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30代。仕事にも慣れ、キャリアアップを目指したり、結婚や出産、マイホーム購入といった大きなライフイベントを経験したりと、人生が大きく動き出すエキサイティングな時期ですよね。しかしその一方で、「このままで将来のお金は大丈夫だろうか…?」「老後2,000万円問題とか聞くけど、自分も何か始めなきゃ…」そんな漠然とした不安を感じ始めている方も多いのではないでしょうか。
「資産形成」という言葉は知っていても、「何から手をつければいいの?」「投資って難しそうだし、時間もない…」と、なかなか一歩を踏み出せないでいるかもしれません。
でも、ご安心ください。30代は、資産形成をスタートするのに絶好のタイミングです。まだ若く、将来までの時間という最大の武器を活かせますし、20代の頃よりも収入が安定し、ある程度の判断力も身についているはずです。
この記事では、そんな30代のあなたが、将来のお金の不安を解消し、豊かな未来を手に入れるための「無理なくできる資産形成術」を徹底解説します。資産形成の基本から、具体的な目標設定、そして税制優遇が魅力の新NISAやiDeCoの効果的な活用法、さらには忙しい30代でも続けられるヒントまで、分かりやすく具体的にお伝えします。
「お金のことは苦手…」というあなたも、この記事を読み終える頃には、「よし、明日から始めてみよう!」と前向きな気持ちになっているはずです。
40代の人はこちらの記事をご覧ください

ハナコ30代で資産形成って、本当にそんなに急いでやる必要がありますか?



はい、重要です。人生100年時代で老後が長くなり、公的年金だけでは生活が厳しくなる可能性が高いからです。また、30代は結婚・出産・住宅購入など大きな支出も控えています。物価上昇リスクも考えると、早期からの計画的な準備が将来の安心に直結します。
30代はキャリアやプライベートが充実し始める一方で、将来への漠然とした不安が現実味を帯びてくる時期でもあります。「老後2,000万円問題」という言葉を耳にし、自分の将来の資金繰りに真剣に向き合い始めた方も少なくないでしょう。しかし、心配なのは老後だけではありません。マイホームの頭金、子どもの教育費、万が一の病気やケガへの備えなど、人生には様々な局面でお金が必要になります。
かつてのように「会社に勤めていれば安泰」「年金があれば老後は大丈夫」とは言いにくい時代になりました。私たちは、「人生100年時代」という言葉に象徴されるように、より長いセカンドライフを送る可能性が高まっています。それは、生活費がより長期間必要になることを意味します。同時に、公的年金は少子高齢化の影響で、将来の給付水準が実質的に目減りする可能性も指摘されています。さらに、長引く低金利でお金がほとんど増えない中、近年では物価上昇(インフレ)によって現金の価値が下がっていくリスクも現実のものとなっています。これらに加え、30代は結婚、出産、住宅購入といったライフイベントが集中し、計画的な準備が不可欠です。これらの複合的な要因が、私たちの「お金の不安」の正体なのです。
これらの「お金を取り巻く不安」を解消し、将来の経済的な安心を手に入れるための最も有効な手段が、「資産形成」なのです。単に貯蓄するだけでなく、計画的に資産を増やしていくことが、30代のあなたにとって非常に重要な課題と言えるでしょう。





30代から資産形成を始めるメリットって何ですか?



①まだ20~30年以上の「長い運用期間」を取れるため複利効果を最大限に活かせる、②20代より「収入が安定・増加」している場合が多く積立額を確保しやすい、③ある程度の「社会経験と判断力」が身についている、という3つの大きな強みがあります。
「もう30代だから遅いのでは…」なんて思っていませんか?とんでもない!実は、30代は資産形成を始める上で、非常に有利な「武器」をいくつも持っているのです。
資産形成において、最も強力な味方の一つが「時間」です。30代であれば、老後までまだ20年、30年、あるいはそれ以上の時間があります。この長い期間を活かすことで、「複利(ふくり)」という魔法のような効果を最大限に享受できるのです。
複利とは、投資で得た利益(利息や分配金など)を元本に加えて再投資し、その合計額に対してさらに次の利益が計算される仕組みのこと。雪だるまが転がりながら大きくなっていくように、時間が経てば経つほど資産が加速度的に増えていく効果があります。例えば、毎月30,000円を年利5%で積み立てた場合、20年後には約1,000万円になりますが、30年後には約2,000万円と、単に期間が1.5倍になった以上に資産が増えるのです。この複利の恩恵を最大限に受けるためには、1日でも早く始めることが大切です。
単利と複利の違いを理解するために、具体的な例を用いて説明しましょう。ここでは、初期投資額が1,000,000円、年利率が5%、投資期間が3年の場合を考えます。




