2024年クレジットカード顧客満足度調査で各部門のトップに輝いたのは?
J.D. パワーが発表した2024年のクレジットカード顧客満足度調査は、プレミアム部門における顧客満足度の顕著な向上と、タッチ決済が顧客満足度とロイヤルティ向上に大きく貢献していることを明らかにしました。
本記事では、J.D. パワーが実施した2024年クレジットカード顧客満足度調査の結果の詳細と、クレジットカード業界における今後の展望について解説します。
各部門の満足度ランキング
本調査では、クレジットカードの機能やサービス内容によって、以下の4つの部門に分けられ、総合満足度が算出されます。
- プレミアム部門
- ハイステータス部門
- スタンダード部門
- 年会費無料部門
2024年の各部門のトップは以下の通りです。
プレミアム部門:アメリカン・エキスプレス(683ポイント)
ハイステータス部門:エポスカード(671ポイント・3年連続1位)
スタンダード部門:エポスカード(697ポイント・7年連続1位)
年会費無料部門:JCBカード(691ポイント・2年連続1位)
ハイステータス部門とスタンダード部門のエポスカードは、それぞれ3年連続、7年連続で1位を獲得しており、顧客からの支持の高さがうかがえます。
各部門3位までご紹介します。
プレミアム部門
第1位:アメリカン・エキスプレス(683ポイント)
第2位:JCBカード(677ポイント)
第3位:ダイナースクラブカード(648ポイント)
ハイステータス部門
第1位:エポスカード(671ポイント)
3年連続総合満足度第1位
第2位:PayPayカード(666ポイント)
第3位:三井住友カード(664ポイント)
スタンダード部門
第1位:エポスカード(697ポイント)
7年連続 総合満足度第1位。
第2位:楽天カード(675ポイント)
第3位:三井住友カード(647ポイント)
年会費無料部門
第1位:JCBカード(691ポイント)
2年連続 総合満足度第1位。
第2位:楽天カード(681ポイント)
第3位:三井住友カード(672ポイント)
プレミアム部門の躍進:ポイントプログラムと会員向けサービスが鍵に
本調査では、クレジットカードを4つの部門(プレミアム、ハイステータス、スタンダード、年会費無料)に分け、総合満足度を評価されています。結果、プレミアム部門の総合満足度は前年比+15ポイントと大幅に向上、特に「ポイントプログラム」と「会員向けサービス/特典」の評価が高かったことが分かったようです。
これは、プレミアムカード各社がポイント還元率の向上や魅力的なキャンペーンの実施など、顧客体験の向上に積極的に取り組んだ成果ではないでしょうか。
ハイステータス部門の課題:サービスと特典のさらなる充実が求められる
一方、ハイステータス部門の総合満足度は前年比-6ポイントと低下。こちらも「ポイントプログラム」と「会員向けサービス/特典」の評価が低かったことが主な要因とのことです。
ハイステータスカードは、プレミアムカードに匹敵するサービスレベルが求められる一方、年会費はそれよりも低く設定されていることが一般的です。そのため、顧客満足度を維持・向上させるためには、ポイントプログラムや会員向けサービス・特典のさらなる拡充が不可欠ではないでしょうか。
タッチ決済:顧客満足度とロイヤルティ向上に貢献
近年、タッチ決済の利用が急速に拡大しています。本調査でも、タッチ決済を利用した顧客は利用しなかった顧客に比べて総合満足度が高く、特に「ポイントプログラム」と「会員向けサービス/特典」の評価が高いことが明らかになったようです。
これは、タッチ決済利用者に対するポイント還元率の優遇や、タッチ決済限定キャンペーンの実施などが背景にあると考えられます。
さらに、タッチ決済利用者は、主利用カードの継続意向、増額意向、推奨意向も高い傾向にあり、タッチ決済が顧客ロイヤルティの向上にも貢献しているとのことです。
今後の展望:タッチ決済の普及とサービス拡充が鍵に
本調査ではクレジットカードの利用額についても言及されており、2024年の平均的な支払い額は前年比でわずか9%増の6,300円にとどまったようです。
この伸び悩みの要因としては、新型コロナウイルスの影響による旅行需要の一時的な回復がみられたものの、物価上昇の影響で実質賃金がマイナス傾向にあったことが挙げられるとのことです。
つまり、クレジットカード利用者には支出を抑えようという意識が根強くあると考えられます。
今後、クレジットカード会社のさらなる成長のためには、会員向けサービスの拡充やポイントプログラムの強化など、利用者にとって魅力的なインセンティブの提供が求められるでしょう。
- タッチ決済のさらなる普及促進:タッチ決済は顧客満足度とロイヤルティ向上に大きく貢献するため、今後もその普及を積極的に推進していく必要がある。
- ポイントプログラム・会員向けサービスの拡充:特にハイステータス部門では、ポイントプログラムや会員向けサービス・特典のさらなる拡充が顧客満足度向上に不可欠。
まとめ
J.D. パワー 2024年クレジットカード顧客満足度調査は、プレミアム部門の躍進、ハイステータス部門の課題、そしてタッチ決済の重要性を明らかにしました。
クレジットカード各社は、これらの結果を踏まえ、顧客満足度向上のための戦略を再考し、さらなるサービス拡充に努める必要があるでしょう。
特に、タッチ決済の普及促進と、ポイントプログラム・会員向けサービスの拡充は、今後のクレジットカード業界における重要な課題と言えるでしょう。
※本記事の内容は、執筆時2024年9月のものです。最新情報は各機関や企業の公式サイトをご確認ください。