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2024年に鳴り物入りでスタートした新NISA。「非課税枠が大きくなったし、これを機に積立投資を始めたい!」と考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ始めようとすると、「みんな、毎月いくらくらい積み立てているんだろう?」「自分はいくらに設定すればいいの?」という疑問が湧いてきますよね。
この記事では、そんなあなたの疑問を解消するために、新NISAの積立額に関する最新データ(平均額や年代別傾向)をご紹介するとともに、データに惑わされず「あなた自身に合った無理のない積立額」を見つけるための具体的なステップを分かりやすく解説します。さらに、年代やライフステージに応じた積立額の考え方や、途中で積立額を変更する場合の注意点まで網羅。
「将来のために何かしたいけど、具体的な金額が…」そんなあなたの、最初の一歩を力強く後押しします。
NISAについて詳しく知りたい人はこちら
新NISAの平均積立額ってどれくらいですか?
調査によると、全体の平均積立額は月額5万8,000円程度ですが、年代や収入によって幅があります。20代では約4万2,000円、30代以上では5万円~6万円台が平均的です。ただし、これはあくまで平均であり、中央値や少額から始める人も多いことを理解しておくことが大切です。
まず気になるのが、「他の人は一体いくらくらい積み立てているの?」という点でしょう。いくつかの調査データから、新NISAの積立額の傾向を見てみましょう。
「オカネコ」が2024年4月に実施した調査(回答者600人)によると、新NISAを利用している(または利用予定の)人の平均積立額は月額58,628円でした。年代別に見ると、20代が約42,000円、30代が約56,000円、40代が約61,000円、50代が約59,000円、60代が約64,000円、70歳以上が約53,000円となっています(※1)。
2024年4月(回答者:600人) | |
---|---|
平均積立額 | 58,628円 |
20〜29歳 | 42,000円 |
30〜39歳 | 56,102円 |
40〜49歳 | 61,606円 |
50〜59歳 | 59,069円 |
60〜69歳 | 64,630円 |
70歳以上 | 53,182円 |
また、別の調査として、Instagramアカウント「小林亮平@BANK ACADEMY(お金の学校)」が実施したアンケート結果(※2)では、積立金額の分布について興味深いデータが示されています。それによると、「月数千円~1万円未満」の人が9%、「月1万円~3万円」の人が20%と、月3万円以下で積み立てている人が全体の約3割を占めています。一方で、「月5万円以上」積み立てている人も41%と多く、積立額にはかなり幅があることが分かります。この調査では、中央値としては月額約40,000円が目安とされています。
これらのデータはあくまで参考値です。大切なのは、平均額に惑わされず、ご自身の収入やライフプランに合った無理のない金額を設定することです。少額からでも、長期的に続けることが何よりも重要になります。
※1 オカネコ「新NISAの利用意向調査」より
※2 Instagramアカウント「小林亮平@BANK ACADEMY(お金の学校)」実施のアンケート結果より
年代ごとに、新NISAの積立額の目安は変わりますか?