単利では、利息が元本にのみ発生し、期間に関わらず一定です。つまり、1年目の利息は元本の5%に相当しますが、2年目以降も同じ金額の利息が発生します。
| 1年目の利息 | 1,000,000円 × 5% = 50,000円 |
| 2年目の利息 | 1,000,000円 × 5% = 50,000円 |
| 3年目の利息 | 1,000,000円 × 5% = 50,000円 |
3年間の総利息は、50,000円 × 3年 = 150,000円となり、投資期間終了時の総額は、元本1,000,000円 + 利息150,000円 = 1,150,000円です。
複利では、利息が元本に加えられ、新たな元本として次期の利息が計算されます。これにより、投資期間が長ければ長いほど「利息の利息」が発生し、資産の増加速度が加速します。
| 1年目の利息 | 1,000,000円 × 5% = 50,000円(新しい元本:1,050,000円) |
| 2年目の利息 | 1,050,000円 × 5% = 52,500円(新しい元本:1,102,500円) |
| 3年目の利息 | 1,102,500円 × 5% = 55,125円57,881.25 |
3年間で得られる総利息は、50,000円 + 52,500円 + 55,125円 = 157,625円で、投資期間終了時の総額は、元本1,000,000円 + 157,625円 = 1,157,625円です。
| 単利 | 複利 | |
|---|---|---|
| 利息の計算方法 | 元本に対してのみ | 元本と利息に対して |
| 時間経過による利息の変化 | 一定 | 増加 |
| 10年後の利息(上記と同条件の場合) | 500,000円 | 628,895円 |
| 長期的な資産形成 | 効果が低い | 効果が高い |
一般的に30代は、20代の頃よりもキャリアが安定し、収入も増加してくる時期です。これにより、毎月の資産形成に回せる金額(積立額)をある程度確保しやすくなります。また、これまでの社会人生活で、ある程度の貯蓄ができている方もいるでしょう。この「種銭」があることは、投資を始める上で心理的な余裕にも繋がります。
20代の頃と比べて、様々な社会経験を積み、物事を多角的に見れるようになっているのも30代の強みです。資産形成においても、短期的な市場の動きに一喜一憂せず、長期的な視点で冷静な判断がしやすくなります。また、インターネットや書籍などから必要な情報を効率的に収集し、自分なりに理解する力も高まっているはずです。これにより、間違った情報に惑わされたり、リスクの高い投資に安易に手を出したりする失敗を避けやすくなります。
これらの「武器」を自覚し、最大限に活用することが、30代からの資産形成を成功させるための鍵となるのです。
参考)65歳までに2,000万円、3,000万円、4,000万円を準備するには?
老後に必要な資金を効率的に準備するためには、早い段階から計画的な資産運用が重要です。そこで、運用利回り5%を想定した場合、20歳、30歳、40歳、50歳から65歳までに2,000万円、3,000万円、4,000万円を準備するための毎月の積立金額をシミュレーションしました。
運用利回り:5%
積立年齢(65歳までの期間):20歳~(45年)、30歳~(35年)、40歳~(25年)、50歳~(15年)
積立方法:毎月一定額の積立
<毎月の積立金額シミュレーション結果>
積立開始年齢が遅くなるほど、月々の負担は大きくなります。
| 積立開始年齢 (65歳までの期間) | 2,000万円 | 3,000万円 | 4,000万円 |
|---|---|---|---|
| 20歳~ (45年) | 9,870円 | 14,804円 | 19,739円 |
| 30歳~ (35年) | 17,604円 | 26,406円 | 35,208円 |
| 40歳~ (25年) | 33,585円 | 50,377円 | 67,169円 |
| 50歳~ (15年) | 74,825円 | 112,238円 | 149,651円 |
※当該数値はあくまでもシミュレーションであり、将来の成果を約束するものではありません。
※期待利回りは、再投資され、複利計算を行ったものです。
※各種手数料、税金等は控除しません。



30代が資産形成を始めるには、具体的に何をすればいいですか?



