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メディアで宇宙ビジネス関連銘柄が話題になり、「宇宙ETF」という言葉を耳にする機会が増えました。当メディアの別記事「個別株が怖い人のための『宇宙関連ETF・投資信託』入門」では、個別株の乱高下リスクを抑える手段としてETF(上場投資信託)が有効であること、そして宇宙ETFには大きく分けて「3つのタイプ」が存在することを解説しました。
しかし、実際に証券会社の画面を開いてみると、次のような疑問に直面するはずです。
「UFOやARKXといったティッカー(銘柄コード)が並んでいるが、具体的に何が違うのか?」
「同じ宇宙ETFでも、中身(構成銘柄)やコストにどれくらい差があるのか?」
一口に「宇宙ETF」と言っても、純粋なロケット企業ばかりを集めたものから、地上のテクノロジー企業や巨大な防衛企業を中心としたものまで、その中身・コスト・規模は全く異なります。
本記事では、この疑問に答えるべく、米国市場に上場している主要な宇宙関連ETF(UFO・ARKX・ITA)の実データを横断比較します。それぞれの具体的な特徴を把握し、ご自身のリスク許容度や「宇宙への投資イメージ」に最も合うものがどれなのかを判断するための材料としてご活用ください。
個別株が怖い人のための「宇宙関連ETF・投資信託」入門具体的な銘柄の比較に入る前に、各ETFを評価する上で不可欠な「3つの視点」を整理しておきましょう。これは当メディアの別記事で解説した「ETF選びの確認ポイント」を、実際の銘柄に当てはめるための軸となります。
同じ「宇宙」というテーマを掲げていても、この3つの視点で見比べると、各ETFの性格が全く異なることが見えてきます。
以下は、当メディアが観測対象としている主要な宇宙関連ETF(UFO、ARKX、ITA)の比較表です。
| 比較項目 | UFO | ARKX | ITA |
|---|---|---|---|
| 正式名称 | Procure Space ETF | ARK Space & Defense Innovation ETF | iShares U.S. Aerospace & Defense ETF |
| タイプ分類 | 宇宙特化(ピュアプレイ)型 | 宇宙+周辺テクノロジー(幅広)型 | 航空宇宙・防衛型 |
| 運用手法 | パッシブ(指数連動) | アクティブ(独自運用) | パッシブ(指数連動) |
| 主な構成銘柄の傾向 | ロケット新興、衛星・通信関連 | 宇宙関連+周辺テック、防衛関連 | 巨大な航空宇宙・防衛(軍需)大手 |
| 経費率※ | 0.75% | 0.75% | 0.37% |
| 純資産総額(AUM)※ | 約5.6億ドル | 約7.7億ドル | 約136.3億ドル(圧倒的に巨大) |
| 保有銘柄数※ | 65銘柄 | 39銘柄 | 54銘柄 |
| 宇宙純度 / ボラティリティ | 高 / 高 | 中 / 中 | 低(防衛色強) / 相対的に安定 |
※上記の数値(経費率や純資産総額など)は、2026年9月(執筆時点)の公開データに基づく概算値です。これらの数値や構成銘柄は随時変動するため、投資を検討する際は必ず各ETF提供元や証券会社の最新情報(目論見書など)をご自身で確認してください。
※出典:Investing.com
ここからは、各ETFの具体的な中身と特徴を深掘りしていきます。
| ティッカー | UFO |
|---|---|
| 運用手法 | パッシブ(指数連動) |
| 経費率※ | 0.75% |
| 純資産総額(AUM)※ | 約5.6億ドル |
| 保有銘柄数※ | 65銘柄 |
※数値は2026年9月(執筆時点)の概算値です。最新データは各ETF提供元でご確認ください。
※出典:Investing.com
UFOは、宇宙・衛星関連事業からの収益が一定割合以上を占める企業を組み入れるルールを持っています。ただし実際の上位には、測位・衛星通信・衛星放送といった宇宙インフラの実用サービス企業が多く、上位10銘柄で純資産の約半分を占めるなど、比較的集中度が高いのも特徴です。
※SpaceX(SPCX)の上場に伴い、同社株がどう組み入れられているかも要注目のポイントです。最新の構成銘柄は提供元(ProcureAM)のHoldingsページでご確認ください。
UFOは、そのキャッチーなティッカーシンボルが示す通り、宇宙・衛星関連ビジネスへの依存度が高い企業を集めた特化型ETFです。ただし「宇宙特化」といっても、その中身はロケット開発の新興企業ばかりではなく、上位には測位(GPS)・衛星通信・衛星放送といった、宇宙インフラを”実際に使ってビジネスにしている”企業が多く含まれるのが特徴です。
「宇宙ビジネスの成長」を最もダイレクトに享受できる反面、ロケット打ち上げの成否や業界特有のニュースに株価が連動しやすいため、ボラティリティ(価格変動)は非常に大きくなります。
