FIRE達成に必要な金額はいくら?【達成額の目安、計算方法、資産運用、注意点まで徹底解説】
FIRE(Financial Independence, Retire Early)って、なんかキラキラしてて憧れちゃいますよね!でも、実際に早期退職するためには、一体いくら必要なの?って疑問が湧いてくるのも当然です。
この記事では、FIRE達成額に関する調査データやFIRE達成に必要な資産額の計算方法、FIRE後の資産運用戦略まで解説していきます。
この記事を読めば、FIRE達成に向けた具体的なイメージが湧き、あなた自身のFIREプランを立てるための第一歩を踏み出せるはずです!ぜひ最後まで読んでみてください。
FIREとは何か?
FIREは、「Financial Independence, Retire Early」の頭文字を取った言葉で、経済的自立と早期リタイアを組み合わせたライフスタイルを意味します。経済的自立とは、労働収入に頼らず、資産からの収入だけで生活できる状態を指します。
人生100年時代と言われる現代において、FIREは従来の「定年まで働く」という概念を覆し、資産運用や節約を通じて早期に経済的自由を手に入れ、自分らしい生き方を実現しようとするものです。
FIREムーブメントは、以下のような人々に特に人気があります。
- 会社勤めに縛られず、自分の人生を自由に生きたい人
- 好きなことを仕事にしたい、または趣味に没頭したい人
- ストレスの多い仕事から解放され、心身ともに健康な生活を送りたい人
- 家族や友人との時間を大切にしたい人
FIREと従来の早期退職の違い
FIREも従来の早期退職も、定年前に退職するという点では共通しています。
しかし、その後の生活資金の源泉が大きく異なります。従来の早期退職では退職金や貯蓄を切り崩して生活しますが、FIREでは資産運用による不労所得で生活を維持します。
つまり、FIREは資産を減らさずに生活できる可能性があるという点で、従来の早期退職とは一線を画すのです。
FIREのメリットとデメリット
FIREには、自由な時間や生活場所の選択など、多くのメリットがあります。
しかし、その一方で、高額な貯蓄が必要、予期せぬ支出への対応、年金受給額の減少、キャリアの中断といったデメリットも存在します。
FIREを目指す際は、これらのメリット・デメリットを十分に理解し、慎重に検討する必要があります。
メリット
- 時間や場所に縛られない自由な生活を送れる
- お金に関する知識や感覚が身につき、お金の使い方が上手くなる
- ストレスから解放され、心身ともに健康な生活を送れる
デメリット
- リタイア後の孤独感や喪失感に悩まされる可能性がある
- 社会との繋がりが薄れ、情報収集能力やコミュニケーション能力が低下する可能性がある
- 資産運用の失敗やインフレなど、経済的なリスクがある
FIRE達成のための具体的なステップ
FIREを達成するためには、以下のステップを踏む必要があります。
1. 明確な目標を設定する
いつまでに、どれくらいの資産を築けば早期リタイアできるのか、具体的な目標を設定しましょう。FIRE達成後の生活費や、予想されるインフレ率なども考慮に入れる必要があります。
2. 支出を削減する
無駄な支出を洗い出し、徹底的に削減しましょう。固定費の見直しや、節約術の実践が有効です。
3. 収入を増やす
給与アップを目指す、副業を始める、スキルアップをして転職するなど、収入を増やす方法を模索しましょう。
4. 資産を運用する
投資信託、株式、不動産など、リスク許容度に合わせて資産運用を行いましょう。長期的な視点で、複利効果を活用することが重要です。
5. FIRE後の生活設計をする
FIRE達成後の生活費、住居、健康保険など、具体的な生活設計を立てましょう。FIRE後の収入源についても検討が必要です。
FIRE達成のための目標金額は?
FIRE達成に必要な資産額は、人によって大きく異なります。それは、退職後の生活水準によって必要な生活費が異なるからです。
例えば、質素な生活で満足できる人は、FIRE達成に必要な資産額は少なくて済みます。一方、贅沢な生活をしたい人は、より多くの資産が必要になります。
調査データから見る、FIRE達成者のボリュームゾーンは?
マネーFixの調査によると、FIRE達成者のボリュームゾーンは3,000万円〜6,000万円だそうです。中には2,000万円〜2,500万円程度でサイドFIREする人もいます。
FIRE達成に必要な資産額は、あなたの年間支出と安全な資産取り崩し率によって決まります。一般的に、年間支出の25倍の資産があればFIREを達成できると言われています。これは、4%ルールに基づいた考え方です。
4%ルールとは?