①まず家計を見直し収支と純資産を把握する。②次にライフプランに基づき具体的な目標額と期限を設定。③新NISAやiDeCoなど自分に合った制度と商品を選びプランを作成。④少額からでも自動積立で実行・習慣化。⑤年に一度はプランを見直し調整する、という5ステップで進めましょう。
では、実際に30代から資産形成を始めるための具体的なステップを見ていきましょう。難しく考える必要はありません。一つ一つ着実に進めていくことが大切です。
資産形成の第一歩は、自分のお金の現在地を正確に知ることです。「毎月いくら収入があり、何にどれくらい使っているのか?」「今の貯蓄はいくらで、ローンなどの負債はあるのか?」これを把握しなければ、計画の立てようがありません。
まずは、家計簿アプリ(例:マネーフォワード ME, Zaimなど)やスプレッドシートなどを活用し、最低1ヵ月、できれば3ヵ月間の収支を記録してみましょう。これにより、毎月の固定費(家賃、ローン、保険料、通信費など)と変動費(食費、交際費、趣味娯海外費など)の内訳、そして「毎月いくらなら貯蓄や投資に回せそうか(=積立可能額)」が見えてきます。同時に、支出の中で削減できそうな「無駄」がないかもチェックしましょう。
次に、現在の資産と負債をすべてリストアップし、純資産(総資産 – 総負債)を計算します。預貯金、株式、投資信託、不動産(時価)、iDeCoの残高などが資産、住宅ローン、自動車ローン、カードローンなどが負債にあたります。この純資産額が、あなたの資産形成のスタートラインとなります。
現状を把握したら、次は「何のために」「いつまでに」「いくら」資産を準備したいのか、具体的な目標を設定します。30代の場合、主に以下のような目標が考えられます。
これらの目標に優先順位をつけ、それぞれの目標金額と達成期限を明確にすることで、毎月の積立額や運用戦略が見えてきます。
目標が決まったら、それを達成するための具体的な資産形成プランを立てます。ここでは、「どの制度を使って(新NISA、iDeCoなど)」「どのような金融商品に(投資信託、株式など)」「毎月いくらずつ(または初期投資額)」投資していくかを計画します。
30代にとって特に強力な味方となるのが、税制優遇制度である新NISAとiDeCoです。これらの制度をどのように組み合わせ、活用していくかがプランの核となります。(詳細は後述)
投資する金融商品は、あなたのリスク許容度(どの程度のリスクを受け入れられるか)、投資期間、目標リターンなどを考慮して選びます。一般的には、低コストで分散投資が可能な投資信託(特にインデックスファンド)が、長期的な資産形成の中心として推奨されます。
そして、ステップ1で把握した毎月の積立可能額を基に、無理なく継続できる毎月の積立額を設定します。
計画を立てたら、いよいよ実行に移します。証券会社や銀行でNISA口座やiDeCo口座を開設し(ネット証券が手数料も安くおすすめです)、設定した内容で積立投資を開始しましょう。
最初の一歩は勇気がいるかもしれませんが、「少額からでもいいので、まずは始めてみる」ことが何よりも大切です。例えば月5,000円や10,000円からスタートし、慣れてきたら徐々に金額を増やしていくのも良いでしょう。
そして、資産形成で最も重要なのは「習慣化」です。自動積立設定やクレジットカード積立を活用し、毎月決まった日に自動で引き落とされ、投資されるように設定するのがおすすめです。「給料が入ったら、まず積立分を確保し、残ったお金で生活する」という仕組みを作ってしまえば、意思の力に頼らずとも自然と継続できます。
資産形成は一度計画を立てたら終わりではありません。最低でも年に1回(例えば誕生月や年末など)は、以下の点を確認し、必要に応じて計画を修正(ポートフォリオのリバランスなど)しましょう。
この「計画→実行→確認→改善」というPDCAサイクルを回していくことが、長期的な資産形成を成功に導きます。
30代の資産形成で大切なのは、まず『自分のお金の現在地』と『将来の目的地』を明確にすることです。その上で、NISAやiDeCoといった有利な制度を使いこなし、無理なく続けられる計画を立てること。最初から完璧を目指す必要はありません。走りながら学び、修正していく柔軟性も持ちましょう。


