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iDeCoの金融機関、どこで始めるのが正解?手数料・商品で徹底比較!初心者におすすめの選び方

iDeCoおすすめの金融機関

将来の資産形成の強力なツールとして、iDeCo(個人型確定拠出年金)への注目がますます高まっています。税制優遇のメリットを受けながら、自分の手で年金資産を育てられるiDeCoは、多くの人にとって活用すべき制度です。

しかし、「始めてみたいけど、どの金融機関を選べばいいのかわからない」と、最初の一歩でつまずいてしまう方が非常に多いのも事実です。金融機関選びは、iDeCoの成果を大きく左右する、最も重要な選択と言っても過言ではありません。

このコンテンツでは、iDeCoを始める金融機関選びで失敗しないための「2つの絶対的な基準」を専門家が徹底解説します。さらに、特に人気の主要ネット証券5社を「手数料」「商品」「サポート」の観点から比較し、あなたがどの金融機関を選ぶべきか解説します。

なぜiDeCoの金融機関選びは「最初の選択」がこれほど重要なのか?

iDeCoの金融機関は「とりあえずここで」と安易に決めてはいけません。その理由は3つあります。

  • 一度始めると変更が面倒。だからこそ、最初の選択が肝心

iDeCoの金融機関は後から変更することも可能ですが、手続きには数ヶ月の時間がかかり、その間は新たな掛金の拠出ができないなど、手間とデメリットが伴います。だからこそ、最初の金融機関選びが極めて重要になるのです。

  1. 金融機関によって手数料や選べる商品が全く違う

後述しますが、金融機関によって毎月かかる「運営管理手数料」が異なります。また、運用する「投資信託」のラインナップも全く違います。この2つの違いが、将来受け取る金額に大きな差を生みます。

  1. 長期的な運用成果に直接影響を与える

iDeCoは10年、20年、30年と続く長期の資産運用です。月々数百円の手数料の差、年率0.1%の信託報酬の差も、長期的に見れば数十万円単位の差となって表れます。

【最重要】iDeCoの金融機関選び、失敗しないための「2つの絶対基準」

金融機関選びで見るべきポイントは無数にありますが、絶対に外してはいけない基準は、突き詰めると以下の2つだけです。

基準①:運営管理手数料が「無料」であること

iDeCoの手数料で最も比較すべき重要なポイントは、運用中にかかり続ける「月額手数料」です。これは、主に以下の3つで構成されています。

1.国民年金基金連合会

月額105円(全員共通)

2.事務委託先金融機関
(信託銀行)

月額66円(全員共通)

3.運営管理機関
(選んだ金融機関)

月額0円〜数百円ココが最重要!

※上記の月額手数料とは別に、iDeCo加入時には、初回のみ国民年金基金連合会へ2,829円の加入時手数料がかかります。また、給付を受ける際の「給付手数料」や、金融機関を変更する際の「移換手数料」なども別途発生します。

上記のうち、1と2はどの金融機関を選んでも必ずかかる共通の費用です。しかし、3の「運営管理手数料」は金融機関が独自に設定しており、この手数料が0円の金融機関を選ぶことが絶対条件です。

例えば月額330円の運営管理手数料がかかる金融機関を選んだ場合、年間で3,960円、30年間では118,800円ものコストが余分にかかります。iDeCoではこのコスト差を埋めるほどのサービスの違いはありません。

幸い、2025年現在、主要なネット証券では運営管理手数料を0円にすることが当たり前になっています。まずはこの基準をクリアしている金融機関に絞りましょう。

基準②:低コストで質の高い「商品ラインナップ」が揃っていること

手数料の次に重要なのが、どのような商品(投資信託)で運用できるかです。ここでのポイントは「商品の数」よりも「商品の質(=低コスト)」です。

  • 見るべきは「信託報酬」の低さ

投資信託の運用・管理にかかるコストが「信託報酬」です。これは保有している間、毎日差し引かれる費用で、運用成績に直接影響します。

  • 人気シリーズの取り扱いをチェック

特に「eMAXIS Slimシリーズ」に代表される、業界最低水準の運用コストを目指し続ける投資信託を取り扱っているかは、良い金融機関を見極める上での一つのベンチマークになります。これらの商品は、低コストで全世界や米国の株式に幅広く分散投資ができるため、iDeCo初心者にも最適です。

iDeCoおすすめ金融機関5選!あなたに合うのはどこ?

