ふるさと納税のポータルサイトで寄附をしたときにもらえた独自ポイントは、2025年10月1日から禁止されています。楽天ふるさと納税やさとふるなどで「寄附額の○%還元」といったポイントがもらえるのは、すでに過去の話です。
この記事では、禁止の対象になるポイントとならないポイント、総務省が禁止した理由、禁止後に何が変わったのか、そしてこれからどう選べばよいのかを、総務省の公式資料をもとに整理します。ふるさと納税の始め方そのものは「ふるさと納税完全ガイド」で解説しています。
この記事の要点
- ポータルサイトやポイントサイト経由のポイントは、2025年10月1日から禁止された
- クレジットカードなどの通常の決済ポイントは今も対象外。ただし、ふるさと納税の決済だけに上乗せされるポイントは禁止の対象
- 自己負担2,000円で返礼品を受け取れる仕組みと、返礼割合3割以下のルールは変わっていない
- これからはポイントではなく、サイトの使いやすさ・決済手段・寄附金の使い道で選ぶ
本記事の出典
・総務省「ふるさと納税の指定基準の見直し等」(2024年6月28日)https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01zeimu04_02000126.html
・総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」(令和6年総税市第65号)https://www.soumu.go.jp/main_content/000955668.pdf
・総務省「松本総務大臣閣議後記者会見の概要(令和6年7月2日)」https://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02001360.html
・総務省「令和6年度地方財政審議会(6月21日)議事要旨」https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/chizai/02zaisei02_04001397_00646.html
・総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」https://www.soumu.go.jp/main_content/001085011.pdf
・総務省「ふるさと納税の指定基準の改正等について」(2025年6月24日)https://www.soumu.go.jp/main_content/001016582.pdf
・楽天グループ「ふるさと納税へのポイント付与を禁止する総務省告示の無効確認を求める訴訟の提起について」(2025年7月10日)https://corp.rakuten.co.jp/news/press/2025/0710_01.html
・楽天市場「ふるさと納税へのポイント付与を禁止する総務省告示に対する反対署名のお願い」https://event.rakuten.co.jp/furusato/announce/signature/
ふるさと納税のポイント付与禁止とは?いつから・何が対象か
結論から言うと、2025年10月1日から、寄附に伴ってポイントを付与するサイトを通じた寄附の募集が禁止されました。寄附をする人が罰せられるルールではなく、自治体が「ポイントを付けるサイト」を通じて寄附を募ってはいけない、という自治体側の基準です。そのため、各ポータルサイトはポイント付与をやめています。
2024年6月に決まり、2025年10月1日から適用
総務省は2024年6月28日に「ふるさと納税の指定基準の見直し等」を公表し、「寄附に伴いポイント等の付与を行う者を通じた募集を禁止すること」を決めました。適用は2025年10月1日からです。公表から1年以上あけたのは、ポータルサイト側のシステム改修に時間がかかるという意見があったためです(地方財政審議会の議事要旨)。
禁止の対象になるポイント
総務省のQ&Aでは、次のようなポイントが禁止の対象として挙げられています。「マイル」「コイン」など、名前が違っても経済的な利益であれば同じ扱いです。
- ポータルサイトの運営事業者が、寄附に付随して付与するポイント
- ポイントサイトを経由してポータルサイトで寄附したときに付与されるポイント
- クレジットカード会社やキャッシュレス決済事業者が、ふるさと納税の決済を対象に追加で付与するポイント
- ふるさと納税以外のサービスの利用状況に応じて、追加で付与されるポイント
対象外のポイント(クレジットカードの通常ポイント)
クレジットカードやキャッシュレス決済で寄附したときに付く通常のポイントは、「通常の商取引の決済に伴うものに相当する」として対象外です。ふだんの買い物と同じ還元率で付くポイントは、今も受け取れます。
注意したいのは、同じカード決済でも「ふるさと納税の寄附なら還元率アップ」のように上乗せされる分は、禁止の対象になる点です。キャンペーンを使う場合は、内容が通常の還元なのか上乗せなのかを、各社の案内と規約で確認してください。
なぜポイントは禁止されたのか
総務省が挙げた理由は、ポイント付与の競争が過熱し、ふるさと納税の本来の趣旨から外れていることです。一方で、ポイントを付与してきた楽天グループは強く反対し、国を相手に訴訟を起こしました。
総務省の説明
松本総務大臣(当時)は2024年7月2日の記者会見で、ポイント付与による競争は過熱していると述べました。そのうえで、寄附者はもともと自己負担2,000円で返礼品という経済的な利益を受けており、そこにさらにポイントを上乗せする形は見直すべきだと説明しています。
ポイントの原資については、各企業の会計まではコメントできないとしつつ、寄附金の流れから見れば、ポータルサイトに支払われる手数料からポイントが出ていると言える部分もある、という見方を示しました。
楽天グループの反対と訴訟
楽天グループは、ポイントは2019年から自治体に負担を求めず自社負担で付与してきたと主張し、反対署名を集めました。署名は2025年3月16日時点で2,952,819件にのぼり、3月18日に首相へ提出されています。
さらに2025年7月10日、告示の無効確認を求める行政訴訟を東京地方裁判所に起こしました。2026年10月時点で判決が出たという情報は確認できていません。ただし、訴訟が続いていても禁止のルールはすでに適用されており、各ポータルサイトのポイント付与は止まっています。
ポイント禁止後、いま何が変わったか
寄附する側にとって変わったのは「ポイントの分だけお得が減った」ことで、制度の仕組みそのものは変わっていません。全国の寄附額は禁止の前後をまたいだ2025年度も増えています。
寄附する側の変更前と後(計算例)
10万円を寄附し、以前は寄附額の10%分のポイントがもらえていたと仮定して比べます。返礼品の内容はどちらも同じなので、ここでは除いて考えます。