資産形成とは、将来に向けて安定した経済基盤を築くために、今ある資源(お金や資産)を有効的に増やしていくプロセスです。多くの初心者にとって、このプロセスは複雑に感じられるかもしれませんが、実は非常にシンプルです。資産形成の鍵は、「収入を得て、適切に管理し、賢く運用する」ことにあります。この基本的なアプローチを理解し、一つひとつ実行していくことが、資産を増やし、将来の不安を減らすための第一歩です。
資産形成には、「収入を増やす」「支出を減らす」「資産運用で増やす」の3つの柱があります。


これは、最も直接的な資産形成の方法です。副業や独立、資格取得によるキャリアアップなど、収入源を増やすことで資産を増やすことができます。
支出を見直し、無駄な出費を削減することも重要です。家計簿の管理や予算計画を立てることで、効果的に支出をコントロールし、貯蓄額を増やすことができます。
お金をただ銀行に預けるだけではなく、株式や投資信託、債券などの有価証券などを活用して資産を増やす方法です。資産運用にはリスクが伴いますが、長期的な視点で取り組むことで、インフレに打ち勝ち実質的な資産を増やすことが期待できます。
資産形成は、長期的な視点で取り組むことが大切です。焦らずコツコツと続けることで、将来の不安を解消し、安心した生活を送ることができるようになります。
資産運用にはさまざまな種類があります。代表的なものは、以下のとおりです。
企業の株式を購入することで、企業の成長に伴って配当金の受取りや株価の上昇による利益を得られる可能性があります。しかし、企業業績の悪化による株価の下落リスクもあります。
複数の投資家から資金を集め、その資金を基にプロのファンドマネージャーが株式や債券などに投資します。分散投資が可能で、専門家に運用を任せることができ個々の投資判断が不要なためるため、初心者でも始めやすいのが特徴です。
国や企業などが資金調達のために投資家から資金を借りる際に発行する証券で、一定期間後に元本と利息を受け取ることができます。株式に比べてリスクは低いですが、その分利回りも控えめです。
不動産投資は、アパートやマンションなどの不動産を購入して、賃料収入を得る方法です。安定収入を得られる可能性がありますが、初期費用が大きくなります。
金は、古くから価値のある貴金属として知られています。インフレ対策やポートフォリオの分散に役立ちます。
これらの選択肢以外にも、さまざまな資産運用方法が存在します。各々にリスクとリターンの特性があり、自分のリスク許容度や目的に合わせた選択が重要です。
自分に合った資産運用方法を選ぶ際には、以下のポイントを考慮すると良いでしょう。
老後の資金準備、子どもの教育費の準備、短期間での資産増加など、目的によって最適な資産運用方法は異なります。目的を明確に設定し、それに最も適した資産運用方法を選択しましょう。
資産運用には常にリスクが伴います。自分がどれくらいのリスクを受け入れられるかを把握することが重要です。それに応じた商品や方法を選びましょう。
自分の資金計画と、リターンが期待できる期間とを照らし合わせ、短期・中期・長期など最適な選択を行いましょう。
資産運用に回した資金がいつ引き出せるかも重要なポイントです。急な出費に対応できるよう、一部の資金はすぐに利用できる形で保持することが望ましいです。流動性の高いものと低いものをバランスよく組み合わせることで、柔軟性と安定性の両方が確保できます。
また、運用金額によっても、資産運用ができる商品や方法が異なります。
資産運用のリスクを管理するためには、資産を分散させることが効果的です。異なる種類の資産(株式、債券、不動産など)に投資することで、一部の資産で損失が出たとしても、他の資産でカバーできる可能性が高まります。
資産運用の方法によっては、専門的な知識が求められる場合もあります。株式投資や不動産投資など、高いリターンを期待できるものほど、リスク管理や市場の理解が必要になります。投資に関する知識や経験が少ない場合は、初心者向けの商品や方法を選ぶのがおすすめです。
自分に合った資産運用方法を選ぶには、上記のポイントを総合的に考慮する必要があります。ライフステージ、資産状況、将来の目標といった要素を踏まえて、自分自身に最適な資産運用の戦略を立てましょう。また、不確実な環境の中で臨機応変に対応するためには、定期的な見直しと調整が不可欠です。市場の変動、自身の資産状況や目標の変化に応じて、戦略をアップデートしていくことが、成功への鍵となります。
自分一人で判断が難しい場合は、IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)やFP(ファイナンシャルプランナー)などお金の専門家に相談するのも一つの方法です。専門家の知見を活用して、より具体的かつ実行可能な資産形成の計画を立てることができます。
資産形成は、一朝一夕に成果が出るものではありません。長期的な視野でコツコツと取り組むことが、資産形成において最も重要なポイントです。自分に合った資産運用方法を見つけ、将来に向けた確かな一歩を踏み出しましょう。





30代の資産形成、目標はどうやって決めればいいですか?



