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50代・60代のNISA運用、株高局面でリバランスが必要な理由と具体的な方法

毎日証券口座にログインするたびに、評価額が増えていく。嬉しい反面、どこか心の奥に不安がよぎる。「このまま投資を続けていいのだろうか」「もし急落したらどうしよう」。そんな気持ちを抱えている方は少なくないはずです。

特に50代・60代の方にとって、この不安には理由があります。20代や30代の若い投資家と違って、定年退職や年金生活への移行が目前に迫っています。つまり、資産を「増やす期間」から「使う期間」への転換点に差し掛かっているのです。

もし今、大きな暴落が来たらどうなるでしょうか。若い世代なら20年、30年とじっくり待てば回復するかもしれません。しかし、数年後には生活費として資産を取り崩し始める予定の方にとって、その時間的余裕はありません。

この記事では、株高局面だからこそ考えるべき「リバランス」という資産管理の手法について、詳しくお話しします。「積立投資は継続すべき」という一般論だけでなく、50代・60代ならではの視点から、積立の一時停止や一部売却が合理的な選択になる場合についても解説していきます。

CONTENTS

なぜ株高の今、立ち止まる必要があるのか

50代・60代と若年層の決定的な違い

投資の教科書には「長期・積立・分散」と書いてあります。確かにこれは正しい。しかし、すべての年代に等しく当てはまるわけではありません。

30歳の方を考えてみましょう。この方が今500万円を投資して、仮に株価が半分になったとします。痛手ではありますが、65歳まであと35年あります。歴史を振り返れば、これだけの期間があれば市場は回復し、さらに成長する可能性が高い。だからこそ、若い世代には「暴落しても淡々と積み立て続けなさい」というアドバイスが有効なのです。

一方で60歳の方はどうでしょうか。年金受給開始まであと5年。場合によっては、すでに退職金を運用している段階かもしれません。この方が同じように資産の半分を失ったら、回復を待つ時間が十分にあるとは言えません。介護費用や医療費など、予期せぬ出費が必要になる可能性もあります。

年代投資期間リスク許容度暴落時の対応リバランス頻度
30代30〜40年高い淡々と継続ほぼ不要
40代前半20〜30年やや高い基本は継続年1回程度
50代前半15〜20年中程度継続と調整年1回
50代後半10〜15年やや低い慎重に判断半年に1回
60代以降5〜10年低い守りを重視3〜4ヵ月に1回

時間は、投資における最大の武器です。しかしその武器の大きさは、年齢によって大きく異なるのです。

気づかないうちに増えるリスク

もう一つ、株高局面で起きがちな問題があります。それは、自分でも気づかないうちにリスクが高まっていくことです。

例を挙げましょう。2023年1月、Aさんは運用可能資金1,000万円を株式500万円、現金500万円で運用し始めました。株式比率は50%です。Aさんは「これなら暴落が来ても耐えられる」と考えていました。

それから2年が経ち、2025年2月。株式市場は好調で、Aさんの株式は60%値上がりして800万円になりました。現金は変わらず500万円。総資産は1,300万円に増えました。

嬉しいニュースです。しかし、ここに落とし穴があります。Aさんの株式比率は今や62%です。1円も追加投資していないのに、気づけば当初より12%もリスクの高い運用になっていたのです。

時点株式現金合計株式比率
2023年1月(開始時)500万円500万円1,000万円50%
2025年2月(株高後)800万円500万円1,300万円62%
変化+300万円±0万円+300万円+12%

ここで仮に株価が30%下落したらどうなるでしょう。株式比率50%なら資産全体で15%の損失で済みます。しかし62%の場合、損失は18.6%。金額にすると、前者が150万円、後者が242万円。約90万円もの差が生まれます。