上記の「手数料無料」「低コスト商品」という2つの基準をクリアした、特におすすめのネット証券5社を比較しました。

金融機関名運営管理
手数料
商品数主要低コスト
ファンド
サポート
体制
特徴
SBI証券038質・量ともにトップレベル!低コストで質の高い商品が充実
楽天証券037管理画面が直感的でわかりやすい。投資初心者でも安心
松井証券040豊富な低コスト商品に加え、残高に応じたポイント還元も魅力
マネックス証券028ロボアドが商品選びをサポート。専門家の情報も豊富
三菱UFJ eスマート証券027対象ファンドの残高に応じてPontaポイントが貯まる。Pontaユーザーに嬉しい
※2025年9月22日 MONEY CYCLE編集部が作成

1. SBI証券:質・量ともにトップレベルの品揃え

特徴

最大の魅力は、低コストで質の高い商品が厳選されている点です。

「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」のような王道のインデックスファンドはもちろん、「ひふみ年金」といった実績のあるアクティブファンドまで、幅広い選択肢が用意されています。商品の「量」だけでなく、一つひとつの「質」が高いのが特徴で、iDeCoで資産形成をする上で必要なツールがすべて揃っていると言えるでしょう。

初心者から経験者まで、あらゆる投資家のニーズに応える盤石のラインナップです。

こんな人におすすめ

低コストな王道ファンドで手堅く始めたい初心者の方には、最適な商品が揃っているため安心です。

それに加え、実績あるアクティブファンドなどもラインナップされているため、基本の運用に自分なりのアレンジを加えたい経験者まで、すべての方におすすめできます。

2. 楽天証券:わかりやすさと楽天経済圏

特徴

管理画面のわかりやすさには定評があり、資産の状況がグラフなどで視覚的に把握しやすく、掛金の配分変更といった手続きも迷うことなく進められるようシンプルに設計されています。

投資の知識がまだ少ない初心者の方でも、安心して自分の年金資産を管理できるのは大きなメリットです。

また、楽天銀行や楽天カードなど、楽天グループのサービスを普段から利用している方にとっては、ID管理がしやすく、操作感にも馴染みがあるため、スムーズにiDeCoを始められるでしょう。

こんな人におすすめ

投資が全く初めてで、難しい専門用語や複雑な操作に不安を感じる方。また、普段から楽天市場での買い物や楽天カードでの支払いが多く、楽天のサービスに慣れ親しんでいる方には特におすすめです。

資産管理を楽天グループでまとめたいと考える方にも最適でしょう。

3. 松井証券:豊富な低コスト商品とポイント還元

特徴

ネット証券の中でもトップクラスとなる40本の商品数を揃え、投資家の多様なニーズに応えます。

特筆すべきは、そのほとんどが信託報酬の低い優れたインデックスファンドで構成されている点です。これにより、単に選択肢が多いだけでなく、どの商品を選んでもコストを抑えた質の高い運用が期待できます。さらに、iDeCoの資産残高に応じて松井証券ポイントが貯まるのも他社にはない大きな魅力。これは実質的なリターンの上乗せとなり、長期的な資産形成を後押しします。

加えて、創業100年以上の歴史に裏打ちされた顧客サポートの評価も非常に高く、「ネット証券は初めてで不安」という方でも安心して相談できる体制が整っています。

こんな人におすすめ

「全世界株式」や「米国株式」といった王道のインデックスファンドを中心に据えつつも、他の資産(例えば債券や新興国株式)も組み合わせて自分なりのポートフォリオを構築したいと考えている方。

また、運用しながらポイントも貯めて、少しでもお得に資産形成を進めたい合理的な方にも最適です。

4. マネックス証券:ロボアドと専門家が商品選びから運用まで徹底サポート

特徴

簡単な質問にいくつか答えるだけで、自分のリスク許容度に合った商品の組み合わせを提案してくれる「iDeCoポートフォリオ診断」は、何から手をつけていいかわからない初心者にとって心強い味方です。

それに加え、チーフ・ストラテジストなど専門家による質の高いマーケットレポートが定期的に配信され、長期的な視点での資産形成に役立つ情報が豊富に得られます。

単に商品を選ぶだけでなく、投資の知識を深めながら運用を続けたい方にも適しています。

こんな人におすすめ

多くの選択肢の中から自分一人で商品を選ぶのに不安を感じる方。ロボアドバイザーや専門家の客観的な意見を参考に、納得して運用を始めたい人。

また、長期的な運用を続ける上で、信頼できる情報源から学びながら資産を育てていきたいと考える、知的好奇心旺盛な方にも最適です。

5. 三菱UFJ eスマート証券:Pontaポイント連携が魅力

特徴

最大の魅力は、対象ファンドの資産残高に応じてPontaポイントが毎月貯まる点です。

iDeCoの資産は長期にわたって積み上がっていくため、資産額が増えるほど毎月もらえるポイントも増えていくという、長期運用と非常に相性の良い仕組みになっています。

貯まったポイントはコンビニや提携店での買い物に使えるため、遠い将来のための投資が、日々の生活へのささやかな還元として実感できるのも嬉しいポイントです。

こんな人におすすめ

Pontaポイントを日常的に貯めて使っている方には、最も直接的なメリットがあります。

また、auのスマートフォンやauじぶん銀行など、関連サービスを利用している方であれば、資産管理を「au経済圏」で一元化でき、よりシメレスで便利な運用が可能になるため特におすすめです。