まずは「どんな未来を実現したいか」を具体的にイメージすることから。その上で、老後資金、教育資金、住宅資金など、ライフイベントごとに必要な金額を試算し、優先順位をつけて目標額と達成時期を設定します。
資産形成のロードマップを描く上で欠かせないのが、具体的な「目的地」つまり目標設定です。特に30代は、将来の様々なライフイベントが見え隠れする時期。漠然とした不安を具体的な計画に変えるために、まずは「何のために」「いつまでに」「いくら」必要なのかを明らかにしましょう。
「老後2,000万円問題」という言葉が独り歩きしていますが、本当に必要な老後資金額は一人ひとり異なります。以下のステップで、あなた自身の目標額を試算してみましょう。
現在の生活費を参考に、老後はどのような生活を送りたいか(旅行は?趣味は?食費は?)をイメージし、毎月必要だと思う金額を算出します。総務省の家計調査(高齢夫婦無職世帯)など、公的なデータも参考にしつつ、少し余裕を持たせるのがポイントです。(総務省統計局「家計調査報告」 )
例えば、65歳でリタイアし、90歳または95歳まで生きると仮定するなど、ご自身の健康状態や平均寿命を考慮して設定します。(例:25年~30年)
これは非常に重要です。日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すれば、ご自身のこれまでの加入実績に基づいた将来の年金受給見込額を簡単に確認できます。必ず確認しましょう(日本年金機構「ねんきんネット 」)
この計算で出た金額が、あなたがiDeCoやNISAなどを活用して準備すべき老後資金の一つの目安となります。
【老後支出の見積もりワークシート例】
老後支出の見積もりワークシート例。自分の理想の老後生活をイメージしながら記入してみましょう。


30代にとっては、老後資金だけでなく、お子様の教育資金やマイホームの購入資金も大きな目標となるでしょう。 教育資金は、進路(公立か私立か、大学進学の有無など)によって大きく変わりますが、一般的に1人あたり1,000万円~2,000万円程度かかると言われています。住宅購入も、頭金や諸費用、そしてその後のローン返済計画をしっかりと立てる必要があります。
これらの大きな支出と老後資金準備をどう両立させるか、優先順位をどうつけるかが30代の資産形成における大きな課題です。全てを完璧に準備するのは難しいかもしれませんが、それぞれの目標額と必要な時期を明確にし、計画的に資金を振り分けていく意識が重要になります。
30代の平均貯蓄額は、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」によると、以下のようになっています。
ただし、この金額はあくまで平均値であり、中央値はそれぞれ300万円、337万円となっています。平均値は一部の高額貯蓄者が数値を押し上げているため、より実態に近いのは中央値と言えるでしょう。
また、貯蓄額は職業や家族構成、住んでいる地域などによって大きく異なります。ご自身の貯蓄額と比べて、多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれですが、大切なのは現在の状況を把握し、将来に向けた資産形成を始めることです。
| 金融資産保有額 | 単身世帯 | 2人以上世帯 |
|---|---|---|
| 100万円未満 | 22% | 17.2% |
| 100~200万円未満 | 9.3% | 13.8% |
| 200~300万円未満 | 11.2% | 10.6% |
| 300~400万円未満 | 9.3% | 7.8% |
| 400~500万円未満 | 6.1% | 6.3% |
| 500~700万円未満 | 8.4% | 9.3% |
| 700~1,000万円未満 | 5.1% | 7.3% |
| 1,000~1,500万円未満 | 11.2% | 8.8% |
| 1,500~2,000万円未満 | 2.8% | 3.0% |
| 2,000~3,000万円未満 | 4.7% | 3.7% |
| 3,000万円以上 | 6.1% | 5.6% |
| 無回答 | 3.7% | 6.7% |
※1 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和5年)」
※2 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」
30代と一口に言っても、ライフステージは様々です。ここでは、2つのモデルケースで資産形成の考え方を見てみましょう。
ケース1:Aさん(32歳・独身・年収500万円)の場合
Aさんは、将来の漠然とした不安に備えつつ、趣味や自己投資にもお金を使いたいと考えています。この場合、まずは老後資金を最終目標に、新NISAのつみたて投資枠で月30,000円~50,000円程度の積立を開始。さらにiDeCoも活用し、所得控除のメリットを享受します。いつでも引き出せる新NISAの資産は、将来の大きな買い物やキャリアチェンジのための資金としても柔軟に考えられます。
ケース2:Bさん夫妻(35歳・子ども1人・世帯年収900万円)の場合
Bさん夫妻の最優先事項は、約15年後に訪れる子どもの大学進学費用(目標1,000万円)と、住宅ローンの返済です。この場合、夫婦それぞれが新NISA口座を開設。教育資金用として、夫婦で月50,000円を比較的安定した全世界株式インデックスファンドに積み立てつつ、それとは別に、老後資金用としてiDeCoと、新NISAの別枠で積立を行います。このように、目的別に口座や商品を分けて管理することが重要になります。