この「知らず知らずのうちにリスクが高まる現象」は、株高の時期に特に起こりやすく、多くの投資家が見落としがちなポイントなのです。

資産運用の大前提:生活防衛資金の確保

リバランスの話に入る前に、どうしても確認しておきたいことがあります。それは「投資していいお金」と「投資してはいけないお金」の区別です。

よく「余剰資金で投資しましょう」と言われます。では、余剰資金とは何でしょうか。給料から生活費を引いた残り?それだけでは不十分です。

手を付けてはいけないお金

まず、絶対に投資してはいけないお金があります。

一つ目は緊急予備費です。突然の病気や失業、冠婚葬祭など、人生には予期せぬ出費がつきものです。これに備えるお金は、いつでも引き出せる預貯金として確保しておく必要があります。目安は生活費の6〜12ヵ月分。月30万円で暮らしているなら、180万〜360万円です。

二つ目は、近い将来使う予定のあるお金です。3年後にリフォームを考えている。こうした支出は、株式市場の都合に合わせて先延ばしにできません。必要な時に必要な金額が用意できるよう、これも預貯金で持っておくべきです。

三つ目は、家族に関わる支出です。子どもの結婚援助、孫への教育資金援助、あるいは親の介護費用。これらは金額も時期も予測が難しいものですが、ある程度の備えは必要でしょう。

資産を3つの層に分ける

効果的な資産管理のために、お金を3つに分類することをお勧めします。

目的置き場所金額の目安リバランス対象
第1層緊急時の備え普通預金・定期預金生活費の6〜12ヵ月分対象外
第2層確実な支出への備え定期預金・個人向け国債3〜5年以内の予定支出対象外
第3層老後資金の形成NISA・株式・投資信託第1層・第2層を除いた残り対象

第1層は生活防衛資金です。緊急時の備えとして、普通預金や定期預金で持ちます。金額は生活費の6〜12ヵ月分。これは「守りの最前線」です。

第2層は使用予定資金です。3〜5年以内に使う予定のあるお金を、定期預金や個人向け国債などで管理します。リフォーム、車の買い替え、家電の更新など、具体的な予定がある支出はここに入ります。

第3層が運用可能資金です。第1層と第2層を確保した上で、残ったお金。これを株式と現金に配分していくわけです。

大切なのは、リバランスで調整するのはあくまで第3層の中の話だということです。第1層・第2層のお金は、どれだけ株価が上がっても、決して投資に回してはいけません。

見落としがちな落とし穴

ここで、よくある間違いを一つ紹介しましょう。

58歳のBさんは、総資産3,000万円を「株式1,800万円、現金1,200万円」で運用していました。株式比率は60%。「バランスが取れている」とBさんは考えていました。

しかし、よく見ると違いました。3,000万円のうち、生活防衛資金として360万円、2年後のリフォーム資金として500万円が必要でした。つまり、本当の運用可能資金は2,140万円だったのです。

計算方法株式現金合計株式比率評価
誤った計算(総資産ベース)1,800万円1,200万円3,000万円60%一見バランス良好
正しい計算(運用可能資金ベース)1,800万円340万円2,140万円84%高リスク!

※正しい計算では、現金1,200万円から生活防衛資金360万円とリフォーム資金500万円を除外

この2,140万円の中での株式1,800万円は、実に84%を占めます。Bさんは自分で思っているよりずっと高いリスクを取っていたのです。

総資産で計算するのではなく、運用可能資金の中での比率を見る。これが正しいリスク管理の第一歩です。

リバランスの2つの実践方法

資産配分を理想的な状態に戻す方法は、大きく分けて2つあります。

項目方法①:株式の一部売却方法②:積立の一時停止
向いている人運用額1,000万円以上運用額500万円未満
運用歴3年以上1〜3年程度
年齢目安60歳以上50代前半
効果が出る速さすぐ(数日)ゆっくり(1〜2年)
心理的負担やや高い(売却への抵抗)低い(何もしないだけ)
メリット即座にリスク低減手間がかからない
デメリット上昇機会を逃す可能性時間がかかる
こんな時に数年以内に資産を使う予定時間的余裕がある

