動産など)に投資することで、一部の資産で損失が出たとしても、他の資産でカバーできる可能性が高まります。
⑥ 知識・経験
資産運用の方法によっては、専門的な知識が求められる場合もあります。株式投資や不動産投資など、高いリターンを期待できるものほど、リスク管理や市場の理解が必要になります。投資に関する知識や経験が少ない場合は、初心者向けの商品や方法を選ぶのがおすすめです。
自分に合った資産運用方法を選ぶには、上記のポイントを総合的に考慮する必要があります。ライフステージ、資産状況、将来の目標といった要素を踏まえて、自分自身に最適な資産運用の戦略を立てましょう。また、不確実な環境の中で臨機応変に対応するためには、定期的な見直しと調整が不可欠です。市場の変動、自身の資産状況や目標の変化に応じて、戦略をアップデートしていくことが、成功への鍵となります。
自分一人で判断が難しい場合は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)やFP(ファイナンシャルプランナー)などお金の専門家に相談するのも一つの方法です。専門家の知見を活用して、より具体的かつ実行可能な資産形成の計画を立てることができます。
資産形成は、一朝一夕に成果が出るものではありません。長期的な視野でコツコツと取り組むことが、資産形成において最も重要なポイントです。自分に合った資産運用方法を見つけ、将来に向けた確かな一歩を踏み出しましょう。
3. 30代から始める資産形成の第一歩
資産形成は、長期的な視野で取り組むべきプロセスです。特に30代は、時間という最大の武器を活かして、無理なく目標達成を目指すことが可能で、そのスタートラインに立つ絶好の機会です。ここでは、資産形成を始めるための具体的な第一歩を見ていきましょう。
3-1. 現在の状況を把握する
資産形成を始める前に、まずは自分の現在地を知ることが重要です。これには、以下の三つのステップがあります。
① 収入と支出の把握
毎月の給与、副業収入、その他すべての収入と支出を詳細にリストアップし、どこにお金が流れているのかを明確にします。この過程で、不要な出費を削減できる可能性が見えてきます。家計簿アプリなどを活用すると、すべての支出が把握しやすくなります。
② 貯蓄率の計算
収入から支出を差し引いた残りが、あなたの貯蓄額です。収入に対する貯蓄額の割合(貯蓄率)を計算し、将来の資産形成に向けた基盤を理解しましょう。
貯蓄率=貯蓄額(収入ー支出)÷収入
③ 資産状況の把握
銀行預金や有価証券、不動産など、すべての資産を把握します。また、負債(ローンやクレジットカードの残高など)も合わせて評価し、純資産を計算しましょう。現在の状況を把握することで、課題や目標設定がしやすくなります。
3-2. 目標を設定する
次に、目標を設定しましょう。資産形成を成功させるには、明確な目標が必要です。
目標には以下のようなものがあります。必要となる資金を目標に設定しましょう。
- 老後資金目標:退職後の生活費用、趣味や旅行など、老後に必要となる資金の総額を見積もる
- その他の目標:子どもの教育やマイホームの購入、大きな旅行など、人生の大きなイベントに向けた資金計画も立てる
目標設定は、具体的かつ明確にしましょう。目標金額だけでなく、目標達成期限も設定すると、よりモチベーションを維持しやすくなります。
3-3. 老後資金の準備
老後資金は、誰にとっても重要な目標です。公的年金だけでは、将来の生活費を賄えない可能性があります。そのため、早めに準備しておくことが大切です。
- 老後資金が必要な理由:長寿化により、退職後の生活期間が延びています。十分な老後資金がなければ、生活の質が著しく下がる可能性があります。
- 老後資金の計画方法:収入源(年金や投資収入など)と予想支出を基に、必要な資金額を計算します。足りない部分はいかにして補うか、具体的な計画を立てます。
老後資金の準備には、以下の方法があります。
- 毎月一定額を貯蓄する
- NISA(ニーサ)を活用する
- iDeCo(イデコ)を活用する
- 個人年金に加入する
老後資金の必要金額は、個人の状況によって異なります。ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談して、具体的な計画を立てることもおすすめです。
3-4. NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)を活用した資産形成
NISA(ニーサ)とiDeCo(イデコ)は、節税しながら資産形成ができる制度です。30代は、これらの制度を活用して、積極的に資産形成をすることをおすすめします。
NISA(新NISA)の概要
NISAには、投資による利益に対する非課税メリットがあります。若いうちからコツコツと利用することで、長期的な資産形成に貢献します。
- 年間360万円までの非課税投資枠(積立投資枠120万円+成長投資枠240万円)
- 投資で得た利益が非課税
- 積立投資に最適
iDeCoの概要
自営業者だけでなく、会社員も利用できる確定拠出年金制度です。節税効果が高く、老後資金の準備に最適です。
- 掛金が全額所得控除の対象(職種によって掛金の上限が異なります)
- 投資で得た利益が非課税
- 老後資金の準備に最適
NISAとiDeCoはそれぞれメリット・デメリットがあり特徴が異なります。自分の状況に合わせて、どちらを活用するかを検討しましょう。
NISAとiDeCoを詳しく知りたい人はこちら
3-5. 貯蓄から資産運用へのシフト
30代からの資産形成は、現状を正確に把握し、具体的な目標を設定することから始まります。そして、節税効果の高い制度を活用し、貯蓄を賢く資産運用にシフトすることが成功への鍵となります。