出典:総務省「ふるさと納税に係る指定制度の運用についてのQ&A」
この例では、禁止前はポイントの10,000円分が自己負担2,000円を上回り、差し引きで8,000円のプラスでした。禁止後は自己負担の2,000円だけが残ります。つまり差はポイントの10,000円分です。ポイントの還元率が低かった人ほど、影響は小さくなります。
数字で見る禁止前後の動き
総務省の調査では、2025年度の全国の受入額は約1兆3,314億円で、2024年度の約1兆2,727億円から増えました。ただし2025年度は2025年4月〜2026年3月の集計で、ポイント付与があった前半の半年を含みます。この数字だけで「禁止の影響はなかった」とは言えない点に注意が必要です。

出典:総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」
同じ調査では、ポータルサイトを経由した寄附の割合が2024年度の94.5%から2025年度は97.2%に上がりました。ポータルサイト運営事業者への支払額(返礼品の調達・送付分を除く)は1,379億円から1,490億円に増え、ポータル経由の寄附額に占める割合はどちらの年度も11.5%でした。

出典:総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果(令和8年度実施)」
変わっていないこと
寄附額から2,000円を引いた額が、控除上限額の範囲で所得税・住民税から差し引かれる仕組みはそのままです。返礼品の調達費用を寄附額の3割以下とするルールも変わっていません。ワンストップ特例と確定申告のどちらで手続きするかの考え方も同じで、詳しくは「ワンストップ特例か確定申告か」の記事をご覧ください。
ポイント終了後のふるさと納税の選び方
ポイントで差がつかなくなった今は、「どのサイトで、どう払い、どこに寄附するか」をポイント以外の基準で選ぶ時期です。確認しておきたいのは次の4点です。
サイトはポイント以外で選ぶ
ポイントがなくなった今、サイト選びで見るべきなのは、寄附したい自治体や返礼品が掲載されているか、寄附の履歴や控除上限額の目安を確認しやすいか、ワンストップ特例の申請などの手続きをサイト上で進められるか、といった使い勝手です。同じ返礼品でもサイトによって掲載の有無が違うことがあるため、気になる返礼品は複数のサイトで探してみてください。
決済はクレジットカードの通常ポイントを活用する
今も使えるのは、クレジットカードやキャッシュレス決済の通常のポイントです。ふだん使っているカードで払えば、買い物と同じ還元率でポイントが付きます。
「ふるさと納税の抜け道」として紹介されるキャンペーンもありますが、先に見たとおり、ふるさと納税の決済だけに上乗せされるポイントは禁止の対象です。還元の条件が「ふるさと納税の寄附だから」なのか「その決済サービスの通常の特典だから」なのかを確かめてから使いましょう。
寄附先は「使い道」で選ぶ
総務省の調査では、2025年度に寄附金の使い道を選べるようにしている自治体は1,749団体で、全体の98.2%です。特定の事業に目標額を決めて寄附を募るクラウドファンディング型は516団体が実施し、寄附額は約333億円にのぼります。返礼品だけでなく、子育てや防災など応援したい分野から寄附先を選ぶ方法もあります。
2026年10月からの基準見直しも知っておく
2026年10月からは、返礼品の地場産品基準も厳しくなりました。区域内で付加価値の過半が生じたことを製造者が証明し、自治体がその内容を公表する仕組みです。また、寄附金のうち自治体が実際に使える額の割合を2026年の指定では52.5%以上とし、段階的に60%以上へ引き上げることになっています。制度の全体像は「ふるさと納税完全ガイド」で確認してください。
高額な返礼品を検討している方は「高額返礼品の記事」も、初めての方は「ふるさと納税の失敗談」もあわせて読んでおくと安心です。
ふるさと納税のポイント廃止に関するよくある質問
ポイント廃止について、よく聞かれる質問に答えます。
まとめ
ポイント付与の禁止で変わったのは「ポイントの上乗せ」だけで、ふるさと納税の仕組みは続いています。
2025年10月1日から、ポータルサイトやポイントサイト経由のポイントは付かなくなりました。総務省はポイント競争の過熱を理由に挙げ、楽天グループは訴訟で争っていますが、ルールはすでに適用されています。クレジットカードの通常ポイントは今も対象外です。これからは、サイトの使いやすさ、決済手段、寄附金の使い道を基準に、自分に合った寄附先を選びましょう。
※本記事の内容は、執筆時2026年10月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。


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