30代が資産形成するなら、新NISAとiDeCoどっちがいいですか?どう使うのがいいですか?



30代なら、税制メリットが大きい新NISAとiDeCoの両方を活用するのが理想的です。新NISAは柔軟性が高く、iDeCoは老後資金準備に特化し節税効果も絶大。それぞれの特徴を理解し、ライフプランに合わせてバランス良く使い分けましょう。
目標額が見えてきたら、いよいよ具体的な資産形成の方法です。30代の皆さんにぜひ活用してほしいのが、国の税制優遇制度である「新NISA」と「iDeCo」です。これらを賢く使うことで、効率的に資産を増やすことができます。
2024年から始まった新NISAは、年間最大360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)までの投資で得た利益が生涯にわたって非課税になるという、非常に強力な制度です。
NISAには、投資による利益に対する非課税メリットがあります。若いうちからコツコツと利用することで、長期的な資産形成に貢献します。
【30代向け新NISA活用戦略】
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛金が全額所得控除の対象となり、運用益も非課税、さらに受け取り時にも税制優遇があるという、まさに「節税の三冠王」とも言える制度です。30代で所得が安定してきた方にとっては、この所得控除のメリットは非常に大きいです。
自営業者だけでなく、会社員も利用できる確定拠出年金制度です。節税効果が高く、老後資金の準備に最適です。
【30代向けiDeCo活用戦略】
NISAとiDeCoの比較
| NISA | iDeCo | |||
|---|---|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |||
| 概要 | 投資から得られる利益(配当や売却益など)が非課税になる制度です。一般NISAでは年間120万円まで、つみたてNISAでは年間40万円までの投資が可能です。非課税の恩恵を受けられる期間に制限があります。 | 自身で掛金を選択し、老後の資金を自分で運用する個人型の確定拠出年金制度です。掛金は所得控除の対象となり、運用益についても非課税です。60歳まで引き出しはできませんが、長期的な資産形成に最適です。 | ||
| 加入対象 | 日本在住の18歳以上 | 65歳未満の国民年金加入者 | ||
| 税制メリット | 積立・拠出時 | なし | 積立時の掛金が全額所得控除の対象 | |
| 運用中 | 運用益が非課税 | |||
| 受取時 | なし | 受取時の一定額が非課税(退職所得控除・公的年金控除の対象) | ||
| 最低積立金額 | 100~10,000円(金融機関により異なる) | 5,000円 | ||
| 年間投資上限額 | 120万円 | 240万円 | 14.4~81.6万円(職業などにより異なる) | |
| 併用した場合360万円 | ||||
| 非課税保有限度額 | 1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで) | - | ||
| 非課税保有期間 | 無期限 | 最長75歳まで | ||
| 投資対象商品 | 長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託 | 一定の国内外の上場株式・ETF・投資信託など | 投資信託・定期預金・保険商品 | |
| 購入方法 | 積立のみ | スポット・積立 | 積立のみ | |
| 引き出し | いつでも可 | 原則60歳以降 | ||
NISAとiDeCoはそれぞれメリット・デメリットがあり特徴が異なります。自分の状況に合わせて、どちらを活用するかを検討しましょう。
30代は、新NISAとiDeCoの両方をバランス良く活用するのが理想的です。まずは新NISAのつみたて投資枠でコアとなる積立を始め、余裕があれば成長投資枠やiDeCoにもチャレンジする。iDeCoの節税効果は絶大ですが、流動性の低さも理解しておく必要があります。ご自身のライフプランと照らし合わせ、最適な配分を見つけましょう。


NISAとiDeCoを詳しく知りたい人はこちら



30代の投資、どんな商品にどれくらい配分すればいいですか?リスクはありますか?