- 効率的な貯蓄方法:自動積立など、意識せずとも継続できる貯蓄方法を取り入れましょう。また、支出を見直し、無駄遣いを減らすことが重要です。
- 貯蓄を資産運用にどう移行するか:貯蓄した資金を、株式や投資信託、不動産など、より高いリターンが期待できる場所に投資することで、資産を増やしていきます。
資産運用には、さまざまな方法があります。自分のリスク許容度や目標に合わせて、最適な方法を選びましょう。また、資産運用を始める前に、必ずリスクを理解しておきましょう。
分からないことがあれば、IFAやファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。
4. 行動に移す|資産形成を始める前に行うべきこと
資産形成は、実践的なステップから始まります。まずは貯蓄の習慣を確立し、資産運用の適切なリスク管理と心構えを持つことが重要です。
4-1. 毎月の貯蓄を習慣化する
資産形成の基礎となるのは、安定した貯蓄習慣です。これを身につけるためには、以下の方法が効果的です。
① 家計簿アプリの活用
現代のテクノロジーを活用して、日々の収支を管理しましょう。家計簿アプリを使うことで、支出をリアルタイムに把握し、無駄遣いを見つけやすくなります。
② 自動積立の設定
銀行や証券口座で自動積立を設定することで、意識しなくても毎月一定額が貯蓄または資産運用に回されます。これにより、貯蓄を習慣化しやすくなります。
③ 無駄遣いを減らす
日々の小さな支出が積もり、大きな負担になることがあります。不要なサブスクリプションの解約や、衝動買いを避けることで、貯蓄額を増やすことができます。
まずは、無理のない範囲から始めてみましょう。少しずつでも、継続することが大切です。
4-2. 資産運用を始めるためのリスク管理と心構え
資産運用には、必ずリスクが伴います。そのため、資産運用を始める際には、適切なリスク管理と正しい心構えが不可欠です。以下のポイントを意識して、リスク管理を徹底しましょう。
① 少額から始める
資産運用は必ずしも大金が必要なわけではありません。少額から始めて徐々に投資額を増やすことで、リスクを抑えつつ経験を積むことができます。
② 積立投資を活用
定期的に一定額を投資する積立投資は、市場の変動リスクを分散させる効果があります。また、長期的な視点でコツコツと資産を増やすことができます。
③ 長期的な視点で取り組む
資産運用においては、短期的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが重要です。資産運用はマラソンであり、焦らずじっくりと取り組む心構えが必要です。
貯蓄の習慣化と資産運用の適切なリスク管理・心構えを身につけることは、資産形成への第一歩です。これらを実践することで、資産運用を通じた資産形成の基盤をしっかりと築くことができます。
5. まとめ
資産形成は、一夜にして達成されるものではなく、長期的な取り組みです。焦らずコツコツと続けることが、成功への鍵となります。
ここでは、資産形成を成功させるための核心となるポイントを振り返り、次のステップに向けたアクションプランを提示します。
5-1. 資産形成は長期戦
資産形成において最も重要なのは、「焦らずコツコツと続ける」ことです。短期間で大きな成果を期待するのではなく、長期的な視野で着実に取り組む姿勢が重要です。また、「定期的に見直しをする」ことも欠かせません。市場の変動、ライフステージの変化、目標の変更などに応じて、資産運用計画を柔軟に調整していく必要があります。数ヵ月、少なくとも年に一度の見直しを習慣化しましょう。
- 短期的な成果に一喜一憂しない
- 経済状況の変化に対応する
- 定期的に見直しを行う
長期的な視点で取り組むことで、リスクを抑えながら、着実に資産を増やすことができます。
5-2. 情報収集と専門家の活用
資産形成のプロセスにおいて、正確で信頼性の高い情報を得ることは非常に重要です。「書籍」や「ブログ」を通じて基礎知識を深め、最新の情報に触れることもできます。
また、「セミナー」に参加することで、専門家から直接学び、他の投資家とのネットワーキングの機会を得ることもできます。さらに、「ファイナンシャルプランナー」といった専門家の助言を求めることで、自身の状況に合わせた具体的なアドバイスを得ることが可能です。自分一人で判断が難しい場合は、専門家の知見を活用しましょう。
- 書籍やブログを読む
- セミナーに参加する
- ファイナンシャルプランナーに相談する
情報収集することで知識を深め、自分に合った資産形成方法を見つけることができます。分からないことがあれば、専門家に相談することをおすすめします。
一方で、まず始めてみる(資産形成の第一歩を踏み出してみる)ということも非常に大切です。資産運用は少額から始めることができるので、現状把握や目標設定、情報収集などと並行して、少額から始めてみるのもよいでしょう。
6. 関連情報
資産形成をサポートするために、さらに役立つ情報源をご紹介します。以下に、資産形成に関する関連情報をまとめました。
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公的機関や金融機関のWebサイト、資産運用に関する情報サイトやブログなど、インターネット上には有用な情報が溢れています。信頼できる情報源を見つけ、定期的にチェックすることをお勧めします。
ぜひ、これらの情報を活用して、資産形成を成功させましょう。
資産形成は、知識と経験、そして時間をかけて成し遂げるプロジェクトです。焦らず、しかし着実に、自分自身の未来のために資産形成を始めましょう。
※本記事の内容は、執筆時2024年3月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。