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50代・60代の「自分年金」作り|財務・増配・方針で選ぶ高配当株7銘柄の紹介

⚠️【免責事項:必ずお読みください】

本記事は、財務分析や銘柄選びの視点を学ぶための「情報提供」を目的として作成されています。記事内で紹介している具体的な銘柄は、特定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。 また、記載されている株価、利回り、財務数値などのデータは執筆時点の目安であり、常に変動しています。株式投資には元本割れなどのリスクが伴います。最終的な投資の意思決定は、必ずご自身で最新の企業IR情報や株価チャートをご確認の上、ご自身の判断と責任(自己責任)において行っていただきますようお願いいたします。

前回の記事で、配当金による「自分年金」作りが50代・60代にとって有効な選択肢だとお伝えしました。

「それなら高配当ETFを買えばいいのでは?」

確かに、ETFは手軽に分散投資ができる優れた商品です。しかし、パッケージ商品である以上、こんな側面もあります。

中には業績が振るわない企業も含まれている。減配リスクの高い銘柄も一部混在している。自分では選ばない企業にも自動的に投資することになる。

「老後を支える大切な資産だからこそ、納得のいく企業だけに投資したい」

そう考える方もいるでしょう。今回は、そんなこだわり派の方に向けて、財務状況や配当方針の観点から注目される7つの銘柄を紹介します。

CONTENTS

銘柄選定の3つの基準

今回紹介する銘柄は、単純な利回りランキングではありません。50代・60代が老後資金として保有するなら重視したい、3つの基準で選んでいます。

基準
不況でも経営が揺らぎにくい鉄壁の財務

自己資本比率が高い、有利子負債が少ないなど、財務の健全性を重視します。

基準
インフレに勝つための連続増配

配当が増え続けることで、現金の価値が目減りするインフレに対抗できます。

基準
減配しない姿勢を示す明確な還元方針

株主還元への強いコミットメントがあるかを確認します。

それでは、カテゴリー別に見ていきましょう。

カテゴリー①:鉄壁の財務を誇る3銘柄

まずは、不況が来ても経営が揺るがない財務体質を持つ企業からです。

1. リックス(7525)|117年黒字企業の安定感

注目ポイント:

リクスの最大の特徴は、DOE(株主資本配当率)を採用していることです。

多くの企業は「利益の何%を配当に回すか」を決めますが、リクスは「資産の何%を配当に回すか」を決めています。つまり、一時的に利益が減っても、資産がある限り配当が減りにくい仕組みです。

この企業は産業機械メーカーで、鉄鋼、自動車、食品など幅広い業界の工場に機械を卸しています。特定業界が不況でも他でカバーできる分散効果があります。

117年連続黒字という実績が、この安定感を物語っています。

2. 蔵王産業(9986)|無借金経営の清掃機器メーカー

注目ポイント:

自己資本比率80%後半という数字の凄さが分かるでしょうか。一般的な合格ラインが40%程度と言われる中、その倍以上です。

さらに有利子負債はゼロ。つまり実質的な無借金経営です。

清掃機器という地味なビジネスですが、この鉄壁の財務があるからこそ、不況時でも無理なく配当を出し続けられます。

「地味こそ最強」を数字で証明している企業と言えるでしょう。

3. ニホンフラッシュ(7820)|内装ドア国内トップの底堅さ

注目ポイント:

マンション向け内装ドアで国内トップクラスのシェアを持つ企業です。

リフォーム需要という底堅い市場に支えられており、自己資本比率も70%を超えています。

中国事業のリスクから株価が割安に放置されがちですが、その分、配当利回りが高くなる傾向があります。財務健全性とブランド力を兼ね備えた実力派です。

銘柄自己資本比率借入特徴
リックス(7525)50%台低いDOE採用、幅広い業界に供給
蔵王産業(9986)80%後半ほぼゼロ無借金経営、清掃機器
ニホンフラッシュ(7820)70%超低い高シェア、リフォーム需要

