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世界で宇宙ビジネスへの期待が高まる中、宇宙関連企業への投資に興味を持ち始めた方も多いのではないでしょうか。
世界各国の宇宙関連企業に投資できる商品には、当メディアの別記事「主要な宇宙関連ETFを徹底比較」で紹介した米国ETFのほかに、国内の投資信託(ファンド)という選択肢があります。これらは、日本の証券会社や銀行で、円のまま、比較的少額で購入でき、外国株式を取引するための口座を別に開設する必要もありません。
※円で購入できますが、投資先は海外の企業が中心のため、為替変動の影響を受ける投資信託が多くあります。取り扱いの有無や最低購入金額は、投資信託や販売会社によって異なります。
ただし、銘柄名に「宇宙」や「スペース」と付いていて、一見どれも同じに見える投資信託でも、その中身は異なります。違いは、コストである信託報酬、指数に連動するか独自の調査で銘柄を選ぶかという運用手法、そして投資対象範囲にまで及びます。
この記事では、国内の運用会社が設定・運用している宇宙関連の投資信託6本を取り上げ、客観的なデータと特徴を横断的に比較していきます。
投資信託とは、投資家から集めた資金を一つにまとめ、運用の専門家が複数の企業の株式などに分散して投資する金融商品です。宇宙関連の投資信託は、その投資先を宇宙ビジネスに関わる企業に絞ったものです。
日本の運用会社が提供している国内投資信託であっても、投資対象は日本企業に限定されていません。
国内の宇宙関連の投資信託の多くは、日本を含む世界の宇宙関連企業を投資対象としています。宇宙関連の上場企業は米国などの海外にも多く、組み入れられる銘柄も、米国をはじめとする海外の企業が中心になりやすい特徴があります。「日本企業だけに投資する投資信託」ではない点に注意が必要です。
宇宙産業への投資手段としては、米国市場に上場しているETFを購入する方法もあります。ETFとは、証券取引所に上場していて、株式と同じように売買できる投資信託のことです。国内の投資信託と米国ETFの主な違いは、次のとおりです。
| 項目 | 国内投資信託 | 米国ETF |
|---|---|---|
| 購入に必要な口座 | 日本の証券会社の総合口座や銀行の投資信託口座など | 証券会社などの外国株式取引口座 |
| 購入代金の通貨 | 円 | 米ドル |
| 円からの両替 | 不要 | 自分で円を米ドルに両替して購入する「外貨決済」と証券会社が代行する「円貨決済」を選択できる |
| 為替変動の影響 | 海外の資産に投資するものは受ける ※為替の変動を抑える仕組みがあるコースでは小さくなる | 受ける |
| 価格の決まり方 | 基準価額が1日1回決まる | 市場でリアルタイムに価格が動く |
| NISA対象 | つみたて投資枠・成長投資枠 ※銘柄により異なる(一部の銘柄は対象外) | 成長投資枠のみ ※一部の銘柄は対象外 |
※両替や円貨決済にかかる為替コストは、証券会社や決済方法によって異なります。
※NISAの制度概要や対象銘柄は金融庁「NISA特設サイト」などでご確認ください。
ここでは、国内で設定されている主な宇宙関連投資信託6本を比較していきます。
| ファンド名 | 運用会社 | 運用手法 | 設定日 | 信託報酬 | 純資産総額 | 購入受付 | NISA |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| iFreeNEXT スペース・テック株インデックス | 大和アセットマネジメント | インデックス型 | 2026年7月14日 | 年0.495% | 約24億円 | 販売会社で確認 | 成長投資枠 |
| SMT MIRAIndex 宇宙 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント | インデックス型 | 2019年12月20日 | 年0.77% | 約71億円 | 販売会社で確認 | つみたて投資枠 成長投資枠 |
| eMAXIS Neo 宇宙開発 | 三菱UFJアセットマネジメント | インデックス型 | 2018年8月6日 | 年0.792% | 約509億円 | 購入受付停止中 | 成長投資枠 |