方法①:保有株式の一部を売却する

一つ目は、増えすぎた株式を売って現金に戻す方法です。

この方法が向いているのは、すでにある程度の運用額がある方です。例えば株式の評価額が1,000万円を超えているような場合、毎月の積立額を調整するだけでは比率を戻すのに何年もかかってしまいます。そんな時は、思い切って一部を売却することで、素早くリスクを下げることができます。

具体例を見てみましょう。運用可能資金1,500万円のうち、株式が1,200万円(80%)、現金が300万円(20%)になっているとします。目標を株式50%、現金50%にしたい場合、株式を450万円分売却すれば一気に目標に近づけます。

ただし、気をつけたいのは心理面です。「せっかく増えたのに売るのはもったいない」という気持ちが湧くのは自然なことです。また、売った後も株価が上がり続けると「売らなければよかった」と後悔するかもしれません。

それでも、リスク管理という観点から考えれば、利益が出ている今こそ売却の好機です。株価が下がってから慌てて売るより、余裕のある時に計画的に売る方がずっと賢明です。

方法②:新規投資を一時停止する

二つ目は、新しい投資を止めて、その分を現金として貯めていく方法です。

これは、まだ運用を始めたばかりの方、あるいは売却に心理的抵抗がある方に向いています。毎月5万円の積立を停止すれば、1年で60万円、2年で120万円の現金が増えます。株式の評価額が横ばいなら、自然と株式比率が下がっていくわけです。

例えば、運用可能資金600万円のうち、株式420万円(70%)、現金180万円(30%)という状況を考えましょう。目標を株式50%、現金50%にしたいなら、現金を120万円増やす必要があります。月5万円の積立を止めれば、単純計算で2年で達成できます(実際は株価の変動があるので前後します)。

時点株式現金合計株式比率
開始時(積立停止前)420万円180万円600万円70%
6ヵ月後(月5万円貯蓄)420万円210万円630万円67%
12ヵ月後420万円240万円660万円64%
18ヵ月後420万円270万円690万円61%
24ヵ月後420万円300万円720万円58%

※株価が横ばいと仮定した場合のシミュレーション

この方法のメリットは、売却の手間がかからないこと、そして保有している株式の成長機会を失わないことです。デメリットは、効果が出るまで時間がかかることと、その間にさらに株価が上がると調整が遅れることです。

実は、この2つの方法を組み合わせることもできます。例えば200万円分を売却して一気に比率を改善し、同時に積立も停止してさらなる調整を図る。運用額が500万〜1,000万円くらいの方には、こうした柔軟なアプローチも効果的です。

どちらを選ぶべきか

判断のポイントは、運用額と時間的余裕です。

運用額が大きく(1,000万円以上)、数年以内に資産を使い始める予定がある方は、売却を検討する価値があります。一方、運用歴が浅く金額も小さい(500万円未満)方、あるいは60歳未満でまだ時間的余裕がある方は、積立停止から始めてみるのがいいでしょう。

大切なのは、どちらが正解ということではなく、自分の状況に合った方法を選ぶことです。

「積立投資は継続すべき」という常識を疑う

投資を勉強すると、必ず出てくる言葉があります。「長期・積立・分散」。そして「一度始めたら、どんな時も続けなさい」というアドバイス。

確かに、これは正しい。しかし、本当にすべての人に、すべての状況で当てはまるのでしょうか。

年齢によって変わる最適戦略

30歳の方にとって、積立投資を止めないことは鉄則です。なぜなら、時間という最強の武器があるからです。株価が半分になっても、35年かけて回復を待てます。むしろ暴落は買い増しのチャンスとさえ言えます。

しかし60歳の方はどうでしょう。65歳から年金生活が始まります。場合によっては、すでに定年を迎えて給与収入がなくなっているかもしれません。株価が半分になって、回復に10年かかるとしたら?その間、生活費はどうするのでしょう。