【要注意】iDeCo金融機関選びのよくある失敗例

失敗例
「いつも使っているから」という理由だけでメガバンクや地方銀行を選ぶ

身近な金融機関は安心感がありますが、運営管理手数料が有料だったり、商品ラインナップが高コストなものに偏っていたりするケースが多くあります。必ずネット証券と比較検討しましょう。

失敗例
商品の「数」だけで判断してしまい、コスト(信託報酬)を見ていない

商品数が多くても、信託報酬が高い商品ばかりでは意味がありません。重要なのは低コストな優良商品が揃っているかです。

失敗例
金融機関の選択を誤り、結果的に「元本確保型」しか選べなくなる

例えば、手数料の高い銀行などでiDeCoを始めると、そもそも低コストで魅力的な投資信託がラインナップにない場合があります。選択肢が限られているため、消去法的に「元本確保型」を選ばざるを得ない状況に陥ってしまうのです。

初心者でも簡単!iDeCoの始め方4ステップ

iDeCoを実際に始めるのは、あなたが思っているよりもずっと簡単です。基本的には、以下の4つのステップで進めていけば、誰でもスムーズにスタートできます。

STEP

加入資格と掛金の上限額を確認する

金融機関を選ぶ前に、まずはご自身がiDeCoに加入できるか、そして毎月いくらまで掛金を出せるのかを確認しましょう。本コンテンツの「そもそも誰が加入できるの?」の項で解説したように、加入には条件があり、立場によって上限額も異なります。多くの金融機関のウェブサイトでは、簡単な質問に答えるだけで加入資格と上限額をチェックできる便利な診断ツールが用意されているので、利用してみるのがおすすめです。

ウェルスアドバイザー「iDeCo加入者診断」

STEP

金融機関を選ぶ

iDeCoを始めるには、まず口座を開設する金融機関(証券会社や銀行など)を一つ選ぶ必要があります。選ぶ際の最も重要なポイントは「口座管理手数料の安さ」と「運用商品のラインナップの豊富さ」の2点です。特に毎月発生する口座管理手数料は、長期的に見ると大きなコスト差になります。特別な理由がなければ、手数料が安く、低コストで良質な商品が揃っているネット証券が初心者の方にはおすすめです。

STEP

申込み手続きを行う

利用したい金融機関を決めたら、その金融機関のWebサイトなどから口座開設を申し込みます。申込みには、一般的に以下の書類が必要になるので、あらかじめ準備しておくとスムーズです。

  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • 基礎年金番号がわかるもの(年金手帳、基礎年金番号通知書など)
  • 掛金の引落口座情報

会社員や公務員の方は、上記に加えて、勤務先に「事業主の証明書」という書類を記入・捺印してもらう必要があります。必要書類を揃えて金融機関に提出し、国民年金基金連合会の審査が完了すれば、無事に口座が開設されます。

STEP

掛金額と運用商品を決める

口座が開設されたら、いよいよ運用開始です。まずは、毎月の掛金額と、どの商品で運用していくかを決めます。掛金額は、決して無理のない、家計に負担のかからない範囲で設定しましょう。運用商品は、もし迷ったら、全世界の株式に低コストで分散投資できるインデックスファンドなどが、初心者の方には分かりやすく人気があります。

よくある質問(Q&A)

金融機関は後から変更できますか?

可能です。ただし、前述の通り手続きに時間と手間がかかるため、最初の選択が重要です。

銀行と証券会社、どちらで始めるべきですか?

運営管理手数料と商品ラインナップの観点から、SBI証券や楽天証券などのネット証券をおすすめします。

投資の知識が全くありません。それでも大丈夫ですか?

大丈夫です。iDeCoは多くの専門家が時間と手間をかけて開発した「投資信託」を通じて運用します。まずは全世界株式や米国株式(S&P500)に連動する低コストのインデックスファンド1本から始めるのが、シンプルで王道の方法です。

まとめ

iDeCoの金融機関選びは、「運営管理手数料0円」「低コストな商品ラインナップ」の2点を押さえることが最も重要です。

今回ご紹介したSBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券、三菱UFJ eスマート証券の5社は、いずれもこの条件を高いレベルでクリアしており、どの金融機関を選んでも大きな失敗はありません。

最後は、ご自身の投資スタイルや重視するポイント(商品の豊富さ、操作性、サポート、ポイント連携など)に合わせて、最適なパートナーを選びましょう。

未来の自分のために、今日からiDeCoを始める第一歩を踏み出しましょう。

iDeCoのココが知りたい

※本記事の内容は、執筆時2025年9月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。

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