| 東京海上・宇宙関連株式ファンド(為替ヘッジなし) | 東京海上アセットマネジメント | アクティブ型 | 2018年9月12日 | 年1.8425% | 約5,165億円 | 販売会社で確認 | 成長投資枠 |
| ニッセイ宇宙関連グローバル株式ファンド(資産成長型・為替ヘッジなし) | ニッセイアセットマネジメント | アクティブ型 | 2018年11月2日 | 年1.8975% | 約843億円 | 販売会社で確認 | 成長投資枠 |
| グローバル・スペース株式ファンド(1年決算型) | アモーヴァ・アセットマネジメント | アクティブ型 | 2018年8月13日 | 年1.925% | 約635億円 | 販売会社で確認 | 成長投資枠 |
※数値は2026年10月時点の調査に基づきます。信託報酬は年率・税込です。純資産総額は、投資信託全体の規模を示す金額で概数です。最新の情報は、必ず各運用会社の公式サイトと目論見書で確認してください。
※為替ヘッジとは、為替レートの変動による資産価値の目減りを抑える仕組みです。
※各投資信託の取り扱いの有無は、販売会社によって異なります。
信託報酬とは、投資信託を保有している間、継続的に信託財産から差し引かれる運用・管理費用です。信託報酬は運用会社・販売会社・受託会社に分配されます。なお、受託会社とは、投資信託の財産を保管・管理する信託銀行のことです。
信託報酬は、保有している資産の総額に対して年率で計算されます。仮に100万円を1年間保有し続け、その間、投資信託の値段である基準価額が全く変動しなかったと仮定した場合、それぞれ以下の金額が差し引かれる計算になります。
信託報酬は直接請求されるわけではなく、基準価額から日々差し引かれます。
※上記の目安額には信託報酬以外の費用は含まれておりません。その他費用の詳細は運用報告書でご確認ください。
同じ宇宙関連の投資信託でもコストに大きな差があるのは、主にインデックス型やアクティブ型といった運用手法の違いがあるためです。
インデックス型とは、指数と呼ばれる市場の動きを示す数値と同じ値動きを目指す運用手法です。国内の宇宙関連インデックス型ファンドの信託報酬は、年0.5〜0.8%です。
一方、アクティブ型とは、ファンドマネージャーが独自の調査や分析で銘柄を選び、指数を上回る成果を目指す運用手法です。企業調査や銘柄選定のプロセスにコストがかかるため、国内の宇宙関連アクティブ型ファンドの信託報酬は、年1.8〜1.9%台が中心です。
※2026年10月時点の調査に基づきます。
ここからは、6本の投資信託を運用手法ごとに分けて詳細を見ていきます。まずはインデックス型ファンド3本です。
NISAつみたて投資枠 NISA成長投資枠
三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用するインデックス型ファンドで、設定日は2019年12月20日、信託期間は無期限です。信託報酬は年0.77%、純資産総額は約71億円です(2026年10月時点)。原則として為替ヘッジを行わず、年1回決算で、決算月は4月です。
この投資信託は、税引後配当込み・円換算ベースの「FactSet Global Space Economy Index」という指数への連動を目指します。これは運用会社とFactSet UK Limitedが共同開発したスマートベータ指数で、時価総額以外の基準で銘柄を選ぶ指数です。世界の宇宙関連企業の中から、総資産に占める売上総利益の割合が高い順に、原則50銘柄で構成されます。目論見書によると、構成銘柄数は49銘柄、9カ国・地域です(2026年5月末時点)。
留意点として、目論見書には、宇宙に関係する機械や素材などの事業や、事業分野の中で宇宙への関与が一定程度見られる事業も含まれるため、構成銘柄は必ずしも宇宙に特化した事業を行っているとは限らないという趣旨の注記があります。
NISA成長投資枠
大和アセットマネジメントが運用するインデックス型ファンドで、2026年7月14日に設定されました。信託報酬は年0.495%で、購入時手数料と信託財産留保額はなしと案内されています。純資産総額は約24億円です(2026年10月時点)。