30代はまだ運用期間を長く取れるため、株式中心のポートフォリオで積極的なリターンを目指すことも可能です。ただし、分散投資を徹底し、自分のリスク許容度を超える投資は避けるべきです。市場変動に一喜一憂せず、長期的な視点を持つことが重要です。
新NISAやiDeCoで具体的に何に投資するか、そしてリスクとどう向き合うかは、資産形成を成功させる上で非常に重要です。
「ポートフォリオ」とは、保有する金融商品の組み合わせのことです。30代は一般的にリスク許容度が高いと言われますが、それでも「絶対に損はしたくない」という方もいれば、「ある程度のリスクは取ってでも積極的に増やしたい」という方もいるでしょう。
ポートフォリオ例(リスク許容度別)
ご自身の性格や目標に合わせて、最適なバランスを見つけましょう。


例えば、積極成長型であれば、全世界株式インデックスファンドやS&P500連動型インデックスファンドといった株式中心のポートフォリオで高いリターンを目指します。バランス型であれば、株式に加えて債券ファンドなども組み入れ、値動きを少しマイルドにします。安定志向型であれば、債券の比率をさらに高めたり、元本確保型に近い商品(iDeCoの場合)の割合を増やしたりします。
どんなポートフォリオを組むにしても、リスク管理の基本は「長期・積立・分散」です。
特に30代は、まだ運用期間を長く取れるため、この「長期・積立・分散」の効果を最大限に活かすことができます。市場が一時的に下落しても、慌てて売却せず、むしろ安く買えるチャンスと捉えて積立を継続するくらいの心構えが大切です。



仕事や子育てで忙しい30代でも、資産形成を続けるコツはありますか?