カテゴリー②:連続増配を実現している2銘柄

次は、配当が増え続けることでインフレに対抗できる銘柄です。

4. ユー・エス・エス(4732)|25期連続増配の成長株

注目ポイント:

現時点での配当利回りは3%前後と控えめです。しかし、この企業の真価は成長力にあります。

中古車オークション会場を運営し、手数料を得るビジネスモデル。場所を貸して手数料を取るため、営業利益率は驚異の50%超です。

この高い利益を株主還元に回し、25期連続で増配を実現しています。

増配の威力(シミュレーション):

仮に年率5%で増配が続いた場合:

経過年数配当金(購入時=100)取得価格ベース利回り
購入時100円3.0%
5年後128円3.8%
10年後163円4.9%
15年後208円6.2%

今の利回りは低くても、持ち続けることで利回りが育っていくタイプの銘柄です。

5. 三菱HCキャピタル(8593)|26期連続増配の王道

注目ポイント:

ユー・エス・エスと同じく連続増配銘柄ですが、こちらは26期連続。増配期間では日本トップクラスです。

リース・ファイナンス事業を展開する大企業で、売上高は兆円単位。安定感が違います。

PBR(株価純資産倍率)が1倍前後ということは、株価が割高ではなく、比較的安全な水準で購入できる可能性があります。

配当利回りも高水準で、安定した配当を受け取りながら、毎年の継続的な増配も期待できます。50代・60代のポートフォリオにおいて、バランスの良い銘柄の一つです。

銘柄連続増配期間現在の利回り特徴
ユー・エス・エス(4732)25期控えめ高成長、利回りが育つ
三菱HCキャピタル(8593)26期高水準安定感と増配の両立

カテゴリー③:ポートフォリオを支える王道2銘柄

最後は、誰もが知る大型株で、守りと攻めの役割を果たす銘柄です。

6. 三井住友フィナンシャルグループ(8316)|減配しない公約の安心感

注目ポイント:

何と言っても注目すべきは、「減配しない」という公約です。

三井住友フィナンシャルグループは、累進配当政策を掲げています。これは、「配当を維持、または増やす」という株主への約束です。

メガバンクという業態の安定性に加え、この明確な還元方針があるため、長期で安心して保有できる王道中の王道と言えます。

PBRが1倍を超えているのは、市場がこの企業の株主還元姿勢を評価している証とも言えるでしょう。

7. 商船三井(9104)|高利回りのスパイス役

注目ポイント:

配当利回り4%超という魅力的な数字ですが、海運業は市況の影響を受けやすく、株価の変動が激しい傾向があります。

ポートフォリオのメインにするにはリスクがありますが、全体の一部(10〜20%程度)に組み入れることで、受け取り配当金を大きく底上げできます。

リスクを理解した上で付き合う「大人の銘柄」と言えるでしょう。

銘柄利回り水準安定性ポートフォリオでの役割
三井住友フィナンシャルグループ(8316)中程度非常に高い守りの中核
商船三井(9104)高いやや低い攻めのスパイス

7銘柄の全体像

改めて、今回紹介した7銘柄を一覧で見てみましょう。

カテゴリー銘柄名(コード)主な特徴利回り水準
鉄壁財務リックス(7525)DOE採用、117年黒字3%後半
鉄壁財務蔵王産業(9986)自己資本比率80%超、無借金安定的
鉄壁財務ニホンフラッシュ(7820)高シェア、自己資本比率70%超高め
連続増配ユー・エス・エス(4732)25期連続増配、営業利益率50%超3%前後
連続増配三菱HCキャピタル(8593)26期連続増配、兆円企業高水準
王道大型三井住友フィナンシャルグループ(8316)減配しない公約安定的
王道大型商船三井(9104)高利回り、変動大4%超