※信託財産留保額とは、解約時などに投資信託に残す形で投資家が負担する費用です。
連動を目指す指数は、配当込み・円ベースの「Akros グローバル宇宙テクノロジー株指数」です。宇宙産業の成長の恩恵を受ける先進国企業を対象としており、企業の事業内容や売上構成、開示資料やニュース等を総合的に分析して、宇宙ビジネスの中核を担う30銘柄を選定します。その上で、宇宙ビジネスの関連度や影響力、事業規模、時価総額等を考慮して、各銘柄の構成比率を決定します。
目論見書によると、指数の上位10銘柄には、スペースX、ロケット・ラボ、ViaSatなどが含まれ、スペースXの構成比率は15%でした(2026年8月末時点)。
留意点として、設定から約3ヵ月と運用実績が短い点には注意が必要です。
NISA成長投資枠
三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックス型ファンドで、設定日は2018年8月6日です。信託報酬は年0.792%、純資産総額は約509億円です(2026年10月時点)。
2026年4月17日を最終受付日として、現在購入受付を一時停止しています。運用会社のFAQでは、購入受付停止理由を“ファンドの運用規模、運用効率および投資対象マーケットの流動性などを総合的に勘案し、適切な運用資産規模での運用を継続するため”と説明されています。
なお、解約については通常どおり受け付けていますが、購入受付の再開時期については、現在確認できた範囲では示されていません。
続いて、ファンドマネージャーが独自の基準で企業を選定するアクティブ型ファンド3本を見ていきます。外部の運用会社や調査機関の助言・調査を活用している投資信託がある点が特徴です。
NISA成長投資枠
ニッセイアセットマネジメントが運用するアクティブ型ファンドで、設定日は2018年11月2日、信託期間は2044年10月25日までです。複数のコースがあり、ここでは「資産成長型・為替ヘッジなし」の数値を紹介します。信託報酬は年1.8975%、純資産総額は約843億円です(2026年10月時点)。年1回決算で、決算月は10月です。
運用方針として、日本を含む世界各国の宇宙関連企業の株式に投資を行います。ここでの宇宙関連企業とは、ロケットや人工衛星の製造・打上げ・運用等に関する事業を展開する企業、衛星データ等を活用して事業を展開する企業などとされています。実際の銘柄選定にあたっては、TCWインベストメント・マネジメント・カンパニーからの助言を活用しています。
NISA成長投資枠
東京海上アセットマネジメントが運用するアクティブ型ファンドで、設定日は2018年9月12日、信託期間は2044年7月7日までです。ここでは「為替ヘッジなし」コースの数値を紹介します。信託報酬は年1.8425%、純資産総額は約5,165億円と、今回比較した6本の中で最大規模です(2026年10月時点)。年2回決算で、決算月は1月と7月です。
日本を含む世界の取引所に上場されている株式等の中から、成長が期待される宇宙関連企業に投資します。宇宙関連企業は、ロケット等の輸送機や衛星の製造、打ち上げサービス、衛星や地上設備の運営、衛星データを活用した通信・情報サービス、関連ソフトウエア、その他周辺ビジネス等を行う企業と定義されています。高い技術力や競争力等を持つと判断する企業の中から、ファンダメンタルズ分析を考慮して銘柄を選定します。実際の運用を行うマザーファンドの運用の指図に関する権限は、ヴォヤ・インベストメント・マネジメント・カンパニー・エルエルシーに委託されています。
※ファンダメンタルズ分析とは、企業の財務状況や業績などの基礎的なデータを分析することです。
※マザーファンドとは、実際の運用を行うファンドのことです。
NISA成長投資枠
アモーヴァ・アセットマネジメントが運用するアクティブ型ファンドで、「1年決算型」は2018年8月13日に設定されました。年2回決算型は、2021年6月9日の設定です。信託期間は無期限です。信託報酬は年1.925%、1年決算型の純資産総額は約635億円です(2026年10月時点)。原則として為替ヘッジを行いません。