4%ルールとは、資産額の4%以内で生活費を賄えば、資産が目減りすることなく生活できるという考え方です。これは、年間支出の25倍の資産を保有していれば、年利4%の運用益で生活費を賄えるということです。
例えば、年間支出が300万円(月間25万円)の場合、4%ルールに当てはめると、FIREに必要な資産額は7,500万円(300万円×25倍)となります。
これは、米国株式市場の長期的な平均リターンとインフレ率を考慮して算出されたもので、資産が枯渇するリスクを低く抑えながら、安定的に生活費を引き出せることを目指しています
4%ルールは、アメリカの経済状況を前提にした考え方のためあくまでも目安です。日本のインフレ率に置き換えた場合、5%ルールでもよいという意見もありますが、インフレ率や運用利回り、ライフイベントなどを考慮して、より安全な資産取り崩し率を設定することが重要です。
FIRE達成額の計算方法
FIRE達成額を計算する際には、以下の要素を考慮する必要があります。
- 年間支出
家賃、食費、光熱費、通信費、娯楽費、保険料、税金など、年間で必要な生活費の合計です。 - インフレ率
物価上昇率のことです。将来の生活費を見積もる際に考慮する必要があります。 - 運用利回り
資産運用によって得られる利益率のことです。運用利回りが高いほど、必要な資産額は少なくなります。 - 安全な資産取り崩し率
資産を枯渇させることなく生活を続けるために、年間で取り崩しても良い資産の割合です。 - ライフイベント
結婚、出産、子供の教育、住宅購入、介護など、将来発生する可能性のあるイベントです。これらのイベントに備えて、追加の資金が必要になる場合があります。
これらの要素を考慮して、あなたにとって最適なFIRE達成額を計算しましょう。
FIRE達成のための資産運用方法
FIRE達成のためには、長期的な視点で安定的に資産を増やすことが重要です。以下に、おすすめの資産運用方法を紹介します。
- インデックス投資
市場平均に連動する投資信託で、長期的に安定したリターンが期待できます。 - 高配当株投資
配当金を安定的に受け取れる株式への投資です。インカムゲインを得ながら資産を増やすことができます。 - 不動産投資
家賃収入を得ながら資産を増やすことができます。 - 個人向け国債
安全性の高い投資です。
これらの投資方法を組み合わせて、リスク分散をしながら資産を増やしていきましょう。
サイドFIREかフルFIREかでも必要な資産額は異なる
FIRE達成に必要な資産額を貯めるのは難しいと感じる人もいるでしょう。そんな人には、「サイドFIRE」という選択肢もあります。
サイドFIREとは、完全に仕事を辞めるのではなく、生活費の一部を労働収入で補うというスタイルです。例えば、労働時間の短いパートタイムで働く、好きな仕事に移行するなど、週に数日だけ働きながらFIRE生活を送ることも可能です。
サイドFIREであれば、FIRE達成に必要な資産額を下げることができるため、より現実的な目標となります。サイドFIREなら2,000万円〜2,500万円でも可能ですが、フルFIREならより多くの資金が必要です。
サイドFIREは、FIRE達成までのハードルを下げ、より現実的な選択肢となるでしょう。
投資家「ぽんちよ」さんの事例に見る、早期退職の決断基準
FIRE達成額と生活費
ぽんちよさんは、7,000万円で早期退職したようです。地方在住でミニマムな生活を送っていたため、生活費は月15万円程度。4%ルールなら4,500万円でFIREが可能でしたが、より安全な3%で計算し、6,000万円を目標にしたとのことです。
退職の決め手となったのは?
退職のタイミングは、会社の配置転換がきっかけだったようです。明確な計画があったわけではないようですが、いつでも辞められる状態を維持していたとのことでした。
FIRE達成に向けた準備は?
ぽんちよさんは、支出を徹底的に見直し、収入の7割以上を貯蓄に回したようです。また、投資にも積極的に取り組み、資産を増やしていったとのことです。
FIRE前にやっておくべきことは?
- 社会的信用の確保
クレジットカードは、会社員時代に作っておくことをおすすめされています。
- ポートフォリオの見直し
FIRE前にポートフォリオを見直し、リスク許容度に合わせて調整しておくよう注意喚起されています。
- SBI証券の口座開設
外国税額控除の面で有利なので、SBI証券の口座開設をしておくことをおすすめされています。
FIREの積み立て・取り崩しシミュレーション
例)目標額5,000万円、30歳からFIREを目指す場合の毎月の積立額は?