購入時の重要なルール

どれだけ優良な銘柄でも、買い方を間違えると失敗します。

ルール

一度に全財産で買わない

相場全体が下がれば、優良株も一緒に下がります。高値掴みを避けるため、時間分散が重要です。

推奨する買い方:

  • 毎月定額で買い続ける(例:毎月5万円ずつ)
  • 数ヶ月〜1年かけて目標金額まで買い集める
  • 暴落時は買い増しのチャンス
ルール

単元未満株を活用する

「100株単位で買うと金額が大きすぎる」という方は、単元未満株サービスを使いましょう。

証券会社サービス名特徴
SBI証券S株1株から購入可能
楽天証券かぶミニ少額から始められる
マネックス証券ワン株手数料も比較的安い

よくある疑問:「1株でも配当はもらえる?」

はい、もらえます。保有株数に応じた配当金がしっかり支払われます。

例:配当100円/株の銘柄を10株保有 → 1,000円の配当金

ルール

業種を分散する

同じ業種ばかりに偏ると、その業種が不調の時に全体が影響を受けます。

分散の例:

  • 金融:三井住友フィナンシャルグループ(8316)
  • リース:三菱HCキャピタル(8593)
  • 機械:リックス(7525)
  • 清掃機器:蔵王産業(9986)
  • 建材:ニホンフラッシュ(7820)
  • サービス:ユー・エス・エス(4732)
  • 海運:商船三井(9104)

個別株投資の注意点

個別株投資には、ETFにはないリスクがあることも理解しておきましょう。

リスク
企業固有のリスク

不祥事、経営判断ミス、業績悪化などで株価が急落する可能性があります。

リスク
減配・無配のリスク

どんなに優良な企業でも、経営環境の激変で減配や無配になる可能性はゼロではありません。

リスク
倒産リスク

極めて稀ですが、可能性としては存在します。

リスク軽減策

  • 最低でも10〜15銘柄に分散
  • 異なる業種に分散
  • 財務健全性の定期チェック
  • ETFとの併用も検討

よくある質問

これらの銘柄は今すぐ買うべき?

タイミングは各自で判断してください。株価水準、市場環境、自身の資金状況などを考慮する必要があります。時間分散がおすすめです。

7銘柄全部買わないとダメ?

いいえ。気に入った銘柄を2〜3銘柄選ぶだけでも構いません。自分のリスク許容度に合わせて選びましょう。

株価が下がったらどうする?

財務に問題がなく、減配していないなら、むしろ買い増しのチャンスと考えることもできます。ただし無理は禁物です。

配当金はいつ入る?

企業によって異なりますが、年1〜2回が一般的です。権利確定日に株を保有していれば、配当を受け取る権利が得られます。

新NISAで買える?

はい。成長投資枠で個別株を購入でき、配当金も非課税になります。

まとめ:自分で選ぶ楽しさ

今回紹介した7銘柄は、それぞれ異なる強みを持っています。

  • 鉄壁の財務で安心感を得たいなら → リックス(7525)、蔵王産業(9986)、ニホンフラッシュ(7820)
  • 配当が増え続ける成長を楽しみたいなら → ユー・エス・エス(4732)、三菱HCキャピタル(8593)
  • 王道の安定配当を求めるなら → 三井住友フィナンシャルグループ(8316)
  • 高利回りでスパイスを加えたいなら → 商船三井(9104)

個別株投資の醍醐味は、自分で選ぶ楽しさにあります。

企業の事業内容を調べ、財務状況を確認し、「この会社なら応援したい」と思える企業に投資する。配当金が入るたびに、「この企業のおかげだ」と実感できる。

ETFにはない、この楽しさと納得感が個別株投資にはあります。

もちろん、調査の手間やリスクもあります。「やっぱり面倒だ」と思ったら、ETFに戻るのも一つの選択肢です。

大切なのは、自分に合った方法で、無理なく長く続けることです。


※本記事の内容は、執筆時2026年2月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。

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