運用方針としては、世界の株式の中から、宇宙関連ビジネスを行う企業およびその恩恵を受ける企業の株式に投資を行います。個別銘柄の選定にあたっては、運用方針にアーク・インベストメントの調査力を活用すると記載されています。
各投資信託の基本情報をお伝えしてきましたが、実際に購入を検討する際には、以下の5つのポイントを整理しておくことが大切です。
アクティブ型を中心に、同じ名前の投資信託でも複数の「コース」が用意されている場合があります。
主な違いは、為替ヘッジの有無と、決算の回数です。為替ヘッジを行うコースでは、ヘッジコストと呼ばれる費用がかかります。決算とは、分配金を支払うかどうかを決める日のことで、年1回や年2回などのコースがあります。
今回ご紹介した6本の宇宙関連の投資信託は、すべてNISAの成長投資枠で投資可能です。
このうちSMT MIRAIndex 宇宙は、つみたて投資枠の対象にもなっています。つみたて投資枠は、金融庁が定める基準を満たした投資信託に限られ、今回の6本のうち対象になっているのはこの1本だけです。
一方、この6本の投資信託を取り扱っているかどうかは、販売会社によって異なります。購入を検討している販売会社で確認してください。
投資信託の規模を示す純資産総額にも注意が必要です。
今回の6本では、純資産総額は約24億円から約5,165億円まで開きがあります。規模が小さすぎると、繰上償還の可能性が高まります。さらに、運用規模や運用効率、投資対象市場の流動性などを勘案して、購入受付が停止された例もあります。また、設定からの運用年数が短い投資信託は、どのような市場環境でどう値動きするのかの実績データが少ない点に留意が必要です。
※繰上償還とは、運用期間の途中で投資信託の運用が打ち切られ、投資家に資金が返還されることです。
先述の通り、現在、購入受付を停止している投資信託があります。
証券会社の検索画面で該当の投資信託を見つけても、新規購入を受け付けているかどうかを、注文画面や販売会社の案内で都度確認する必要があります。
宇宙ビジネスのような特定のテーマに絞った投資信託は、市場全体の動きとは異なる値動きをすることがあります。
期待が先行して株価が急上昇することもあれば、関連企業のトラブル一つで大きく下落するなど、値動きの幅が大きくなりやすい傾向があります。為替ヘッジなしのコースでは、円高になると円換算の評価額が下がる可能性もあります。
こうしたテーマ型投資信託の特性や、ブームとの付き合い方については、以下の記事を参考にしてください。
宇宙へ投資する手段として、国内の投資信託と米国ETFのどちらを選ぶかは、投資家のスタンスによって異なります。コストの優劣だけでは決められません。
米国ETFの具体的な中身や各種データについては、以下の記事で解説しています。
また、証券口座の開設から実際のETF・投資信託購入までの手順を確認したい方は、こちらの記事をご覧ください。

NISA枠を活用した投資信託やETFの具体的なポートフォリオの考え方については、以下の記事で整理しています。

国内の運用会社が設定している主な宇宙関連投資信託について、客観的なデータに基づき比較を行いました。ポイントをまとめます。
特定のテーマに投資を行う際は、それぞれの金融商品の特性を冷静に比較し、ご自身の許容できるリスクの範囲内で選択することが大切です。
※本記事は、国内の宇宙関連投資信託の一般的な情報を整理したものであり、特定のファンドの購入・売却を推奨・勧誘するものではありません。記事内の数値は2026年10月時点の調査に基づくもので、信託報酬・純資産総額・購入受付の状況・NISA対応等は変更される可能性があります。実際の投資にあたっては、必ず目論見書・運用報告書と、購入する証券会社の最新情報をご確認の上、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
宇宙産業をはじめとする特定のセクターへの投資は、市場の期待先行による価格変動(ボラティリティ)が非常に大きくなる傾向があります。当サイト(MONEY CYCLE SPACE)は産業動向の中立的な解説を目的としており、特定の個別銘柄の推奨を行うものではありません。投資の最終決定はご自身の判断で行ってください。
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