FIRE達成年齢 | 毎月の積立額 想定利回り4%(年率) | 毎月の積立額 想定利回り6%(年率) | 毎月の積立額 想定利回り8%(年率) |
---|---|---|---|
40歳(10年) | 339,560円 | 305,103円 | 273,305円 |
45歳(15年) | 203,178円 | 171,929円 | 144,493円 |
50歳(20年) | 136,324円 | 108,216円 | 84,887円 |
55歳(25年) | 97,252円 | 72,151円 | 52,575円 |
例)資産5,000万円、90歳まで生活する場合の毎月の取り崩し額は?
FIRE達成年齢 | 毎月の取り崩し額 想定利回り4%(年率) | 毎月の取り崩し額 想定利回り6%(年率) | 毎月の取り崩し額 想定利回り8%(年率) |
---|---|---|---|
40歳から90歳(50年) | 190,491円 | 257,348円 | 328,710円 |
45歳から90歳(45年) | 197,498円 | 262,444円 | 332,105円 |
50歳から90歳(40年) | 206,750円 | 269,587円 | 337,224円 |
55歳から90歳(35年) | 219,247円 | 279,778円 | 345,037円 |
FIRE達成後について
FIRE後のポートフォリオ戦略:暴落に強い資産形成を
FIRE達成後も、資産は勝手に増え続けるのが理想的です。しかし、暴落時には資産がマイナスになる可能性もあります。
下落相場でも配当金を減らさない高配当株や、債券を含んだバランスファンドなど、暴落に強いポートフォリオを構築しましょう。前述のぽんちよさんは、VYMやSBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンドなどを保有しているそうです。
FIRE達成後のライフスタイル
FIRE達成後は、時間的にも経済的にも自由な生活を送ることができます。
- 趣味に没頭する
- 旅行を楽しむ
- ボランティア活動に参加する
- 新しいスキルを学ぶ
- 起業に挑戦する
- 家族や友人との時間を大切にする
FIRE後のライフスタイルは、人それぞれです。自分にとって本当に大切なことは何か、じっくりと考えてみましょう。
FIRE達成のための注意点
FIREを目指す上で、注意しておきたい点がいくつかあります。FIREを目指す上では、いくつかの落とし穴があります。これらの落とし穴に注意して、FIRE達成を成功させましょう。
- 過度な節約は禁物
FIRE達成のために過度な節約をしてしまうと、生活の質が低下したり、ストレスや健康への悪影響を招く可能性があります。無理のない範囲で、楽しみながら節約を続けましょう。
- リスク管理を徹底する
投資や資産運用にはリスクが伴います。FIRE達成を焦って、リスクの高い投資に手を出してしまうと、大きな損失を被る可能性があります。十分な知識を身につけ、長期的な視点でリスク分散をしながら資産運用を行いましょう。
- ライフイベントへの備え不足
結婚、出産、子供の教育、住宅購入、介護など、将来発生する可能性のあるイベントに備えて、十分な資金を確保しておく必要があります。
- 社会との繋がりの喪失
FIRE後は、仕事を通じて得られていた社会との繋がりが失われる可能性があります。趣味やボランティア活動などを通じて、積極的に社会と関わりを持つようにしましょう。
- FIRE後の収入源を確保する
FIRE達成後も、収入源を確保しておくことが重要です。副業、配当収入、不動産収入などを検討しましょう。
- FIRE後の生活設計の甘さ
FIRE後は、時間を持て余してしまう可能性があります。FIRE後の生活を充実させるために、具体的な計画を立てておきましょう。
- 健康に気を配る
健康な体があってこそ、FIRE後の自由な生活を楽しむことができます。定期的な運動や健康診断を心がけましょう。
これらの落とし穴に注意して、FIRE達成後の生活もしっかりと設計しましょう。
まとめ|FIRE達成に向けた第一歩を踏み出そう!
FIRE達成には、経済状況、ライフスタイル、リスク許容度などを考慮し、自分にとって最適な資産額と資産運用方法を見つけることが重要です。FIRE後の生活も視野に入れ、計画的に準備を進めることで、経済的自由と早期退職を手に入れ、自分らしい人生を歩むことができるでしょう。
FIREは、自由なライフスタイルを実現するための手段の一つですが、決して簡単な道のりではありません。しかし、明確な目標を持ち、計画的に準備を進めることで、FIRE達成の可能性は高まります。
この記事が、あなたのFIRE達成に向けた第一歩を踏み出すためのお役に立てれば幸いです。
※本記事の内容は、執筆時2024年9月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。