「リスク(値動きの大きさ)を許容してでも、純粋な宇宙企業に集中して投資したい」という純度重視の方に向いているETFと言えます。
| ティッカー | ARKX |
|---|---|
| 運用手法 | アクティブ(独自運用) |
| 経費率※ | 0.75% |
| 純資産総額(AUM)※ | 約7.7億ドル |
| 保有銘柄数※ | 39銘柄 |
※数値は2026年9月(執筆時点)の概算値です。最新データは各ETF提供元でご確認ください。
※出典:Investing.com
破壊的イノベーションへの投資で知られる米ARK Invest社が、独自に銘柄を選定(アクティブ運用)しています。純粋な宇宙企業だけでなく、周辺テクノロジーや防衛関連企業も幅広く組み入れており、上位10銘柄への集中度は分散されている傾向にあります。
※アクティブ運用のため構成銘柄は頻繁に入れ替わります。最新の構成銘柄は提供元(ARK Invest)の公式サイトでご確認ください。
このETFはかつて「Space Exploration & Innovation ETF」という名称でしたが、2025年に「Defense(防衛)」という言葉が追加されました。これは、宇宙開発と防衛・安全保障の結びつきが強まっている市場環境を運用方針に反映させたものです。アクティブ運用のため経費率はパッシブ型より高めですが、当メディアの別記事で解説した「ETFでも中身や方針は変わる」という典型例です。
「純粋な宇宙企業だけではリスクが高すぎるため、周辺のテクノロジー企業や防衛・イノベーション領域も含めて、少しマイルドに宇宙テーマの成長を捉えたい」という方に向いています。
| ティッカー | ITA |
|---|---|
| 運用手法 | パッシブ(指数連動) |
| 経費率※ | 0.37% |
| 純資産総額(AUM)※ | 約136.3億ドル |
| 保有銘柄数※ | 54銘柄 |
※数値は2026年9月(執筆時点)の概算値です。最新データは各ETF提供元でご確認ください。
※出典:Investing.com
アメリカの巨大な防衛企業や民間航空機メーカーが上位を占めており、上位数社だけでファンドの純資産総額の大半を占める「集中度」の高さが特徴です。
※上記は執筆時点での上位銘柄の例です。最新の構成銘柄や比率は提供元(ブラックロック・iShares)の公式サイトでご確認ください。
ITAは、世界最大の資産運用会社ブラックロック社が運用する、伝統的な「航空宇宙・防衛(軍需)セクター」に投資するETFです。宇宙事業も手掛けてはいますが、企業全体の収益に占める割合は小さく、実態としては「防衛・航空機ETF」と言えます。
新興宇宙ベンチャーのニュースよりも、各国の国防予算の増減や地政学的な動向に強く影響を受けます。歴史ある巨大企業の集合体であるため、他の2つに比べると相対的に成熟しており、純資産総額も圧倒的に大きく安定志向の強い値動きをします。
「宇宙への投資というよりは、実績のある巨大な防衛・航空宇宙セクターに投資し、規模と流動性を重視したい」という安定志向の方に向いています。
ここまで3本のETFを比較してきましたが、これらに「どれが一番おすすめ(正解)か」という優劣はありません。重要なのは、「ご自身のリスク許容度」と「投資したい宇宙のイメージ」に合致しているかを見極めることです。
当メディアの別記事(3つのタイプ分類)の考え方に立ち返り、この3本を「宇宙純度」と「安定性」の軸で並べ直すと、その適性が明確になります。
最後に、これらのETFを実際に購入(あるいは保有)する上で、絶対に見落としてはいけない注意点を3つお伝えします。
本記事では、主要な宇宙関連ETF(UFO・ARKX・ITA)の具体的な中身と特徴を横断比較しました。
「宇宙ETF」という同じパッケージに見えても、その中身と性格は大きく異なります。名前に惹かれて安易に買うのではなく、中身(データ)を冷静に比較し、ご自身の投資スタンスに合うものを選ぶことが、テーマ株投資の第一歩です。
個別株が怖い人のための「宇宙関連ETF・投資信託」入門 【毎月更新】MONEY CYCLE 宇宙定点観測録:主要な宇宙関連ETFのパフォーマンス比較 新NISA(成長投資枠)との相性は?テーマ型ファンドの基礎とサテライト戦略の考え方本記事は、主要な宇宙関連ETFの特徴や過去のデータ・運用方針を客観的に比較・解説したものであり、特定の金融商品の購入を推奨・勧誘するものではありません。金融商品の価格、経費率、構成銘柄等の情報は常に変動します。過去のパフォーマンスは将来の運用成果を保証するものではありません。投資にあたっては、必ず最新の目論見書や証券会社の情報をご確認いただき、最終的な判断はご自身のリスク許容度に基づいて、自己責任において行ってください。
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