はい、変わります。20代は少額からでも長期投資を意識し、30代・40代はライフイベント資金と老後資金のバランスを考えた積立、50代以降は安定運用と出口戦略を見据えた無理のない範囲での積立がポイントになります。
平均額は参考としつつ、ご自身の年代やライフステージ、そして「何のために資産形成をするのか」という目的によって、最適な積立額の考え方は変わってきます。
20代は、社会人としてのキャリアが始まったばかりで、収入もまだ多くないかもしれません。しかし、最大の武器である「時間」を味方につけられるのが20代です。たとえ月々数千円~10,000円といった少額からでも、長期的に積み立てることで、複利効果を最大限に活かし、将来大きな資産を築ける可能性があります。
目的の例: まずは投資に慣れること、将来の大きな買い物(住宅など)の頭金、自己投資資金、そしてもちろん長期的な老後資金の準備の第一歩。
積立額の考え方: 無理のない範囲で、例えば手取り収入の5%程度から始めてみましょう。例えば手取り20万円なら月10,000円です。ボーナス時などに「スポット購入」で追加投資するのも良いでしょう。大切なのは「始めること」と「続ける習慣をつけること」です。
30代は、結婚、出産、住宅購入など、人生の大きなライフイベントが目白押しの時期です。これらの支出に備えつつ、将来のための資産形成も進める必要があるため、計画性がより重要になります。
目的の例: 子どもの教育資金、住宅購入資金、そして本格的な老後資金準備。
積立額の考え方: 20代よりも収入が増えている場合が多いので、積立額も少し増やせる可能性があります。手取り収入の5%~10%を目安としつつ、ライフイベントにかかる費用を考慮してバランスを取りましょう。例えば手取り30万円なら月15,000円~30,000円程度です。NISAの非課税枠(年間最大360万円)を意識しつつ、iDeCoなど他の制度との併用も検討し始める時期です。
40代になると、子どもの教育費が本格化したり、住宅ローンの返済が続いたりと支出も多いですが、同時に収入もピークを迎える方が多く、老後への意識も高まってきます。老後資金準備を本格化させる重要な時期と言えるでしょう。
目的の例: 老後資金の確保(最優先)、子どもの独立後のゆとり資金、資産の安定的な成長。
積立額の考え方: これまでの積立額を見直し、可能であれば増額を検討しましょう。手取り収入の10%~15%程度を目指したいところです。例えば手取り40万円なら月40,000円~60,000円です。もし資金に余裕があれば、NISAの「成長投資枠」も積極的に活用し、つみたて投資枠と合わせて非課税枠を最大限に活かすことも視野に入ってきます。
50代は、リタイアメントが現実的な視野に入ってくる年代です。これまでに築いてきた資産を守りつつ、可能な範囲で増やしていく「安定運用」へとシフトしていく時期です。また、退職後の「出口戦略(資産の取り崩し方)」も具体的に考え始める必要があります。
目的の例: 退職後の生活資金の確保、資産の保全とインフレ対策、趣味や旅行資金。
積立額の考え方: 新規の積立額は、これまでの年代よりは抑えめになるか、あるいは積立を終了し、既存資産の運用・管理に重点を置くケースも出てきます。もし積み立てを続ける場合でも、無理のない範囲で、リスクを抑えた運用を心がけましょう。例えば手取り35万円なら、状況に応じて月17,500円~35,000円程度、あるいはそれ以下で調整します。NISA口座内の資産も、徐々に安定的なものへリバランスしていくことを検討します。
新NISAの積立額、自分はいくらにすればいいですか?
①まず家計の収支を把握し、②万が一に備える生活防衛資金を確保した上で、③残りの余裕資金から、手取り収入の5%~10%を目安に無理なく続けられる金額を設定するのが基本です。
平均積立額のデータは参考になりますが、最終的に毎月いくら積み立てるべきかは、あなた自身の状況によって異なります。ここでは、自分に合った積立額を見つけるための具体的な3つのステップをご紹介します。
何よりもまず、自分のお金の流れを正確に把握することがスタートラインです。毎月の収入はいくらで、何にどれくらい支出しているのか。家計簿アプリなどを活用して、まずは1~3ヵ月ほど記録をつけてみましょう。これにより、毎月どれくらいの「余裕資金」があるのかが見えてきます。また、固定費(家賃、通信費、保険料など)や変動費(食費、交際費など)の中で、見直せる部分がないかも確認できます。
積立投資を始める前に、必ず確保しておきたいのが「生活防衛資金」です。これは、病気やケガ、失業などで収入が途絶えてしまった場合に、当面の生活を維持するためのお金です。フリーランスや自営業の方は特に重要になります。
一般的に、生活費の最低半年分から、できれば1年~2年分を、すぐに引き出せる預貯金などで確保しておくのが目安と言われています。この生活防衛資金が準備できていないうちは、無理な積立投資は禁物です。まずはこちらを最優先で準備しましょう。
資産形成の土台となる生活防衛資金。まずはここをしっかり固めましょう。
家計の余裕資金が把握でき、生活防衛資金も確保できたら、いよいよ積立額の設定です。よく言われる目安の一つが、毎月の手取り収入の5%~10%程度です。例えば、手取り収入が月300,000円の場合、その5%なら15,000円、10%なら30,000円となります。
最初はこの範囲で無理なく始め、収入が増えたり、生活に余裕が出てきたりしたら、徐々に増額していくのが賢明な方法です。「もっと増やしたい!」という気持ちも分かりますが、積立投資は長期戦です。途中で苦しくなってやめてしまっては元も子もありません。「これならストレスなく続けられる」と思える金額からスタートしましょう。
そして忘れてはならないのが、少額の積立でも、長期間続けることで大きな成果が期待できるという事実です。例えば、毎月5,000円の積立でも、年利5%で運用できれば、30年後には元本180万円に対して運用益は約236万円にもなり、合計で約416万円の資産を築ける計算になります(税金・手数料等考慮せず)。これはまさに「複利」の力です。諦めずにコツコツ続けることが、将来の自分への大きなプレゼントになるのです。
新NISAの積立額って、途中で変えてもいいんですか?