「自動積立」で手間を省き、「先取り貯蓄・投資」を習慣化するのが基本です。少額から始めて成功体験を積み、無理のない範囲で継続することが最も重要。情報収集は信頼できるものに絞り、時には専門家の力も借りましょう。
仕事に家事に育児にと、何かと忙しい30代。資産形成を始めたくても、「そんな時間や手間をかけられない…」と感じるかもしれません。しかし、いくつかのポイントを押さえれば、無理なく続けることは可能です。
「自動化」で手間を徹底的に省く:
新NISAやiDeCoの積立は、一度設定すれば毎月自動的に指定した金額が引き落とされ、購入されます。最初に少し手間をかければ、あとは基本的に「ほったらかし」でも大丈夫。家計簿アプリも銀行口座やクレジットカードと連携させれば、支出の記録も自動化できます。
「先取り貯蓄・投資」を習慣にする:
給料が入ったら、まず貯蓄や投資に回す金額を別口座に移したり、自動積立で引き落とされるようにしたりして、残ったお金で生活する「先取り」を習慣にしましょう。「余ったら貯蓄・投資」では、なかなかお金は貯まりません。
少額から始めて「成功体験」を積む:
最初から大きな金額で始める必要はありません。月5,000円でも10,000円でも、まずは「続けられる」金額からスタートし、「少しずつでも資産が増えていく」という成功体験を積むことが、モチベーション維持に繋がります。
情報収集は「信頼できるもの」に絞る:
世の中には投資に関する情報が溢れていますが、全てを追いかける必要はありません。金融庁や日本証券業協会といった公的機関のサイト、信頼できる経済新聞や書籍、実績のあるファイナンシャルプランナーの発信など、情報源を絞り込み、質の高い情報を得るようにしましょう。
完璧を目指さず、時には「専門家」の力も借りる:
全てを自分でやろうとせず、分からないことや不安なことがあれば、ファイナンシャルプランナー(FP)などの専門家に相談するのも有効な手段です。的確なアドバイスは、時間と労力の節約にも繋がります。
全く遅くありません。むしろ、20代よりも収入が安定し、40代以降よりも運用期間を長く確保できる30代は、資産形成を始めるのに非常に良いタイミングです。早く始めるほど複利効果を活かせますし、もし途中で計画を見直す必要が出ても、軌道修正する時間的な余裕があります。
まずは、①家計の収支を把握し、毎月いくら投資に回せるかを知ることから始めましょう。次に、②税制優遇が大きな新NISA(特につみたて投資枠)やiDeCoの口座開設を検討し、③少額から低コストのインデックスファンド(全世界株式やS&P500など)で積立投資を始めてみるのがおすすめです。同時に、投資に関する基本的な知識を本や信頼できるウェブサイトで学ぶことも大切です。
可能であれば両方活用するのが理想的です。新NISAは自由度が高く、いつでも換金できる流動性が魅力。iDeCoは掛金全額所得控除という強力な節税メリットがあり、老後資金準備に特化しています。 もしどちらか一方しかできない場合は、資金の使途や流動性の優先度で考えます。近い将来に使う可能性のあるお金(住宅資金など)も視野に入れるなら新NISA、確実に老後資金を準備しつつ節税効果も最大限に得たいならiDeCo、という判断軸があります。多くの場合、まずは新NISAのつみたて投資枠から始め、余裕が出てきたらiDeCoにも取り組む、という方が多いようです。
はい、住宅ローンがあっても資産形成は可能ですし、むしろ並行して行うべきです。繰り上げ返済を優先するか、資産運用を優先するかは、住宅ローンの金利と、期待できる運用利回り、そして手元資金の状況によって判断が異なります。 一般的に、住宅ローン金利が非常に低い(例:1%未満)場合は、その金利以上のリターンが期待できるなら資産運用を優先した方が有利になる可能性があります。また、団体信用生命保険に加入していれば、万が一の場合のローン返済リスクはカバーされます。ただし、繰り上げ返済には確実な利息軽減効果があります。ご自身の状況や考え方に応じて、FPなどに相談しながらバランスを考えるのが良いでしょう。
30代の資産運用で失敗しないための最大の注意点は、①自分のリスク許容度を超えた投資をしないこと、②短期的な市場の動きに一喜一憂せず長期的な視点を持つこと、③一つの商品や国に集中投資せず分散投資を心がけること、④手数料の高い商品やよく分からない複雑な商品には手を出さないこと、⑤そして何よりも、無理のない範囲でコツコツと継続することです。
30代は、人生の基盤を築き上げると同時に、将来への種まきをする絶好の機会です。「まだ早い」「忙しくて時間がない」「難しそう」…そんな風に思っていたかもしれませんが、この記事を通じて、30代からの資産形成が決して特別なことではなく、むしろ賢明で、かつ実現可能な目標であることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
時間という強力な武器を活かせる30代だからこそ、新NISAやiDeCoといった有利な制度を最大限に活用し、無理のない範囲でコツコツと資産を育てていくことが、将来の経済的な自由と安心に繋がります。
さあ、あなたの未来のために、今日からできる具体的なアクションプランを立ててみましょう。
最初の一歩を踏み出す勇気が、10年後、20年後、そして老後のあなたを大きく変えるはずです。この記事が、そのきっかけとなれば幸いです。
資産形成をサポートするために、さらに役立つ情報源をご紹介します。以下に、資産形成に関する関連情報をまとめました。
「お金の哲学」「投資の心得」「リスク管理」など、資産形成に役立つ書籍は数多くあります。書店やオンラインで、自分の興味に合った書籍を見つけましょう。
公的機関や金融機関のWebサイト、資産運用に関する情報サイトやブログなど、インターネット上には有用な情報が溢れています。信頼できる情報源を見つけ、定期的にチェックすることをお勧めします。
ぜひ、これらの情報を活用して、資産形成を成功させましょう。
資産形成は、知識と経験、そして時間をかけて成し遂げるプロジェクトです。焦らず、しかし着実に、自分自身の未来のために資産形成を始めましょう。
この記事の監修者


ファイナンシャルプランナー 田中 大二
<プロフィール>
2007年より大手生命保険会社に勤務。主に住宅購入を検討されている方に向けたライフプランおよびファイナンシャルプランコンサルティングに従事。
その後、大手ネット証券会社を経て、金融機関向けマーケティング会社を設立し、クライアントである金融機関を通じてお金に関する商品やサービス、情報を生活者へ提供している。
マネーリテラシーの向上を目標とし、過去の経験を活かして生活者へ直接お金に関する知識や情報を提供したいという想いから、FPオフィスを立ち上げる。
<保有資格>
AFP
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
住宅ローンアドバイザー
※本記事の内容は、執筆時2025年6月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。
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田中 大二氏