年齢によって、取るべき戦略は変わります。20代・30代なら「ひたすら積立継続」。40代なら「基本は継続、状況を見て調整」。50代後半から60代は「継続と守りの両立」。そして60代後半以降は「守りを重視」。

画一的なアドバイスではなく、自分のライフステージに合った判断が必要なのです。

予測ではなく、リスク管理として止める

ここで誤解しないでいただきたいのは、「株価が高いから下がりそうだ」という予測で止めるのではない、ということです。

株価の未来を予測することは、プロでも不可能です。「そろそろ下がりそうだから」「ニュースで不安な情報を見たから」。こうした理由で投資をやめるのは、単なる勘に頼ったタイミング投資で、失敗する可能性が高い。

そうではなく、「資産配分が目標から大きく乖離しているから」「自分のリスク許容度を超えているから」という客観的な理由で調整するのです。これはリスク管理であり、資産運用の王道です。

例えば、当初は株式50%、現金50%で始めたのに、株高で株式が80%になっている。これは事実です。予測ではありません。この事実に基づいて、バランスを元に戻す。それがリバランスです。

積立継続が逆効果になる時

場合によっては、積立を続けることがかえってマイナスになることもあります。

すでに株式比率が目標を大きく超えているのに、さらに株式を買い増す。これは目標から遠ざかる行為です。

あるいは、3年後に退職金の一部を使う予定があるのに、リスク資産を増やし続ける。暴落が来たら、最悪のタイミングで売却を余儀なくされるかもしれません。

さらに、夜も眠れないほど株価が気になっているのに、「続けなければ」という義務感で投資を続ける。これは精神衛生上、よくありません。ストレスが健康を害するリスクさえあります。

投資の目的は、お金を増やすことだけではありません。安心して生活するための手段です。その本来の目的を見失ってはいけません。

心の余裕こそ、投資成功の鍵

投資で最も怖いのは、実は市場の暴落ではありません。暴落時に自分がパニックになって、全てを投げ出してしまうことです。

人は損失に驚くほど弱い

行動経済学の研究で明らかになっていることがあります。人間は、利益を得る喜びよりも、損失を被る苦痛を2倍以上強く感じるのです。

株高の時、資産が1,000万円から1,200万円に増えた。「嬉しいけど、まあこんなものか」。そして、「半分になっても大丈夫」と冷静に考えている。

ところが実際に暴落が来て、1,200万円が800万円になったらどうでしょう。400万円も減った。冷静ではいられません。「このままでは老後資金が足りなくなる」「今すぐ全部売ってしまおう」。パニックに陥ります。

平常時の冷静な判断と、暴落時の感情的な反応。この間には、想像以上の大きな隔たりがあるのです。

リバランスは心の保険

リバランスで現金比率を高めておくことは、将来の暴落時に「慌てて売らなくて済む」ための保険です。

具体的に見てみましょう。

状況株式(暴落前)現金合計暴落後の株式暴落後の合計損失額心理状態
リバランスなし(株式比率80%)1,200万円300万円1,500万円720万円1,020万円480万円😱耐えられない
リバランスあり(株式比率50%)750万円750万円1,500万円450万円1,200万円300万円😌現金があるから大丈夫
180万円

※株価40%下落を想定

リバランスをしていない人。株式1,200万円、現金300万円。株式比率80%。ここで株価が40%下落すると、株式は720万円になります。総資産は1,020万円。480万円の損失です。

一方、あらかじめリバランスをしていた人。株式750万円、現金750万円。株式比率50%。同じ40%の下落でも、株式は450万円。総資産は1,200万円。損失は300万円で済みます。

金額的な違いも大きいですが、もっと重要なのは心理的な違いです。前者は「480万円も減った!耐えられない!」となりますが、後者は「300万円の損失は痛いが、現金が750万円あるから大丈夫」と思えます。