はい、いつでも変更可能です。収入増やライフステージの変化に合わせて増額したり、逆に支出増で一時的に減額したりと柔軟に対応できます。ただし、市場の動きに一喜一憂して頻繁に変えるのは避けましょう。
新NISAで積立投資を始めた後、「もう少し積立額を増やしたいな」「ちょっと今月は厳しいから減らしたいな」と思うこともあるでしょう。結論から言うと、新NISAの積立額は、途中で自由に変更することが可能です。
積立額を見直すのは、主に以下のようなタイミングが考えられます。
一方で、市場の相場が大きく変動したタイミングで、感情的に積立額を変更するのは避けましょう。特に、「相場が下落したから、もっと安く買えるチャンスだ!」と焦って無理に積立額を増やしたり、「これ以上損したくないから」と積立をやめてしまったりするのは、長期的な積立投資のメリットを損なう可能性があります。
積立投資の大きなメリットの一つは、定期的に一定額を買い続けることで、価格が高いときには少なく、安いときには多く買う「ドルコスト平均法」の効果が働き、購入単価が平準化される点です。市場の動きを読んで積立額を操作しようとすると、この効果が薄れてしまうだけでなく、精神的な負担も大きくなり、結果的に投資を続けられなくなるリスクがあります。
あくまで積立額の変更は、ご自身の家計状況やライフプランの変化に基づいて行うという原則を忘れないようにしましょう。
積立額の変更は、通常、NISA口座を開設している金融機関(証券会社など)のウェブサイトから簡単に行うことができます。積立設定の変更画面で、毎月の積立額や、ボーナス月の増額設定などを変更します。
変更手続きの締切日や、変更が反映されるタイミングは金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。また、新NISAの年間投資枠(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)を超えないように注意が必要です。
新NISAの積立額設定で最も大切なのは、『継続できること』です。どんなに高い目標を掲げても、途中で積立が苦しくなってやめてしまっては意味がありません。まずは家計を見直し、生活防衛資金をしっかり確保した上で、毎月確実に捻出できる金額からスタートしましょう。手取り収入の5%でも十分な第一歩です。そして、年に一度は積立額や運用状況を見直し、ライフプランの変化に合わせて調整していく。この地道な積み重ねが、将来の大きな安心に繋がります。平均額はあくまで参考程度に留め、ご自身のペースを大切にしてください。
新NISAで毎月いくら積み立てるべきか、その答えは一人ひとり異なります。調査データによると平均積立額は月額58,000円程度という結果もありますが、これはあくまで一つの目安。月々数千円から10,000円といった少額から始めている方も多くいらっしゃいます。
最も大切なのは、他人の金額に惑わされず、ご自身の収入や支出、ライフプラン、そして将来の目標を踏まえて、無理なく、かつ長期的に継続できる金額を設定することです。一般的には、手取り収入の5%~10%程度から始め、生活防衛資金をしっかりと確保した上で、余裕資金を活用するのが賢明なアプローチと言えるでしょう。
そして、一度決めた積立額も、ライフステージや収入の変化に合わせて柔軟に見直すことが可能です。ただし、市場の短期的な動きに一喜一憂して頻繁に変更するのではなく、ご自身の家計状況の変化に基づいて判断することが、長期的な資産形成を成功させる秘訣です。
この記事が、あなたが新NISAの積立額を設定する上での不安を少しでも解消し、自分に合ったプランで資産形成の第一歩を踏み出すための一助となれば幸いです。未来の自分のために、今日からできることから始めてみましょう。
※本記事の内容は、執筆時2025年5月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。
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田中 大二氏