この心理的な余裕の差が、その後の行動を大きく左右します。

実際に起きたこと

2020年のコロナショック。ある62歳の男性は、退職金2,000万円を投資信託で運用していました。株式比率は80%。つまり1,600万円が株式でした。

3月、株価が30%下落。株式は1,120万円に。総資産は1,520万円。480万円の損失です。

男性はパニックになりました。「これ以上減ったら生活できない」。そして、株式を全額売却してしまったのです。

その後、市場は急回復しました。しかし、男性の資産は回復しませんでした。なぜなら、もう株式を持っていなかったからです。

もし男性が株式比率50%にリバランスしていたら、どうだったでしょう。損失は300万円に抑えられ、現金に余裕があったため、パニックにならずに保有を続けられたかもしれません。そして、その後の回復の恩恵を受けられたはずです。

一方で、別の58歳の女性の話もあります。彼女は2019年末に株高を感じ、株式1,200万円の一部を売却しました。株式800万円、現金800万円。株式比率50%です。

人物事前のリバランス株式比率コロナショック時の対応結果
Bさん(62歳男性)なし80%パニック売り回復の恩恵を受けられず
Cさん(58歳女性)あり50%冷静に保有継続完全回復+さらに増加

2020年3月、コロナショックが来ました。女性の株式は560万円に。しかし、現金が800万円ありました。総資産は1,360万円。

女性は慌てませんでした。現金があるから大丈夫。そう思って保有を続けました。その後の回復で、資産は元の水準を超えました。

この2人の違いは何だったのでしょうか。投資の知識?運?いいえ、違います。リバランスをしていたかどうか。ただそれだけです。

実践のための具体的ステップ

理屈はわかった。では、実際にどう始めればいいのか。段階を追って説明します。

まずは現状を把握する

何事も、現状を知ることから始まります。紙でもスプレッドシートでも構いません。自分の資産状況を書き出してみてください。

生活防衛資金と使用予定資金を除いた運用可能資金がいくらあるのか。そのうち株式がいくらで、現金がいくらか。株式比率は何%か。

例えばこんな感じです。

運用可能資金:1,300万円
– 株式:1,000万円(77%)
– 現金:300万円(23%)
目標:株式50%、現金50%
必要な調整:株式を350万円分売却、または積立停止で調整

数字にすると、漠然とした不安が具体的な課題に変わります。

自分のリスク許容度を知る

「株式比率は何%が適切か」。これに万人共通の正解はありません。年齢、資産額、性格によって違います。

一般的な目安としては、50代前半なら株式50%前後、50代後半なら40〜50%、60代前半なら40%前後といったところでしょう。しかし、最も重要なのは数字ではありません。

年代積極的バランス型保守的
50代前半株式60〜70%株式50〜60%株式40〜50%
50代後半株式50〜60%株式40〜50%株式30〜40%
60代前半株式40〜50%株式30〜40%株式20〜30%
60代後半株式30〜40%株式20〜30%株式10〜20%

夜ぐっすり眠れるかどうか。それが本当の基準です。

株価が気になって夜も眠れない。朝起きるとすぐにスマホで相場をチェックしてしまう。こんな状態なら、それはリスクを取りすぎている証拠です。比率を下げるべきでしょう。

逆に、多少の値動きなら平気。暴落が来ても「長期で見れば大丈夫」と思える。そういう方なら、もう少し高い比率でも問題ないかもしれません。

大切なのは、自分の心と正直に向き合うことです。

実際にリバランスする

目標が決まったら、実行します。ただし、一気に変える必要はありません。

例えば株式比率を75%から50%に下げたいなら、3〜6ヵ月かけて段階的に調整するのがいいでしょう。3月に100万円売却して68%に。6月にさらに100万円売却して60%に。9月に最後の調整で50%に。こんな感じです。

急激な変化は、心理的な負担が大きい。ゆっくり、着実に、が成功の秘訣です。

定期的にチェックする習慣をつける

リバランスは一度やって終わりではありません。株価は常に動いていますから、時間が経てばまたバランスが崩れます。

だからといって、毎日チェックする必要はありません。むしろ、それは精神衛生上よくない。

年代チェック頻度再調整の目安
50代前半年1回(例:毎年1月)目標比率から±10%以上ずれた時
50代後半半年に1回(例:1月・7月)目標比率から±10%以上ずれた時
60代以降3〜4ヵ月に1回目標比率から±10%以上ずれた時

50代前半なら年1回、50代後半なら半年に1回、60代以降なら3〜4ヵ月に1回。この程度で十分です。カレンダーに「資産チェックの日」を書き込んでおくといいでしょう。

そして、目標比率から10%以上ズレていたら調整する。それくらいのゆったりした感覚で構いません。

よくある疑問に答えます

リバランスのタイミングはいつがベストですか?

絶対的なベストタイミングはありません。大切なのは、目標から大きくズレた時に調整することです。株価の予測をしようとせず、機械的に実行するのが成功の秘訣です。

NISA口座で売却すると損ではないですか?

売却してもその年の投資枠は戻りませんが、それでもリスク管理のための売却は合理的な判断です。枠を使い切ることよりも、適切なリスクを取ることの方が重要です。

積立を停止したら、ドルコスト平均法の効果が失われませんか?

確かに一時的には失われます。しかし、50代・60代では「買い続けること」より「適切なリスクを取ること」が優先される状況もあります。

税金はどうなりますか?

NISA口座での売却は非課税です。特定口座での売却は、利益に対して約20%の税金がかかります。ただし、リスク管理のための売却であれば、税金を払ってでも実行する価値があります。

株価が下がった時はどうすればいいですか?

株価が大きく下がって株式比率が目標より低くなったら、今度は逆に買い増しを検討しましょう。ただし、精神的に耐えられる範囲で行うことが大切です。

まとめ:守りながら攻める、50代・60代の資産運用

ここまで、株高局面におけるリバランスの重要性について話してきました。最後に、要点をまとめておきます。

忘れてはいけない3つのこと

一つ目。株高の今だからこそ、自分の資産配分を見直す。知らず知らずのうちに株式比率が高くなっていないか。暴落が来たら耐えられるか。冷静にチェックしてみてください。

二つ目。投資していいお金と投資してはいけないお金を、はっきり分ける。生活防衛資金と近い将来の使用予定資金は、絶対に投資に回さない。運用可能資金の中だけで株式と現金の配分を考える。

三つ目。年齢によって最適な戦略は違う。20代・30代なら「ひたすら積立継続」でいい。でも50代・60代は違います。出口が近いからこそ、リスク管理を優先する。それが正しい判断です。

今日からできること

難しく考える必要はありません。まず、紙とペンを用意してください。そして、自分の資産状況を書き出してみる。運用可能資金がいくらで、そのうち株式がいくら、現金がいくら。比率は何%か。

それを見て、どう感じるか。安心できるか、不安になるか。その感覚が、あなたにとっての正しいリスク許容度を教えてくれます。

もし不安を感じたなら、それが行動のサインです。リバランスを検討してください。一部を売却するか、積立を一時停止するか。自分に合った方法を選んでください。

投資の本当の目的

最後に、もう一度確認しておきたいことがあります。

投資の目的は、お金を増やすことだけではありません。安心して老後を過ごすための手段です。

資産が増えても、毎日株価が気になって夜も眠れないなら、それは成功とは言えません。少し利益を確定してリスクを下げ、心穏やかに過ごせる。それも立派な成功です。

大切なのは、長く市場に留まり続けること。そのためには、自分が無理なく続けられるリスク水準を見つけることが何より重要です。

株高の今、適切なリバランスを行う。それは臆病な選択ではなく、戦略的な判断です。10年後、20年後に「あの時の判断は正しかった」と思える日が、きっと来るはずです。

※本記事の内容は、執筆時2026年2月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。

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